今度こそ高市総理誕生へ 石破氏と決選投票か
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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自民党総裁選(9月27日開票)は9人が立候補する大混戦の中、高市早苗氏の存在感が高まっている。各種報道では、決戦投票に進める可能性があることが報じられている。自民党内でも特に保守層の支持が集まる高市氏は、公約も安全保障を前面に押し出して分かりやすい。保守層期待の新総裁が誕生するかもしれない。
◾️9人の候補も3人に絞られる
9人が乱立する総裁選、1回目の投票で過半数を獲得する候補はなさそうで、決着は上位2名の決選投票に持ち込まれるのは確実な情勢。各メディアの報道を見ると、石破茂・小泉進次郎・高市の3名が上位にランクされている。
16日に公開されたNNN世論調査(9月13-15日)では自民党支持層の投票先とされたのは小泉24%、石破23%、高市18%の順で、4位は大きく離れて河野太郎氏と上川陽子氏の7%となっている。8月の調査からは小泉-2ポイント、石破+3ポイント、高市+4ポイントで、トップの小泉氏を石破・高市両氏が追い上げる展開となっている(日テレNEWS・【NNN世論調査】「次の総裁」石破氏27%でトップ維持5p上昇 2位は小泉氏21%)。
また、読売新聞も16日に総裁選の投票権を持つ自民党員・党友と確認できた1500人からの回答を得たとして、石破26%、高市25%、小泉16%の順であることを紹介。これに国会議員票(367人中352人から確認)を加えると、石破123票、高市123票と同数で、小泉105票となるとの試算を明らかにした(讀賣新聞オンライン・自民党総裁選で高市・石破・小泉氏が競る、決選投票の公算大きく…読売調査)。
読売新聞の予想通りに進めば、1回目でどの候補も過半数(368票)には到達せず、決選投票に持ち込まれることになる。その場合、国会議員票367票+都道府県連票47票の414票の争い。そこからは予測がつけにくいが、世間で言われるように石破氏は菅義偉氏に近く、麻生太郎氏とは犬猿の仲であると考えれば菅義偉vs麻生太郎の代理戦争となる。
1回目で河野太郎氏に投票した多くの国会議員が高市氏に流れ、逆に小泉氏の票は石破氏に多く流れることが予想される。結局、林芳正氏と茂木敏充氏の国会議員票(旧岸田派と茂木派)がどちらに流れるかが勝敗を決することになるのかもしれない。麻生氏にすれば決選投票が小泉vs石破になれば政権発足後の非主流派確定であるから、それなりの対策は施すのではないか。
◾️分かりやすい高市氏の主張
個人的には高市氏の主張・公約が分かりやすい。9月9日の出馬表明時は「国の究極の使命は、国民の生命と財産を守り抜くこと」と語り、「総合的な国力の強化に向け、防衛力や経済力、人材力などの向上に取り組む考えを示した。」との評価を受けた(朝日新聞DIGITAL・自民党総裁選に高市氏が出馬表明 「国民の生命と財産守り抜く」)。
言うまでもなく、国家がなすべき最も重要な役割は国家・国民の生命・安全を守ることである。その点を最初に言及したことが、高市氏が政治家として最も評価できる部分のように思う。公約を聞いても安全保障に関する部分に力を入れている。特に他の候補との違いを感じるのが食料安保である。現在、日本の食料自給率はカロリーベースで38%であり、それを100%を目指すとする(高市早苗チャンネル・高市早苗 自民党総裁選 政権公約 「日本列島を、強く豊かに。」)。
低い食料自給率は食料輸出国から輸出をストップされるリスクを孕む。この点の解消のため、2008年の「21世紀新農政2008」の中で食料安全保障の確保について検討されたが、実際のところは2008年度に41%だった食料自給率が、2022年度には38%に下がっている。ちなみに1965年度には73%であった(農林水産省・日本の食料自給率)。
この食料自給率を上げるためにモジュール型の設備を使って栽培や魚の養殖等を行なっていくというのである。高市氏の場合、安全保障は軍事面だけでなく、広範な分野での安全が必要との認識である。具体的には公約の中で以下のように触れている。
