台湾人が「恥さらし」と怒る ”日本人集団食中毒”事件 見えた対日感情と南北問題
葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼
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初めてお目にかかります、葛西健二、43歳です。1998年に台湾に住み始めて21年、人生のほぼ半分を台北で過ごしています。そんな私がこの場を借りて、日本人の目で見たディープな台湾情報をお伝えしようと思います。第1回は日本人の高校生の集団食中毒と思われる事件を通じて見えた台湾人の微妙な対日感情と、台湾の”南北問題”をお伝えします。
■日本からの修学旅行生がレストランで嘔吐や下痢
日本でも伝えられたようですが、12月12日、修学旅行で台湾を訪れていた日本の高校2年生70人以上がレストランで夕食をとった後、嘔吐や下痢の症状が出て病院に搬送されるという事件がありました。集団食中毒の疑いが濃厚ということです。
朝日新聞電子版には台北市内のレストランで食事をした東北高校(仙台市青葉区)の72人が不調を訴えたとありますが、12月13日付けの台湾の新聞のサイト(東森新聞ET today)では桃園市内のレストランで食事をした後、台北市内を観光中に73人が発症となっています(陳怡婷・台北市衛生局食薬処科長発表)。朝日新聞さん、大丈夫ですか?
近年、台湾では「食安」をスローガンに政府主導で食品の衛生管理に対する啓蒙を含む指導、監理が強化されています。これは訪台外国人が急激に増加(4年連続1000万人突破)していること、経済発展により先進国の経済レベルに近づいていることなどが背景にあるのは間違いありません。そうしたさなかでの出来事だけに、反響は小さくありませんでした。ネットの声はこんな感じです。
「髒死了 真丟台灣的臉(汚すぎ。台湾の面汚し)」
「丟臉 一定抓得到哪家店 拜託公開(恥さらし。必ずどの店か特定、公開しろ)」
「食安呵呵 這樣還想推觀光(食品安全は? これでも観光を推進するのか)」
■「日本人が台湾へ遊びに来なくなったらどうしよう」
今回、被害に遭ったのが日本の高校生だったということは見逃せないファクターです。台湾人からすれば、日本人に「やっぱり台湾は、遅れた国なんだな」と思われかねない悔しさ、恥ずかしさがあると思います。
「丟臉丟到日本(日本にまで恥をさらした)」
「我看日本人都怕到不敢來台旅遊了(日本人が台湾へ遊びに来なくなったらどうしよう)」
「日人來台剛破200萬 好諷刺 是哪家店啊(訪台日本人が年間200万人を超えたところなのにすごい嫌がらせだよ。どこの店だ)」
「去落後國家都會有風險 下次小心點(水準的に低い国に行くときはリスクがつきものだ)」
最後のコメントは自分たちを卑下していると思っていいでしょう。(どうせ俺たち、こんなもの)みたいな、日本から寄せられるかもしれない軽蔑を先回りしている感じでしょうか。
■台湾にもある南北問題、関西と東京の関係?
この問題でもう1つ注目したいのが台湾における南北問題です。ご存知かもしれませんが、台湾は台北のある北部が政治・経済・文化の面で優位に立ち、大雑把に言えば北高南低。発展の遅れている南部の人は、北部に対する劣等感のようなものがあります。そんな微妙な心が滲み出るようなコメントが結構、目につきました。
「桃園還台北都北部的~再笑南部阿(桃園と台北、どちらも北部だ。これで南部を笑えるのか)」
「笑死,台北人老愛說南部多沒衛生(笑わせる、台北人はいつも南部が汚いって言うくせに)」
「台北的食物跟噴一樣,難怪會中毒(台北の食べ物は最低、どうりで食中毒になるわけだ)」
私は京都市出身なのでよく分かるのですが、台湾の南部の人の北部への意識は、関西人の東京に対するそれに似ているように思います。「我々を上から見ているようでイケ好かない」という思いから来る反発心のようなものです。台湾南部の人たちのそうした日頃の思いが、このような機会に出たのかもしれません。
被害に遭われた方達にはお見舞い申し上げますが、面白いですね。
台湾人は親日派が多いと言う事ですね。それと台湾にも南北問題が有るのですね。
ここでも朝日新聞の手抜き取材が露呈されましたね!
>>山口秀明様
朝日新聞は東北高校の関係者の話で記事を作っているので、不正確になったのでしょう。そこはしっかり確認しないといけませんよね。客観的な場所や人数を、他者のコメントから書くのは報道機関としてはお粗末としか言いようがありません。
これからも台湾からの話題は公開していく予定ですので、是非とも、ご覧になってください。