TBS系「消えた天才」の悪質手口、加工映像を高橋大輔選手のスピンと並べて比較

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 人気番組「消えた天才」が映像を加工していたことが明らかになって休止となっている問題でTBSは9月10日、番組について「精査中」であるとした。一流選手が、それまで勝てなかった人で、その後、表舞台から姿を消した「消えた天才」の人生を追跡するドキュメントの視聴者を欺く行為は、これから本格的に明らかになる。

■バレないように? 高橋大輔選手には見せないという手口

本人には見せなかった加工映像(TBSの放送画面より)

 問題になったのは8月11日放送分。リトルリーグで全打者三振の完全試合を達成した選手の投球を、映像を早回しして実際の投球よりも速く見せたという。9月5日には、それ以外にも3件の視聴者を欺く映像加工をしていたことが明らかにされている。

(1)2018年1月3日放送:卓球選手の現在のプレースピードを実際より2割速く加工。

(2)2018年1月3日放送:フィギュアスケート大会で、当時小学生の男子の映像についてスピンスピードを2割程度速く加工。

(3)2018年11月4日放送:元Jリーガーの男性の小学生時代の試合のドリブル突破を図る映像を2割程度速く加工。

 実は僕はこの番組が好きでyou tubeでだが見ていた。動画を見る限り特に悪質なのは(2)である。これはフィギュアスケートの高橋大輔選手が小学生時代に勝てないと感じていたという選手の映像であるのは間違いないと思うが、早回しをして紹介した上、高橋選手の映像を並べて「消えた天才」がいかに速く回転しているかというように見せている。「消えた天才」は2割速くしているのだから、それは高橋選手より遥かに速く回っているように見えるのは当然である。

 この映像を見たのはスタジオにいるフィギュアスケートには関係のない芸能人、スポーツ選手だけで、高橋選手はスタジオには招かれていない。本人が見れば「いや、これはおかしいよ」と一目で分かるから、スタジオには呼ばなかったと疑われても仕方がない。娯楽番組とはいえ、視聴者を欺く行為をしてTBSの人間は良心が痛まないのか不思議に思う。

■ドジャースの前田健太投手も出演、まさか騙してないよな…

 現在、ロサンゼルスドジャースの前田健太投手も「消えた天才」には出演している。その時は「消えた天才」の子供の頃の投球の映像を実際に見せており、前田投手は「速い!」と絶賛している。この時も加工した映像を見せていた可能性もある。実際に子供が投げるようなレベルの球ではない。もし、そうであれば番組に協力してくれた前田選手をも欺いていたことになる。まさかないとは思うが…。

 今後、調査が進めばTBSの手口が明らかになるであろう。コンセプトとして面白い、いい番組ではあったのだが、本当に残念でならない。

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