別姓求めママモデル形式離婚 取材甘い日テレ
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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離婚して夫婦別姓を選んだモデル・牧野紗弥氏(37)のドキュメンタリーが24日、放送された。日本テレビ系のnews zero内で紹介されたもので、3人の子供を持つ牧野氏が夫と対等な関係になるために事実婚に切り替えるという内容。しかし、目的と手段の関係が不明瞭なまま放送されており、多くの視聴者に疑問を抱かせたのではないか。
■ファッション誌モデル牧野紗弥氏の感じたモヤモヤ
問題のドキュメンタリー「離婚して”事実婚”を選んだワケ」の内容を簡単に紹介しよう。牧野紗弥氏は女性ファッション誌でモデルとして活躍しており、私生活では結婚12年目、3人の子供を育てる母親でもあるが、最近、離婚して事実婚に切り替えることを検討している。結婚後、モヤモヤを感じるようになった。
(1)第一子が生まれた時に周囲から子供は夫の家の孫という扱いをされ、「子供は夫の家の孫、自分は夫の家の嫁。何だか違う。」(ナレーション)と感じた。
(2)共働きの中、家事・育児の分担を巡って衝突が続くようになった。
そういう状況で牧野氏は夫にある提案をした。「1週間私がやっていることを全部やってみてほしい」。夫は妻が担当してきた家事・育児の大変さを感じ、一人ですることは無理だと悟った。そして牧野氏は「牧野さんは妻だから、母だからと役割に縛られていた自分に気付いた」(ナレーション)。
その結果、牧野氏は「姓を1つ変えることによって夫と私の気持ちが対等になるんだったら、家族で前向きに夫婦別姓について話し合いたいっていうふうに思ったんです。」という結論に達するのである。そして「対等であるための夫婦別姓。そのために離婚して事実婚にしたいと切り出したのです」(ナレーション)。牧野氏は「事実婚に関する契約書」なるものをカメラの前に示した。
5人の家族が1つのテーブルについて話し合う場面も紹介されている。そこで夫が名前は変わるが、それ以外は何も変わらないことを説明。11歳の長女は「ちょっと不安だったけど話していくうちに安心してきた」としたものの、5歳の次男は「めちゃくちゃこわい」という感想を口にした。
牧野氏は「母親らしさ、妻らしさ、夫らしさ、パパらしさという枠組みを外して自分たちらしい(家族の)形を作っていきたい」と将来の展望を話した。
■牧野紗弥氏の決断に合理性はあるのか
牧野氏の家庭がどのような形になろうが、それは当事者の問題。実態のない離婚をすることで不当な利益を得るなどの事情がない限り、それは個人の自由に属することであるから(どうぞお好きに)と言うしかない。しかし、理解できないのが、牧野氏が感じた結婚生活のデメリットと、それを解消するための方法としての離婚・夫婦別姓の関連性が明らかになっていないことである。
まず、牧野氏が感じたモヤモヤ(1)は、家庭内の問題ではなく、お互いの実家や周辺の関係者が牧野氏を「夫の家に来た嫁」「子供は夫の家の孫」と見なすことへの反発であろう。離婚して夫婦別姓になることで、そのような見られ方は変えられるかもしれないが(少なくとも夫の家に来た嫁ではなくなる)、離婚しなければ実現できないことではないし、そもそも解消しなければならないことでもない。
夫婦のあり方はその夫婦が決めるべきことで、仮に実家が何を言ってきても「私たちはそのように考えません」と自分たちの考えを貫けばいい。夫と平等になるために離婚するというほどの人なら、それぐらい主張することなど簡単であろう。(1)の問題を解消するために離婚しなければならない理由を理解できる人がいるのか疑問に思う。
次に(2)であるが、家事・育児の分担に関しては、1週間、夫に全てをやらせた結果、夫は家事・育児の大変さを感じ、一人ですることは無理だということを悟ったと言っているのであるから、これからは家事・育児を家庭内で分担すればいい。そうであれば、両者の話し合いで問題(2)は解消できる。
