酔わせて性交し情報入手はあり? 朝日記者らの非常識
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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現役の朝日新聞記者が、1971年の外務省機密電文漏洩事件で有罪とされた西山太吉記者の取材という名の犯罪的行為を正当化するように読めるツイートをした。西山氏が2月24日に91歳で死亡した報道を引用する形で投稿したもの。報道の世界には「目的が手段を浄化する」としており、関連する最高裁判決を無視する考えを披露している。
■朝日新聞 武田啓亮記者の投稿
外務省機密電文漏洩事件は、当時の毎日新聞の西山太吉記者が、外務省の既婚の女性事務官と不適切な性的関係を結び(酒に酔わせていかがわしい場所に連れ込んだとされる)、その上で外務省の秘密電文を提供させ、記事にしたという事件である。西山記者は国家公務員法違反で懲役4月執行猶予1年、女性事務官は懲役6月執行猶予1年の刑が確定している。
その西山記者が2月24日に他界したことで、あらためて52年前の事件が注目されることになった。そこで朝日新聞東京本社の社会部とプロフィールにある武田啓亮氏は、西山氏の死去を報じる自社の記事を引用しながらツイッターで以下のようにつぶやいた。
「正しい」やり方だけでは倒せない巨悪と対峙した時、どうするか。報道の世界には「目的が手段を浄化する」という考え方もあり、西山事件はまさにその一つだったように思います。「運命の人」に合掌を。
(2023年2月25日午後8時52分投稿)
このツイートに対しては批判的なリプライが多くついている。たとえば「犯罪を犯しても目的の為なら手段が浄化されるのか?」「目的が手段を浄化する?それはテロリストの弁明。」「なるほど、朝日新聞は卑劣な性暴力で弱みを握って利用する事も、家庭の崩壊も、女性の死も浄化されたわけですね。」など。
武田記者の言う「報道の世界には『目的が手段を浄化する』という考え方」は、誰がどこで主張しているのか知らないが、そのような考えは認められないことを外務省機密電文漏洩事件の最高裁判決は明確にしている。武田記者は新聞社に所属しているなら当該判決を読み、『目的が手段を浄化する』考えは社会において許されないことを認識しなければならない。
■最高裁判決を百回でも千回でも読んで
問題の外務省機密電文漏洩事件の最高裁判決の一部を紹介する。
報道機関が公務員に対し根気強く執拗に説得ないし要請を続けることは、それが真に報道の目的からでたものであり、その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き正当な業務行為というべきである。しかしながら、…取材の手段・方法が贈賄、脅迫、強要等の一般の刑罰法令に触れる行為を伴う場合は勿論、その手段・方法が一般の刑罰法令に触れないものであっても、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しく蹂躙する等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することのできない態様のものである場合にも、正当な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びる。(最高裁判決昭和53・5・31)
武田記者にはこの判決文を100回でも1000回でも読むことをおすすめする。最高裁は「目的が手段を浄化する」という考えに対してどういう姿勢なのか、それぐらいは法学部を出ていなくても理解できるであろう。
新聞記者も社会の枠組みの中で活動をしているのであるから、ルールには従わなければならない。違法な取材をしても(報道関係者は特別だから許される)という考えは通用しないと半世紀近く前の判決で明らかにされていることを知っていれば、「報道の世界には『目的が手段を浄化する』という考え方もあり」などというバカなツイートはしないはず。
■江川紹子氏のツイートにも違和感
西山事件では記者も事務官も執行猶予付きの刑罰で収まったが、「特定秘密の保護に関する法律(特定秘密保護法)」が制定されている今なら、西山記者が手に入れた情報は特定秘密に指定されるのは確実で、それの漏洩であれば10年以下の懲役に処される(同法23条1項)ため、実刑判決となるのは間違いない(参照・毎日新聞オフレコ破り 違法取材の系譜)。
そのような情報を、既婚の女性事務官を酒に酔わせ、いかがわしい場所に連れ込んで性的関係を結び、相手の弱みにつけ込んで情報を提供させたのである。亡くなった方を批判するかのような記述は心苦しいが、追悼の気持ちと、亡くなった者が生前に犯した罪を客観的に記述することは全く別の種類の話である。
当サイトは決して武田記者を個人攻撃しているわけではない。武田記者のような考えをするメディア関係者は少なくないのかもしれない。ジャーナリストの江川紹子氏は以下のようにツイートしている。
当時のプロセスには様々な論評はあるが、人生をかけて密約の存在を伝えた。おつかれさまでした
(2023年2月25日午後10時5分投稿)
様々な論評があるのは確かで、武田記者が挙げた、社会では容認されない『目的が手段を浄化する』という考え方もその中の1つかもしれない。そうした社会では認められない論評の存在などどうでもよく、最高裁判決があり、司法の結論が出されているということが決定的に重要である。江川氏はなぜ、そこに触れないのか。
江川氏が法に無知であることは当サイトではこれまで指摘してきた(参考・国葬絡みで露呈 江川紹子氏ら無知と不勉強 ほか)。
そのせいで故意に無視しているのかもしれないが、まず、判決文を読み、最高裁の趣旨を自身にしっかりとインストールしてからジャーナリストとしての活動を始めたらいかがか。西山記者が死亡したニュースに関するツイートで、当該判決に触れないのであれば、もはやジャーナリストの資格などないと思われても仕方がない。
西山記者は人生をかけて密約の存在を伝えたとしても(とてもそうは思えないが)、その陰で既婚の女性事務官が性的な被害に遭い、国家公務員法違反となる行為を強要されている事態に目を背けるべきではない。それとも取材のためなら、既婚の女性が望まない性行為を強要されても仕方がないとお考えなのか。
■記者・ジャーナリストの驕り
朝日新聞の武田記者に代表される記者や、江川氏らジャーナリストには今の時代にも「報道関係者は特別」という驕りがあるように思う。
目的のために手段を選ばないという考えは許されないということを肝に銘じて仕事をしなければ、ただでさえ失いがちの国民からの信頼をさらに落とすことになると親切心から警告しておく。
『酔わせて性交し、弱味を握る』というのは、某S•Iさん(『ブラックボックス』の)主張していらっしゃる被害状況と同じなのだが、どうして同じ事をした西山は「持ち上げられる」のか?
酒で酔わせて秘密を握って強請る行為は要はハニトラ。
朝日新聞はハニトラ仕掛けた側を擁護して何がしたいのだろう。早く廃刊になって欲しい
共同通信の立て続けの失態を目の当たりにしても完全に他人事、あろうことか犯罪を犯した記者を賛美とはさすが朝日としか言い様がない。
人としての最低限の倫理観はどこかに置き忘れたのか、朝日に入社した時点で何の未練もなく捨て去ったか、それともこの世に生を受けた時点で持ち合わせていなかったのか。
いずれにせよ狂ってる。