桜井誠氏20万票超4位も 都知事選の焦点
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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東京都知事選(7月5日投開票)の焦点の1つに、日本第一党の桜井誠党首(48)がどれだけ票数を伸ばせるかという点がある。前回2016年では11万票余を集め第5位となったが、主要メディアは桜井氏をほとんど扱わなかった。今回、得票を上積みしてくれば、メディアも無視できない存在となるのではないか。
■桜井誠氏2016年は11万4,171票獲得
2016年の東京都知事選には21名が立候補した。桜井誠氏は11万4,171票を獲得し第5位に入っている。幸福実現党の七海ひろこ氏は2万8,809票で7位、NHKから国民を守る党の立花孝志氏も立候補したが、2万7,241票(端数は表示せず)で8位に終わっている。
小池百合子氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏の3氏で得票率9割以上を占めているので、所詮は圏外の争いに過ぎないと言ってしまえばそれまでだが、得票率1.74%、地方都市の人口にも匹敵する11万票余を集めたのであるから、一定の政治勢力と呼んでも差し支えなく、泡沫候補扱いすべきではない。
■外国人生活保護の即時停止と最高裁判決
日本第一党のホームページを見ると「桜井誠 都政に対する3つの政策」というタイトルで以下の政策を掲載している。
1、都民税ゼロ・固定資産税ゼロ(二年間の時限公約、武漢肺炎対策)
2、パチンコ規制
3、外国人生活保護の即時停止
1、については財源をどのように担保するのか分からないが、新型コロナウイルス禍の非常事態での時限公約ということであれば一定の現実味を帯びている。2、のパチンコ規制の中身や意図は分からないが、営業に対する締め付けを強化することで、国外に流れていると言われる、いわゆるパチンコマネー対策を念頭に置いているものと思われる。ギャンブル依存症対策の一環とも考えられなくもない。
注目したいのが3、である。外国人生活保護の即時停止は、桜井氏に反対する勢力は「ヘイトだ」と騒ぎ出しそうであるが、実際には最高裁は「永住外国人は生活保護法の適用対象ではない」という判断を示している(最高裁平成24年7月18日判決)。
「現行の生活保護法は,1条及び2条において,その適用の対象につき「国民」と定めたものであり,…外国人はこれに含まれないものと解される。…生活保護法が一定の範囲の外国人に適用され又は準用されると解すべき根拠は見当たらない。…外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものというべきである。」
最高裁が外国人は生活保護の受給権を有しないと判断しているのだから、生活保護を即時停止しても違法性を問われることはないと思われる。
最高裁がこのように判断しながら、各自治体が外国人も生活保護費の支給対象としている理由は分からないが、安易な給付は司法の判断に対する軽視のように思える。この点の主張については一定の支持が集まるのではないか。このように一連の公表された政策を見る限り、一定の合理性や実現性は感じられるものとなっている。
■自主投票の自民党から流れる票は?
NHKが12日に報じたところによると、都知事選の立候補予定者は15人であるという(山本太郎氏を除く)。これに山本太郎氏を加えて、主な候補者と、前回の得票数を示そう。
宇都宮健児(ー)立憲民主党ら支援予定
小野泰輔(ー)日本維新の会が推薦予定
小池百合子(291万2,628)現職
桜井誠(11万4,171)日本第一党党首
立花孝志(2万7,241)※端数は表示せず・NHKから国民を守る党党首
七海ひろこ(2万8,809)幸福実現党
山本太郎(ー)れいわ新選組代表
※五十音順
以上のような状況で、前回、出馬した増田寛也氏(179万3,453)、鳥越俊太郎氏(134万6,103)が立候補しない。鳥越氏の134万票は宇都宮氏と山本氏に流れるであろう。実際、山本氏は前回の都知事選では「生活の党と山本太郎と仲間たち」として鳥越氏を支援していた。問題は増田寛也氏の179万票がどこに行くかである。
多くは小池百合子氏に流れると思うが、自民党内にもアンチ小池氏は存在するし、実際、小池氏が自民党の推薦を断ったということは、都議会での都民ファーストの会と自民党との対立の構図を残す意図があるとも読める。そうなると自民党支持者が小池氏に入れたくない事情もある。
そうした層がどこに回るか。イデオロギーから宇都宮・山本の両氏に投票するのはハードルが高すぎる。多くは棄権するのかもしれないが、それなら桜井氏へという投票行動は十分に予測できる。
選挙については僕は素人なので無責任な予想と言われるのを覚悟で、桜井誠氏は20万票を超えてくると予想する。前回、ジャーナリストの上杉隆氏が17万9,631票余を獲得しているが、それは超えてくる可能性はあるのではないか。順位も小池氏、宇都宮氏、山本氏の3強に続く4位が視野に入る。再度、立花孝志を超えれば、メインメディアも無視できない存在となると思う。