プーチン「核戦争の準備万端」 露メディアを読む
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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ロシアのプーチン大統領が国営メディアのインタビューに答え、ウクライナとの問題で「核戦争の準備は万端」と発言したと13日、ロイター通信が報じた。同大統領は侵攻当初から核兵器の使用は示唆していたが、大統領選挙を前にあらためて触れた意図は何か、ロシアのメディアを翻訳して考えてみた。
◾️1時間30分超のロングインタビュー
プーチン大統領は露テレビ局ロシア1と国営通信社RIAのインタビューの中で問題の発言をした。その中で「ウクライナで核兵器を使用する必要はないとしながらも、主権が脅かされれば核兵器を使用する用意があると強調。核戦争への準備ができているのかとの質問に対し、テレビ局ロシア1と国営通信社RIAに『軍事技術の観点からは用意ができている』と応じた」(ロイター・プーチン氏「核戦争への準備万端」とけん制、切迫性は否定)と報じられている。
ロシア1に関しては既に動画もアップされ、97分10秒というロングインタビュー全てを視聴できる(ロシア1・Интервью президента РФ Владимира Путина Дмитрию Киселеву. 13.03.2024=”Interview of the President of the Russian Federation Vladimir Putin by Dmitry Kiselyov. March 13, 2024.”)。
この動画をもとにロイターは世界にその内容を報じている。言語はすべてロシア語のため我々はほとんど理解できない。そこで、ロシアの日刊紙Ведомости(Vedomosti=ヴェドモスチ)が大統領の重要な発言を文字化しているのを利用し、同大統領の発言を確認することとした(Ведомости・О чем рассказал Владимир Путин в интервью Дмитрию Киселеву=ウラジーミル・プーチンがドミトリー・キセリョフのインタビューで語った内容は何か)。
ちなみにヴェドモスチとは「news」「newspaper」あるいは「report」の意味という。当初は海外資本が多く入っていたが、2014年のマスメディアに関する法で外国人の保有株式が20%未満に制限され、現在に至っている(ウィキペディア・Ведомости)。
◾️インタビュアーは政府直結の人物
以下、断りのない情報はすべてヴェドモスチ発である。
ロシア1にアップされているインタビュー動画のサムネイルを見ると、インタビュアーは初老の男性であることが分かる。この男性はドミトリー・キセリョフ(69・Киселёв, Дмитрий Константинович=Dmitry Kiselyov)という人物である。
2014年にロシアがウクライナのクリミア半島に侵攻し、一方的に併合した際、欧州連合(EU)は3月17日に制裁として21人のロシア人公務員等のビザ制限と資産凍結を行い、その4日後の3月21日に制裁リストに12人を加えた。キセリョフ氏はその追加制裁リストに名を連ねている(欧州自由ラジオ・A Timeline Of All Russia-Related Sanctions)。
追加制裁されたメンバーはヴァレンティーナ・マトヴィエンコ連邦議会議長、セルゲイ・グラージエフ大統領顧問、ドミトリー・ロゴジン副首相、黒海艦隊副司令官アレクサンドル・ノサトフ中将ら。国家の指導層の中にロシア・セリョドニャ通信社のトップであるドミトリー・キセリョフ氏が加えられているのは注目に値する。
要は今回のインタビューは中立的立場のインタビュアーではなく、国家の代弁者、スポークスマンが行い、それを国営のメディアが報じるという、まさにロシアの対外宣伝ということである。
◾️使用する準備ができている
ウクライナに関する部分を取り出してみよう。ロシア語の後に和訳(機械翻訳を利用)を付す。
Россия «с военно-технической точки зрения» готова к ядерной войне, заявил Путин. По его словам, ракеты постоянно находятся в состоянии боевой готовности, к тому же ядерная триада РФ является «более современной, чем любая другая». В то же время применять такое оружие Россия будет только в соответствии со своими принципами, подчеркнул он.
