ニシノデイジーの鞍上、一点予想は武豊騎手

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 しばらくニシノデイジーの騎手の問題について書いていたら、オーナーの西山茂行氏のブログに「勝浦騎手について」というタイトルでその話が載っていた。

ニシノデイジーの東京優駿制覇を祈ります

 この文章ではっきりしているのは、次走はG2弥生賞だが騎手は未定、ただし勝浦続投の可能性もあるということ。

 勝浦続投の要素としては

「かかり癖のある馬なので、やっぱり乗りなれた勝浦騎手か?」

「西山茂行の気持ちは勝浦で勝ちたい。」

というあたりに集約されている。

 勝浦降板を後押しする話としては

「西山茂行だけでなく、みんなが勝ちたい、生活がかかっている。」

「一コーナーでもうひとつ前の位置取りだったらどうなっていたか。」

「騎手に関してですが、これから高木調教師と相談です。」

というあたりだろう。

 西山茂行オーナーは何が何でもダービーを勝ちたいはず。現時点での能力ではサートゥルナーリアが若干上かもしれないし、今回と同距離同コースの皐月賞は分が悪いと思う。だが、2400mになれば血統面を考えても逆転の可能性はある。ただし勝浦のままでは、サートゥルナーリア・デムーロを負かす可能性を低くしてしまうかもしれない。

 顧問の尾形充弘元調教師は「こういう馬はめったに出ませんから、社長の悔いのないように」と進言したそうだ。この言葉は重い。つまり、勝浦でダービーを勝てずに「やっぱり勝浦を降ろしてでも勝ちにいくべきだった」とか、他の騎手でダービーを勝って「勝浦で勝ちたかった」というような悔いを残すなという双方を含んでいるのは間違いない。

 僕は部外者なので分からないが、一点予想をすれば武豊騎手じゃないかな。西山茂行オーナーにすれば本気でダービーを狙えるのはセイウンスカイ以来、21年ぶり。このチャンスを逃せば次は2040年までチャンスはないかもしれない。最後はオーナーが勝浦降板を決めると思うし、気心の知れた勝浦騎手だからこそ「オレもダービーを勝ちたいんだ」と言えば分かってもらえるという信頼関係はあると思う。武豊騎手にするのはダービー5勝と、最もダービーの勝ち方を知っている騎手にすることと、勝浦騎手に納得してもらうためにもビッグネームを持ってくるということの2点である。

 この馬はさんざん話題になっているが、同馬の祖母ニシノミライは父セイウンスカイ、母ニシノフラワーという西山ブランドの結晶のような存在であり、西山茂行オーナーの執念の配合で誕生したのがニシノデイジーである。セイウンスカイの子孫はほとんど残っていないと思うが、この馬を通じて子孫が残る可能性が出ており「私の曽孫でダービーを勝ってください」と馬が言っているような気がする。セイウンスカイの恩返しは、その娘を通じ3つの世代を重ねて実現しようとしている。セイウンスカイが血の繋がりを託した娘の名が「ニシノ未来」だったなんて出来すぎた話ではないか。こういうロマンが競馬の醍醐味であると僕は思う。

 気になるのは弥生賞から行くという点である。ニシノデイジーのレースを見ていると、左手前が好きな馬のようだ。右回りの札幌2歳Sでは4コーナーを回り切る前に左手前にスイッチしていた。これは外に膨れる危険性があるが、ダービーは左回り。左回りの東京スポーツ杯では直線を向いても左手前のまま走っていたようだ。途中、右手前に替えたものの、最後の追い比べはまた得意な左手前にして伸びていたように、僕の目には映った。そのあたりを考えると左回りを新しい騎手で一度経験させた方がいいと思う。2歳で5戦しているから弥生賞まで待つ方がいいのかもしれないが、ダービーを狙うという点では共同通信杯ー皐月賞ーダービーの”ドゥラメンテ”ロードなのかなという気がする。

 何の責任もない外部は楽だな。騎手選択を含めて好き勝手なことが言えるから。西山茂行オーナーがどういう決断をするのか、楽しみに待つことにしよう。

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