公認候補も逃げ出した? 裸の女王・福島みずほ

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 社会民主党が11月14日、事実上の分裂が決まった。この日、臨時党大会を開催し、立憲民主党への合流を希望する議員の離党を認める議案を可決。国会議員4人のうち3人が離党の見込みとなり、残るは党首の福島みずほ(瑞穂)氏のみ。大会の最後の公認候補の紹介では、候補者が帰ってしまうという失態もあり、もはや誰も味方がいない裸の女王となってしまった。

■消えゆく社民党の実況中継 茶番劇の党大会

党の分裂を決める採決が挙手とは…(YouTube 社民党第18回臨時全国大会画面から)

 臨時党大会はYouTubeでもライブ中継され、消えゆく社民党の実況中継という様子となった。もはや茶番劇とも言えるような内容。合流希望議員の離党を認める「1号議案」は挙手で採決され、大会運営委員長の報告では167票中、賛成84、反対75。賛成が過半数で可決とされたが、これ自体がおかしな結果。

 実はこの前に吉田忠智幹事長の解任動議について採決された際には、出席代議員数168のところ、賛成70で否決された。その直後に行われた1号議案の採決では、総数が167と1人減っているのである。そのため賛成84で過半数に達するという綱渡りのような決着となった。

 この点、大会運営委員長は「協議のあと、(1人が外へ)出たそうなので総数は167」と説明している。これを受けて議長は「賛成が過半数に達している」と、可決を宣言した。

 実は過半数に達していなかったのではないかとも思われるが、福島みずほ党首が何もクレームをつけなかったのは、仮にクレームをつけて議案が可決されなかった場合、3人の国会議員は離党し、党の分裂は避けられないと考えたのかもしれない。多数決の原則も、採決の公正さも疑われるような手続きで党の分裂が決まるあたりが、社民党らしい。

■公認候補7人のうち2人が姿を見せず

 茶番はこれだけで終わらなかった。最後に福島みずほ党首が音頭をとって「団結頑張ろう」を全員で三唱する時のこと。社民党の総選挙の公認候補も壇上に上がることになった。現時点での社民党の公認候補は以下の7名。

神奈川15区 佐々木克己

大阪9区 大椿裕子

大分2区 吉川元(はじめ)

福岡4区 竹内信昭

福岡11区 志岐玲子

鹿児島4区 米永淳(あつ)子

熊本3区 馬場功世

 このうち福岡4区の竹内信昭氏は大会を欠席したことが、福島瑞穂氏から説明された。しかし、本来なら6人が壇上に上がるところ、5人しかいない。実は、鹿児島4区の米永淳子氏は途中で帰ってしまったというのである。壇上で公認候補を自ら紹介する福島瑞穂氏は「米永さんは…、あ、帰られた? 分かりました。じゃあ、米永敦子さん、鹿児島から立候補の予定です」と言って、「団結頑張ろう」を三唱した。

 来秋までには実施される総選挙の候補者が、予定されていた最後の登壇をせずに帰ってしまうという事態も信じ難い。

 2017年の総選挙、鹿児島4区は立憲民主党からの立候補はなく、また、9月29日に発表された立憲民主党の公認候補167人に鹿児島4区の公認候補はいない。現鹿屋市議の米永氏がそれを知らないはずはなく、彼女は社民党ではなく立憲民主党の公認候補として立候補を狙っているのではないだろうか。そうすると1号議案が可決された時点で帰ったのも頷ける。

 ちなみにこの日、党大会を欠席した竹内信昭氏が社民党の公認候補として出馬予定の福岡4区は立憲民主党の公認候補として森本慎太郎が決定済み。実は竹内氏は2017年に福岡11区から出馬、日本共産党の推薦を受けたが落選している。社民党から福岡4区で出馬しても衆議院議員になれる見通しは立たないが、福岡11区から立憲民主党の候補として出れば比例で復活当選の見込みはあるという計算をしているのかもしれない。

■社民党・福島みずほという泥舟

 党公認候補が党大会を欠席したり、まして途中で帰るなど、通常ではあり得ない話である。もはや死に体の社民党は、公認候補からも見限られているのが現状。そう思わせられるような臨時党大会であった。

 分かりやすく言えば、社民党と福島みずほという泥舟から、ネズミたちが逃げ出している様子をライブで中継していたということである。

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