プーチンは、ロシアが「軍事技術的観点から」核戦争に備えていると述べました。彼の言葉によれば、ミサイルは常に戦闘態勢にあり、また、ロシアの核三位一体は「どの他の国よりも現代的だ」と述べました。同時に、彼は、ロシアがそのような兵器を使用するのは自らの原則に従って行われると強調しました。【和訳以上】
まず最初に核戦争に備えている事実を明らかにしている。ただし、それは「軍事技術的観点から」であり、政治的・戦略的な観点とはしていない。事態の打開、あるいは戦争の終結という政治的・戦略的見地から核戦争を起こすことは考えていないと宣言していると考えることもできる。
ここでいう核三位一体とは、ICBM(大陸間弾道ミサイル)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、戦略爆撃機から発射される核爆弾(ミサイル)を指す。これらは世界でも最高水準であるとし(量は最高でも、質は米国に劣る気がするが)、その使用の原則に従うことを明らかにした。要は、その原則がレッドラインで、それを越えれば核兵器を使うという西側への警告でもある。極めて抽象的に表現すればロシアの核兵器使用は能動的ではなく、受動的であり、その準備は整っているというメッセージである。
«Мы готовы применять оружие, в том числе любое оружие, в том числе и такое, о котором вы сказали, если речь идет о существовании российского государства, нанесении ущерба нашему суверенитету и независимости», – сказал он.
彼は言いました。「ロシアの国家の存在、主権、独立に損害を与える場合には、あらゆる種類の武器、そして言及されたような武器を含めて、使用する準備ができている」。【和訳以上】
「あらゆる種類の武器」で核兵器が含まれることは明らかで、「使用する準備ができています」が「準備万端」というロイターの見出しに繋がったことが分かる。ここまで文脈を見る限り、西側に対してロシアという国家に直接リスクが生じるような行為をするなという警告であり、それは逆に現行の武器支援はやむ無しと認めたこととも取れるのではないか。
◾️ウクライナで使用の可能性
Российский лидер заявил, что ему никогда не приходила мысль о возможности применения тактического ядерного оружия на Украине, даже в момент вывода российских войск из Херсона. «Это (вывод войск из Херсона. – “Ведомости”) совсем не означало, что у нас там фронт разваливается. Ничего подобного и близко не было. Просто это сделалось для того, чтобы не нести лишние потери среди личного состава», – пояснил он.
ロシアの指導者は、ウクライナで戦術核兵器を使用する可能性について、ヘルソンからのロシア軍の撤退の瞬間でさえ、考えたことがないと述べました。「これ(ヘルソンからの撤退。- 「ヴェドモスティ」)は、私たちの間でフロントが崩壊していることを意味するわけでは全くなかった。 何もそんなことはなかった。単に、個人の損失を避けるために行われたものだ」と彼は説明しました。【和訳以上】
この部分は解釈が難しい。言葉通りに解釈すれば、ヘルソンからの撤退(2022年11月)という非常に厳しい状況におかれた場合でも核兵器の使用なんて考えなかった、というもの。最も厳しい状況でも核兵器を使おうと思わなかったということは、核兵器の使用は現実的には検討したことすらないという意味となり、この先も少なくとも現状が維持されるような状況であれば使用はしないと取れる。
ただし、その後にヘルソンからの撤退は敗退ではなく、戦略的選択であったかのように言っているのであるから、ウクライナの状況がプーチン大統領の言うヘルソンの時より悪くなれば使用を検討しない保証はないということになる。多分使わないが、万が一の時に備えて使用の検討、あるいは使用の選択肢は手元に残すと解釈するのが通常の考えであろう。
なお、言及したのは戦術核兵器(тактическое ядерное оружие)である。一撃で都市を滅亡させる最終兵器、戦略核兵器(стратегическое ядерное оружие)ではないことに注意が必要である。
Путин также допустил проведение испытаний ядерного оружия, если то же самое первыми сделают США. Он напомнил, что Вашингтон так и не ратифицировал Договор о всеобъемлющем запрещении ядерных испытаний (ДВЗЯИ), поэтому Россия для соблюдения паритета отозвала свою ратификацию.