①食料安全保障の強化
②エネルギー資源安全保障の確立
③「現在と未来の生命」を守る 令和の国土強靭化
④サイバーセキュリティ対策の強化
⑤健康医療安全保障の構築
ロシアによるウクライナ侵攻から2年以上経過、次は台湾という声も出る中、高市氏なりの危機感がこうした公約に現れているように思う。
◾️非核三原則捨てる覚悟あるのか
石破氏も公約の中でアジア版NATOの創設に触れるなど、積極的な姿勢を示しているが、あまりに現実離れしている。ロシアがウクライナに侵攻したのはウクライナがNATOに加盟していなかったというのはその通りなのかもしれないが、陸続きの欧州で旧ソ連の侵攻に備えて結成されたNATOと島国で周囲の国と陸の国境を有しない日本を同一線上で考えることに無理がある。
しかも問題になるのは核戦略である。NATOには英仏という核保有国を含み、独・伊・蘭・白・土の5か国に米軍の核兵器が配備されている(防衛研究所 NIDSコメンタリー・NATOの核共有制度について、新垣拓)。それがロシアに対する決定的な抑止力として機能しているのは明らかで、石破氏はアジア各国に米国の核兵器をシェアリングさせる考えなのか。ウクライナが旧ソ連時代の核兵器を放棄したことでロシアの侵攻を招いていることは石破氏自身が認めている(讀賣新聞オンライン・【自民党総裁選】石破茂氏の経歴・政策・推薦人・演説全文)。
そこまで言うのであれば、非核三原則を捨てることを明言して総裁選を戦うべきであろう。そうすればアジア版NATOもそれなりに評価できるが、そこに一切言及しない状況では絵に描いたもちでしかない。
現実問題として日本の安全保障は米国頼み、日米同盟を基軸にしてクアッドなどの枠組みを強化していくしかない。それならば高市氏の主張する防衛力・外交力の強化の方が遥かに現実的で他国に対して抑止力として機能する。
高市氏はその点について政権公約の中で「今の日本の状況、日本は世界有数の核の最前線に国土を構えています。この現実から目をそらすわけにはまいりません。…欧米各国よりは遥かに厳しい安全保障環境に日本は身を置いております。この現状はしっかりと認識した上で、対処能力を整えてまいりたいと思います。」(前出の高市早苗チャンネルから)と明言した。現実的な安全保障の観点から、石破氏との差は明らかであると感じられる。
ちなみに、安倍晋三元首相が核シェアリングに言及した時に、岸田首相は「被爆地・広島出身の首相大臣として核による威嚇も使用もあってはならない」(ANN news CH・「核による威嚇も使用もあってはならない」岸田総理G7の首脳らと電話会議)と答えた。一国の安全保障よりも自身の出身地・選挙区への想いが優先するかのような発言をしている(参照・核共有反対「広島出身の総理として…」に違和感)。このような政治家が、台湾で戦火が起きるかもしれないという時代に総理であることの危険性を我々はもっと早くから認識すべきであったと思う。
◾️今度こそ高市首相誕生を
前回の総裁選でも当サイトでは高市氏が勝つのではないかという予測をした(参照・高市早苗首相誕生と予想「天の時」到来)が、結果は議員票114、党員票74の合計188票で決選投票には進めずに終わった。
ウクライナ侵攻から2年半以上、そして台湾侵攻が近いとされる現状では安全保障の見地を最重視して総理総裁を選出すべきであろう。多くの国会議員、自民党員がそう感じてくれれば、今度こそ高市首相の誕生があるかもしれない。
•••一部報道によれば、
国会議員票が1番多く入りそうなのが“小泉進次郎氏”、2番目は“小林鷹之氏”だという。
小泉氏は、菅義偉氏(前総理)らが推しており、
小林氏は、安倍派/二階派の残党が推していると。
※コレって、どちらも『神輿は軽い方が良い』なのでは?(軽いでは無いにしても、両名共に“ 小 ”だしなぁ)
小泉氏を担ぐ議員は、まさに「神輿は軽くて派手なのがいい」ではないでしょうか。そこに国や国民に対する思いはあるのかと問いたくなります。
国会議員票は小泉氏に多く入るかもしれませんが、実際の投票日には流れを読もうとしていた連中が勝ち馬に乗ろうと、一気に高市氏に…という可能性はあるように思います。