可哀想なのは子供である。両親が離婚するということで子供なりに家族がバラバラになることを心配したはずである。11歳の長女は不安であったことを口にし、5歳の次男ははっきりと「めちゃくちゃこわい」と言っている。
牧野氏と夫婦が抱える問題の解消に離婚が必ずしも必要でなく、また、子供たちを不安にさせるというデメリットを負ってまで離婚して夫婦別姓にならなければいけない理由をどう解釈すればいいのか、僕を含む通常の視聴者には分からないと思う。
■再婚へのハードルが下がったという事実
牧野氏の不合理な決断の背景には何があったのか。この先、彼女が事実婚を解消せずにずっと今の家族と生きていくというのであれば、彼女は「合理的な考えはできないが、正直な人」ということは言えるかもしれない。しかし、人間は一般に不合理な行動はしないものであるから、事実婚にしなければならない事情が別にあったのかもしれないと考える人は少なくないと思う。
内縁関係は継続するのであるから、夫婦の同居協力扶助義務(民法752条)などは準用される。「内縁は、届出を欠くだけで、夫婦としての社会的実体を有しているので、夫婦共同生活に関係する法律婚の効果は準用される」(前田陽一ら 民法Ⅳ 親族・相続第3版 有斐閣 p113)からである。
また、貞操義務もあるとされる。民法に貞操義務の根拠はないが「不貞行為が離婚原因となること(同770条1項1号)や、民法が一夫一婦制をとっていることから(貞操義務が)導かれる」(同p61)とするのが一般的な考え。事実婚の相手も、パートナーの不貞行為の相手に対して慰謝料請求できる。牧野氏の夫は「離婚しても家族は何も変わらない」という趣旨の発言をしているが、それはこれらのことを指しているのであろう。
ただし、牧野氏が夫以外に愛する人ができて、その人との婚姻を考えているとしたら、離婚して事実婚に切り替えたことで婚姻のハードルは低くなる。離婚を進めたことの背景にそのような思惑があれば合理的な決定と言えるため、疑う人は少なからず存在するであろう。実際、牧野氏がその後、他の男性と再婚することがあれば、そうした推測は正しかったと考える人がほとんどだと思う。
日本テレビはそこまで踏み込んで取材をしたらどうか。牧野氏は事実婚に関する契約書なるものを見せているのであるから、最低限「貞操義務や内縁の解消、他者との再婚、それらについての慰謝料請求に関する取り決め」については聞いてほしい。その点をはっきりさせれば、牧野氏の目的がどこにあったかがはっきりするはずである。それをせずに無条件に牧野氏の人生を肯定的に描いていることに、視聴者はこのドキュメンタリーについて報道の範疇を越えた一種の政治的プロパガンダのような胡散臭さを感じているのではないか。
■しっかりと聞いて視聴者に伝えるメディアの使命
繰り返しになるが、牧野氏の家族がどのような夫婦や家族の在り方を理想とするのかは当事者の勝手である。
しかし、それを伝えるのであれば、合理性を欠くように見える部分はしっかりと聞いて、視聴者に疑問をもたれないようにするのがメディアの務めであろう。視聴者は牧野氏以上の「モヤモヤ」を感じていることに気付いた方がいい。
あだ花
近代国家、普遍的価値観、既成秩序を破壊せんとするファシストの多面波状攻撃、その状況とコメントした。
ファシスト共の構成は前にコメントしたがさらに加える。
ファシスト、中核を成すプロ組織、プロ市民、そのいシンパサイダー 同じ資質を有する者達、洗脳された者達(敵である、洗脳を解く必要はある)
新たに加える、→ 自らの利害でファシストに迎合、利用する者達(敵である)
他の構成員と明確に境界は引けず混然化してある。
このモデルさんは 新たに加えた構成員に該当すると考えます。
雨垂れ石を穿つ、が思い浮かびます。
御返信は不要です。
時代に咲いたあだ花のような、、