ティズザロー馬なり5馬身半差圧勝 バケモノか

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 単勝1番人気に推されたティズザロー(牡3、B・タグ厩舎)が馬なりの圧勝で8日(日本時間9日)に米サラトガ競馬場で行われた行われたG1トラヴァーズS(ダート10ハロン)を制した。ラスト1ハロンを馬なりで流し2着に5馬身半差をつける衝撃の優勝だった。

■フランコ騎手「ボタンを押したらテイクオフ」

写真はイメージ

 スタートから2、3番手につけたティズザローは馬なりで4角で先頭に並びかけ、直線で鞍上のM・フランコ騎手のステッキが入り手前を替えると一気に加速。後続を置き去りにして、残り1ハロンは馬なりで流し、2着に5馬身半差をつける圧勝劇だった。

 フランコ騎手は「私がボタンを押したら、馬はすぐにテイクオフした」と口にした。

 勝ちタイムは2分0秒95、競る展開になっていたら2016年にアロゲイトが樹立した1分59秒36の更新も夢ではなかったかもしれない。

 G3ピーターパンSで2着のカラカロが後方から追い込んで2着。2番人気に推されたG3ロスアラミトスダービー優勝馬アンクルチャックは先行したが、ティズザローの厳しいマークに遭い直線で失速、6着に終わった。

■ケンタッキーダービーの最有力候補

 ティズザローは米国の一流馬には珍しいニューヨーク州産(有力馬の多くはケンタッキー州産)。同州の生産馬で初めてベルモントSを優勝した。今回が4度目のG1制覇で、通算7戦6勝。6月20日のG1ベルモントS(ダート12ハロン)で2着に3馬身4分の3差をつける楽勝に続いての圧勝で、さらに評価が高まるのは必至。

 次は9月5日のG1ケンタッキーダービー(ダート10ハロン)に挑戦する。今回の勝利を受けて、米CBSスポーツはベッティング会社の予想オッズを掲載。ティズザローは単勝3.5倍で断然の1番人気とされている。

 G2ブルーグラスSを制したアートコレクターが5.5倍で続き、G1サンタアニタダービー勝ちのオナーエーピーが6.0倍、G1ハスキル招待S優勝のオーセンティックと、アンクルチャックが11倍となっている。

■ケンタッキーダービーより前の真夏のダービー

 トラヴァーズSは別名「真夏のダービー」と呼ばれている。三冠レース参戦馬と、不参戦組が激突し、これまで数々の名馬が誕生している。種牡馬としての価値を考えれば、ケンタッキーダービー以外の三冠レースより上という評価をしても過言ではない。過去の優勝馬を見ても、イージーゴア、ホーリーブル、ポイントギヴン、メダグリアドーロ、アロゲイトなど名馬が目白押し。

 今年は新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で三冠レースの間に組まれる形となり、ケンタッキーダービーに向けての最重要レースという位置付けと言えるかもしれない。いずれにせよ、今年のケンタッキーダービーは、ティズザローが中心となるのは間違いない。

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