プーチンはまた、米国が同様の行動を取った場合に核兵器の実験(核爆発)を許可することを示唆した。彼は、ワシントンが包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准していないことを思い出し、そのためにロシアは平等を維持するために自身の批准を撤回したことを述べた。【和訳以上】
この部分はウクライナでの核使用ではなく、CTBTの話である。もし、米国が核実験(ロシアへの威嚇になる)を行えば、こちらもやるぞ、と言っている。それまでウクライナでの核兵器の使用について語っていたものを、いきなりCTBTに話に変えているのは示唆に富む。
本音は「アメリカが核兵器を使用すれば、こちらもやるぞ」と言いたかったのかもしれないが、そこまで言うとロシアは米国との核戦争も決意した、あるいはその選択肢を排除しないというメッセージとして米国に伝わることをおそれたのではないか。そこでCTBTに話を変え、核には核で対抗するがCTBTに限った話という限定をつけたと解釈すべきではないか。
◾️いたずらに不安煽る見出し
ここまで読めば、ロイターのニュースがどういうものであったか、想像がつく。もちろん、正確なところは当事者でも専門家でもない我々には分からないが、一つのヒントにはなる。
結局、プーチン大統領は停戦を期待しているのではないか。ローマ教皇がゼレンスキー大統領に「白旗を掲げる勇気」を呼びかけ、停戦に期待をかけたタイミングに合わせたのかもしれない。
自分たちは力は持っている。核兵器の使用は原則通りで、ウクライナにおいて例外ということはない、つまり今のままなら使用しない。でも、使う準備はできている。ーー以上がこの部分のメッセージである。飴と鞭を取り混ぜて暗に停戦に期待するかのようである。
そう考えると、ロイターの「『核戦争への準備万端』とけん制」という見出しはいたずらに不安を煽る表現に思える。
新版キューバ危機
ロシア、ウクライナの軍事情勢、戦況に関して評価が分かれている。
ウクライナの敗戦間近、いやロシアこそだと、
又いわゆるロシアの侵攻に関しても反ロシア、反ウクライナと同じくである。
ソビエト連邦の崩壊を予測した社会学者、故小室直樹氏の著書。
●ソビエト帝国の崩壊 80年
その後上梓した。
●ソビエト帝国の分割( 日・米・独の分捕り合戦がはじまる)90年
上記、今現在日本は入ってはいないが、ロシアは広義に小室氏が予測した状況であると認識する。
今やロシアが自由主義国家(基本的価値観において)アメリカ(民主党政権)NATO,EUは表裏一体(基本的価値観において、内ゲバあり)の全体主義である。
その勢力がロシアの崩壊を目指している。
NATOの拡大、アメリカの傀儡政権であるウクライナ、2014年から戦争は始まっている論である。(侵攻という軍事的衝突のみが戦争ではない、真珠湾から先の大戦がはじまったのではない。)
いわゆる陰謀論とは異なる。
核使用に対しても評価が分かれている、というより情報戦である。
記事にある。
>そう考えると、ロイターの「『核戦争への準備万端』とけん制」という見出しはいたずらに不安を煽る表現に思える。
ロイター通信の誘導質問、(印象操作、情報操作)
世界経済フォーラム、世界主要通信社16社とプーチン大統領との会談 6/5
ロイターの女性編集者が核使用の危機(その責任)はロシアにある?的誘導的質問を成しプーチン大統領が、いや逆であるとの反論を成している。(少し色をなしたと)
以下がソース
●警告無視が呼び込んだキューバ危機 ロシア在住のニキータ氏のサイト
●ニキータのロシアの手ほどき
プーチン大統領はウクライナ侵攻にいたるまでに再三の警告を成し、核使用に関しても牽制の論理を述べている。
キューバへのミサイル(核?)配備は現実に動き出しているようである。
これが正に抑止、状況変化好転へとなる事を願う。
世界情勢は変わる、、
西側の価値観を受け入れないとするロシアの現況の戦いは個別条件、その個別的価値観においてカオスを発生させる。
ロシア、北朝鮮(韓国)中国、、、呉越同舟 国共合作、敵の敵は味方という状況が発生する、、
見誤ってはならない。
我那覇真子氏がカナダの状況を、グレートリセットとの言葉を用いて解説している。
それはキリスト教への攻撃だと、基本的な価値観を破壊しようとしていると、
この事とロシア、ウクライナは脈絡があるのだ。
先の米国大統領選を大紀元エポックタイムスがサタンとキリスト教の戦いと記事にした。
何やらオカルト的表現でオドロオドロしいが正鵠を射抜いている。
それは近代国家を形成するに至った価値観とそれを破壊しようとする勢力との闘いだ、ということだ。
今現在その熾烈な戦いが繰り広げられているのだ。
自由社会を何としても守らねばならない。
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