朝日の元政治部次長インタビューの「気持ちの悪さ」

The following two tabs change content below.
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 日刊ゲンダイのインタビューに朝日新聞の元政治部次長で現在論説委員の高橋純子氏が登場している。読んだ方もいらっしゃるかもしれないが、僕には「ちょっとなあ」としか思えない内容だった。自分が正しいと信じ込んで、客観的事実が見えなくなっている感じ。

■中立は議論してから決まる?

 問題のインタビューは「朝日新聞・高橋純子氏『安倍政権の気持ち悪さ伝えたい』」。

もう沈んで朝日新聞

 例えば新聞の中立性について「中立って、真ん中に立つことでも、両論併記でもないはずで、各人が『正しい』と思うことを発信し、議論したりせめぎ合ったりする中でかたちづくられるものではないでしょうか」と答えている。

 自分が正しいと主張している時点で中立が形成される前だから、中立ではない場合もあると言っているわけだ。つまり新聞の中立性について「朝日新聞は中立ではありません」「自分は中立ではありません」と堂々と語っていることと同義。このあたりの文章の論理性を、本人は自覚できているのだろうか。

 そもそも新聞紙上で中立が形成される過程を、読者は求めてないと思いますよ。新聞を買う多くの人は平等とか自由とか、民主主義とか普遍的な価値観に基づく考えを新聞に求めているのであって、赤旗や聖教新聞を買わないのはそこに理由がある。

■安倍政権批判だから批判されるわけじゃない

写真はイメージ

 さらに、安倍政権を手放しで応援する人の存在を指摘されると「いつからか、『反日』『国賊』といった、国によりかかって異質な他者を排除するような言葉が世にあふれかえるようになりました。権力を持っている人たちの振る舞いが暗にそうした空気を社会につくり上げ、メディアの批判も届きにくい状況があるように思います」と言っている。

 普通に考えるとメディアの批判が的外れだから、そういう言葉を浴びせられるのだと思う。そうした空気が社会にあるとしたら、それは自分たちに責任があると少しでも考えた方がいい。安倍政権が選挙で勝ち続け、朝日新聞の部数が減り続けているという事実にこそ目を向けてほしい。そういう事実を正面から見据える目こそ、メディアに求められていると思う。

 そして終盤では「現状に不満を抱えた人たちの承認欲求を逆手に取って『動員』する。それが首相を包むゼリーのようになってしまっているのではないかと。そうした人の承認欲求は別の形で満たしてあげることこそ政治の仕事のはずなのに、人間のルサンチマンをあおって利用するなんて、政治家として絶対にやってはいけないことだと思います」だそうだ。

 「承認欲求」という言葉がどのような精神状態を指しているのか不明。

 「そうした人の承認欲求は別の形で満たしてあげることこそ政治の仕事のはず」と理由を示さずに抽象的な決めつけをベースに政権批判。

 この文章に何か意味があるのだろうか。この人の政治主張は、事実や根拠に基づかない思い込みのみで形成されているのではと多くの人が感じる、その程度の意味しかない文章だと思う。

■オウム真理教の信者のごとく

 失礼を承知で申せば、インタビューを読んでいると、オウム真理教に洗脳された信者が、盲信的に教祖を信仰して客観的事実に目をつぶっていた様子を思い出した。

 インタビューのタイトルは「安倍政権の気持ち悪さ伝えたい」。朝日新聞の気持ち悪さだけが伝わってくるのは僕だけなのだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です