”盛り土”所有者に責任はないのか
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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熱海市伊豆山で3日に発生した土石流は甚大な被害をもたらした。土石流の崩落起点となった土地の所有者はANNの取材に対し、買い受ける時に盛り土のことは知らず、また、所有するメガソーラーと崩落の関連性はないと、代理人弁護士を通じて語った。果たして土地所有者には何の責任もないのか。
■土地所有者は「びっくりしている」
熱海市で発生した土石流は死者9人、10日現在、安否不明者が20人という深刻な事態となっている。崩落起点を含む一帯の土地所有者はANNの取材に答え、以下の点を明らかにした(参照:ANNnewsCH・“崩落前”現場で何が…土地所有者「土運んでない」【羽鳥慎一 モーニングショー】2021年7月6日)。
・土地は2011年2月に購入した。
・盛り土をしていたことは知らず、一帯は段々畑状になっていた。
・その後、整地や埋め立てはしていないので、本人はびっくりしている。
・メガソーラーと崩落起点は非常に離れている。
・太陽光発電の上に落ちた雨は、流れていく水の流れとは全然違い、事故の原因となったことはない。
要は、前の所有者が盛り土をしていたのを知らずに買った、自分がつくったメガソーラーは土石流発生との因果関係はないという主張である。
■民事上の責任を問う上で重要なポイント
刑事責任はひとまずおいて、民事上の責任は現所有者にあるのかは難しい問題である。今後の調査で明らかにしなければならない点は多く、特に以下の点は土地所有者の責任を考える上では必要になる。なお、本件では土地の所有者は実際に当該土地を占有しており(他者に賃貸しをしているなどの事情はないものと思われる)、所有者=占有者と考えていい。
(1)盛り土が行われたことについて知っていたのか
(2)土石流の発生とメガソーラーとの因果関係
(3)盛り土は工作物か
被害を受けた人が損害賠償を請求する場合、民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求が考えられるが、その場合、原告は被告の過失を立証しなければならない。代理人弁護士は盛り土がされていたことについて「本人はびっくりしていた」と言っている。これはずっとその事実を知らず、そのため、安全対策を施す必要性があるのに放置していたというわけではない、すなわち自らに過失がないということを強調したいのであろう。
2011年に土地を購入してから10年間、途中、メガソーラーを建築する機会もあったのに、盛り土の事実を知らなかったということなどあり得るのか。1度でも足を運べば、崩落起点だけ木々がなく、段々畑状、すなわち人工的なつくりになっているのは分かるはずで、(何の目的で造成しているのか)と不思議に思うはず。
本人が行かなくても社員が行けば、何らかの造成の跡があることは分かるであろう。しかも、購入前と思われるが、盛り土の中に産業廃棄物が混ざっていることがわかり、熱海市と保健所が指導して搬出させた(参照:NHK・熱海 土石流 “盛り土”造成工事で過去に県と市が事業者を指導)というのであるから、行政に問い合わせれば、盛り土があったことは容易に知ることができたはず。
そう考えると、(1)について「知らなかった」というのはにわかには信じ難い。知っていたが放置していた、あるいは本当に知らなかったとしても、土地占有者として知らなかったこと自体に過失があると判断されても仕方がないように思う。
■メガソーラーは崩落に関係か
(2)については、仮にメガソーラーの設置で樹木を伐採し、本来有していた保水機能が失われたことが直接・間接に土石流発生の原因となったのであれば、当然に土地占有(所有)者は賠償責任を負うことになる。この場合、土地の工作物の設置または保存に瑕疵があって、他人に損害が生じた場合に負うべき工作物責任(民法717条)も追及できるのではないか。
現土地所有者の代理人は、メガソーラーと土石流の因果関係を否定するが、地質学の専門家でもない弁護士がなぜ、因果関係がないと断定できるのかは分からない。
