Switchに洗浄便座付け6万円「持ってけ泥棒!」
葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼
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日本ではNintendo Switchが品薄で店頭に客が殺到しているようですが、台湾でも品薄状態が続いています。新型コロナウイルスの影響がこんなところにも表れていますが、在庫を持つ業者がタダでは売らないのが台湾商法です。
■Nintendo Switchは台北でも品薄
Nintendo Switch本体の品薄状態に、ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」(台湾名:集合啦!動物森友會)のヒットも加わり、日本国内の電機量販店に転売目的の人を含むと思われる多くの客が殺到している様子は、台湾でも大きく報じられました。
これは任天堂の工場が中国とベトナムにあり、中国での新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受け、供給が追いつかなくなったということが影響しているのでしょう。同社は4月14日に日本向けへの出荷の再開を発表しましたが、当分、品薄状態が続くのではないかと思われます。
Nintendo Switch本体が品薄なのは台湾も同じです。実は私の妻が台北の百貨店で商品管理をしているのですが、2月上旬から売り切れ状態で入荷しても2週間に10台程度で、即日完売の状態とか。新型コロナウイルス感染拡大に伴い外出を避けるようになったことで需要が増えたという事情も品薄に拍車をかけました。
■本体+αが当たり前の台湾商法
現在、Switch本体は台湾オークションサイト「蝦皮購物」「露天拍賣」などでは定価の1.5倍以上で販売されています。またネットのショッピングサイトでは「本体+α」の形で販売または予約が行われています。
この「本体+α」ですが、「Switch本体+ゲームソフト」のセット販売のものは以前からあり、適正価格(むしろセットでお得)ということもあって早い時期に完売となり、今は予約待ちの状態となっています。このゲームとのセットが手に入らなくなってからは、αの部分にSwitchと関連がない商品を合わせた意外なセットが大手ショッピングサイトで販売され話題となりました。
日本で言うところの「抱き合わせ販売」です。人気ソフトの”ドラクエ”シリーズを他の不人気ソフトを組み合わせて販売した業者が話題になりましたが、不当な抱き合わせ販売は独占禁止法19条に違反するとか。台湾はそのあたりは日本ほど厳格ではないのかもしれません。
■Switch+テレビはまだしも「+ガスコンロ」って何だ?
具体的に紹介しましょう。まずはテレビと組み合わせた例です。テレビのおまけにゲーム機本体を付けるなら分かりますが、明らかに主役はゲーム機というのが、時代の流れなのかもしれません。
これは日本では独禁法違反にならないのでしょうか。ゲームはやはり大画面でという抱き合わせということで、不当ではないと判断されるのでしょうか…。4月17日にソニー49型テレビとのセット3万7400台湾ドル(約13万円)は売り切れているため、買った人は少なくなかったのでしょう。
続いては「ガスコンロ+Switch本体+ゲームソフト」。4月29日から出荷の予約セットで1万9500台湾ドル(約6万8250円)です。テレビ番組でゲーム業界に詳しいという方から抱き合わせ商品の代表例として紹介され話題になりました。
これに対して、ネットの声は以下のようなものです。
清庫存 (在庫処分)
瓦斯爐跟switch 可帶出門用 ~,誰敢出門 (ガスコンロとSwitch どちらも持って出かけられるよ~って、誰が敢えて外出するよ!)
ゲームとコンロの関連性が見出せず評判が良くなかったのか、現在は商品欄から消えています。これ、日本ならさすがに違法ですよね?
■4月末の再入荷まで待てなかった? 台湾の逞しさに感服
最後は大手ショッピングサイトに掲載された温水洗浄便座との組み合わせです。便座と並べて売られるSwitch、何とシュールな画なのでしょう。独禁法違反云々と固い話は横に置き、この芸術的な組み合わせを楽しんでいただきたい気分です。
価格は1万5990台湾ドル(約5万6000円)と1万6900台湾ドル(約5万9000円)。「買えなかったらウンのつき、いいえ、綺麗に流します…」。
この抱き合わせにネットは以下のように反応しています。
真是天才 (真の天才だ)
那款免置馬桶售價七千五耶,有需求的人還算打折了 (この便座は(単体で)7500元、必要な人なら割引価格だよ)
可以在馬桶上玩 (便座の上でも遊べるよ)
案外、肯定的な反応であるのは驚きです。価格設定が良かったのか完売になっています。「剛好兩個我們家都有要,可惜沒貨 (家はどちらも欲しかったのだけれど、惜しいことにもう手に入らないね)」といったコメントも目につきました。
日本なら違法なのかもしれませんが、台湾ではこのような販売形式でも購入する人が一定数いるようです。その人のニーズに合っていたのかもしれませんが、それ以上に4月末の再出荷まで辛抱できない人が多かったように思います。手に入るのが遅くなると予測した人も多いのではないでしょうか。何分にも、日本人ほど辛抱強くない国民性ですので…。
それを含め、台湾でのNintendo Switchの人気の高さを感じさせる抱き合わせ商法。また、何でも商売にしようとする台湾人の「逞しさ、したたかさ(または厚かましさ)」も見えてきて興味深い現象と言えます。
Nintendo Switchは日本でも倍近い価格で取引されていますが、5月になると、10万円に上昇するのではと思っています。
他にも、マスク1,000枚10万円とか、いろいろ物議を醸すことでしょうね。
>>けんけん様
葛西健二に変わりまして、ありがとうございます。
間も無く中国の工場は再開というのを読みましたが、市場に出回るまではタイムラグがあるでしょうね。しかも人気ソフトが出て、それを機に買いたいという層もいそうですし。
これもコロナの大きな影響の一つと言えそうですね。