実際に地質学者の塩坂邦雄氏は「尾根部の開発を行ったために、今まで保水力のあった森から(雨水が)流出したんです。それが悪いことに(崩落起点への)進入路があるので、ここに樋(とい)のようになって、水がたまって、水が全部この勾配でここ(崩落起点)にきちゃった」と話している(参照:ANNnewsCH・土石流“原因”は?知事「水」専門家「森が無く…」2021年7月6日)。
■盛り土は工作物か
仮にメガソーラーとの因果関係が認められなくても、(3)盛り土が土地の工作物であれば、民法717条で損害賠償請求が可能になると考えられる。
工作物は「伝統的には、人工的作業によって土地に接着して設置された物」(民法Ⅱ債権各論第2版 内田貴 p481、東京大学出版会)とされており、土を工作物と見るのは微妙な部分ではある。しかし、ただ、土を置いただけでなく段々畑状にしていたということであれば、土地の上に設置された物と見ることは可能かもしれない。実際の裁判でも隣家で盛り土をした時に、それを工作物として責任追及をする例は見受けられる。
工作物責任の所有者責任は無過失責任であるから、仮に現土地所有者(占有者でもある)が盛り土について本当に知らなかった、知らなかったことに過失がなかったとしても、被害者は現土地所有者に対して損害賠償請求が可能となる。
この場合、現土地所有者は損害の原因については前の所有者にあると考えれば、求償できる(民法717条3項)。それを意識したのか、現土地所有者は以前に土地を所有していた不動産会社に対して、法的措置を検討していると伝えられた(FNNプライムオンライン:【速報】前の所有者に法的措置検討 熱海土石流 土地所有者側)。
どちらの業者が負うべき責任が重いのかは分からないが、規定を超える盛り土がされていた場合には、それを見逃していた行政の責任も問われて然るべき。これだけの惨事になりながら、誰も責任を認めようとしないあたりに、事件の底知れぬ闇を感じさせられる。
ソーラーパネル設置のため、砂流出防備保安林の指定箇所を潰したことが原因との見方もありますが。業者は申請して役所が許可したのでしょうかね。
因みに、保安林の指定が立木伐採の足かせになり太陽光発電事業の妨げになるとして、林野庁が解除のためのマニュアルを作成、審査の効率化・迅速化を目指しているともいわれています。
素人考えですが、自然エネルギー活用を急いた結果の惨事のような気がします。
泥まみれで作業にあたっておられる皆様には、頭が下がります。
ソーラー事業は韓国系企業、盛り土をした企業は同和組合関係企業
そしてそのどちらも自民党絡みで報道規制をするメディアが多くてうんざりします
静岡県と熱海市は自らの責任も含めて責任追及をきちんとするべきです
静岡県は函南町や奥静、伊東市八幡のなどのソーラー事業も盛んで地元民とのもめ事も多いので熱海の件と同様に心配な土地が多すぎる
>自民党絡みで報道規制をするメディア
? 日本にそんなメディアありましたっけ?
嬉々として報道しそうなネタですが。
野党絡みで報道しない自由を行使するメディアなら知ってます。(笑
いずれにせよ、行政の許認可に関わる事案。
しっかりした調査が必要ですね。
自主規制と称する圧力です
そういう類の圧力があったというエビデンスは?
本件でマスコミが報道しない自由を発動するのなら、それは自民党への忖度はあり得ない。
自民党が関係しているなら既に言われている通り、むしろ嬉々として報道するはずだが?
自民党絡みなのに忖度が発生しているならそれは自民党への忖度ではなく、この得体の知れない山の所有者やソーラーを設置した韓国企業へのものではないのか?
そもそも再生可能エネルギー施設の急速な普及は、東日本大震災を受けて民主党政権が強引に推し進めた肝入り政策。
民主党が国内企業に依頼せずわざわざ韓国企業に投げた事業で、お粗末な機材とお粗末な工事が原因で今や日本中で環境破壊などの重大な問題に発展している。
ほぼほぼ、同じ認識です。
民主党時代の負の遺産ですね。
小泉ジュニアの今後の舵取り注目です。
良い記事が多く楽しみにしているのですが、記事本文が極小フォントなのは
なぜなのでしょうか。アドオンで33%以上ズームしないと読む気が失せてしまいます。それでも、結構疲れます。
改善頂けると訪問回数が増えて、競馬等の記事も読んでみようかなと思うかもしれません。