イスラエル排除 長崎市長の欺瞞と死者への冒瀆
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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9日に行われる長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に駐日イスラエル大使が招待されなかったため、日本を除くG7各国の大使らが参列を見合わせることになった。長崎市の鈴木史朗市長はイスラエル大使を招待しないことに政治的理由はないとするが、各国はそのように受け取ってはいない。この件に関する鈴木市長の一連の行為は、厳粛であるべき慰霊の場を政治利用した上に、政治的意図はないと虚偽を述べるという極めて醜いものと言うしかない。
◾️イスラエルをロシアと同列
鈴木市長は原爆投下の日に行われる長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に駐日イスラエル大使に招請状を送付しないことを7月31日の記者会見の場で明らかにしていた。その理由について「…決定は決して政治的な判断に基づくものではなく、あくまでも原爆犠牲者を慰霊するための式典を、平穏かつ厳粛な雰囲気の下で開催したいという式典を円滑に行いたいという考えからの判断」と説明している。
具体的には「現下の中東情勢に対する世界の様々な動きなどを踏まえまして、式典において不測の事態が発生するリスクなどを懸念し、式典主催者として、参列者の安全の確保及び式典の円滑な運営を行うため、これまでイスラエル大使への招請状の発出の判断を保留」していると、安全上の問題を挙げた(長崎市・市長記者会見(臨時)【2024年7月31日】)。
しかし、この説明を信じる者がいるとも思えず、多くの人は、イスラエルがガザ地区で戦闘を続けていることを理由に、長崎市長が式典からイスラエルを排除したと判断するはず。実際、イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使は「公共秩序と安全対策を担う関係機関に確認したところ、私が長崎へ行く支障は何もない」とし、長崎市長がそうした不安を「でっち上げている」と非難した(CNN・イスラエル駐日大使、原爆の日の式典めぐり長崎市を批判 「市長が式典乗っ取った」)。
また、G7の6カ国とEUの駐日大使らから連名の書簡が送られ、「イスラエルを(式典に招待されなかった)ロシアやベラルーシと同等に扱うことになり、誤解を招きかねない」との指摘がなされていたという(時事通信・米欧6カ国大使、平和式典欠席へ イスラエル不招待に「懸念」―長崎)。
そして式典前日の8日になり、日本以外のG7の大使は式典に参列しないことになったというのが簡単な経緯である。
◾️真意は本人にしか分からない
鈴木市長がイスラエル大使に招請状を送らなかったことに政治的な意図はないと強調しても、その内心は本人にしか分からない。本当に政治的意図はないのかもしれないが、実は真意は別にあるのかもしれない。「イスラエルの排除」という外観が存在しながら「排除の故意はない」と言い、相手からの批判をかわして自分に政治的責任はないと言い逃れようとしても、イスラエルも、G7各国大使もそれは認めないと言っているのである。
実際に駐日大使らが参列しないという極めて重大な政治的な影響が発生しており、そのことは各国の大使が長崎市長はその言葉とは裏腹に政治的意図でイスラエルを排除したと判断したことに他ならない。
仮に真実、政治的意図がなかったとしても、相手は「そのように解釈できない、解釈しない」と考えて、それに基づく行動を起こしているのである。それに対して何の対応もせずに、相手が納得できない説明を繰り返すだけであれば、自らの真意が正確に伝わらないために発生した状況を事後的に容認するに等しい。「あなたの行為は政治的意図があって行っているとの解釈をせざるを得ない」という最後通牒に対してもゼロ回答を続けることの持つ意味をもう少し考えてみてはどうかと思う。
ここまでの鈴木市長の状況を分かりやすくたとえるなら、出刃包丁で相手の太ももを刺した暴力団員が「殺す意図はなかった」と言い逃れをするようなもの。こうした例では多くの場合、「大腿動脈を狙って刺しており、失血死を狙ったもので殺意は認められる」と認定される。要は(これだけはっきりと意図が分かる行為をやっておいて、知らぬ存ぜぬが通るわけないだろう)ということである。
◾️普遍的価値観がベースの式典
そもそも長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典は、「原爆犠牲者の霊を慰め、あわせて世界の恒久平和を祈って」行われるものである(長崎市・長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典)。政治信条や宗教などによる対立を超越した、普遍的な価値観に基づいて行われるはず。
長崎市は2022年からウクライナ侵略とこれへの支持を理由にロシアとベラルーシの招待を取り止めている。式典が「世界の恒久平和を祈って」行われることと、齟齬をきたすということなのであろう。ロシアは侵攻当初、核兵器の使用の可能性にも言及していたのであるから、逆に招く手もあるかと思うが、その点はいい。一方的に侵略をする国が、世界の恒久平和を祈る式典に参加というのに違和感を覚える人も少なくないと思われるからである。
そうであれば、イスラエルもガザ地区への攻撃を理由に排除というのもそれはそれで筋が通るかもしれないが、そうなると、ロシアとイスラエルを同列で語るのかという異論が出てくるのは避けられない。どうしてもイスラエルを排除したいのであれば、パレスチナも排除しなければおかしい。
イスラエルの今回の作戦は、2023年10月7日、ハマスによるイスラエル攻撃に対する反撃で始まっている。ハマスによる突然の攻撃でイスラエルは1200人以上の死者を出し、外国人を含む254人がガザ地区に拉致された。その際のハマスの兵士によるイスラエル軍やイスラエル国民への目を覆いたくなるような残虐な行為は、イスラエル レイプ緊急相談センター協会がまとめて国連に報告書として提出されている(参照・ハマス残虐 目を背けたくなる非人道的行為)。
ウクライナは一方的に侵略を受けたが、ハマスは自ら戦闘状態の原因を作出しているのである。そのあたりの事情を無視して、戦闘行為を理由にイスラエルだけを排除すれば、イスラエルやその支援国が納得するはずがない。さらにいえば、イランはイスラエルへの報復攻撃を行うことを明言しており、近日中にも攻撃が開始される可能性がある。近々他国を攻撃すると宣言している国を世界の恒久平和を祈る式典に堂々と参加するのも不思議な話である。
◾️原爆で亡くなった人への冒瀆
このように各国の行為を理由に排除する手法では収拾がつかなくなることから、安全上の理由を持ち出してイスラエルを排除し、そこに政治的意図はないと虚言を弄したというのが鈴木市長の”真意”ではないのか。
自らの政治信条からイスラエルを招請したくないなら、堂々と自分の信条を開陳し、排除すればいい。それに対する答えは次の選挙で長崎市民が出してくれるであろうし、そのような形で有権者の審判を受けるのが政治家として責任ある行動というものである。
それをせずに安全上の理由という虚構を持ち出して政治的意図はないと虚言を弄した上で政治的目的を達成しようとするから多くの人から批判されるのである。鈴木市長は世界の恒久平和を見出す国かそうでないかを評価・決定する裁判官ではない、そのような権限は付与されていないことをあらためて自覚すべきと考える。
1945年8月9日、突然、命を失った多くの人の魂を慰め、このような悲劇が2度と起こらないように祈るのが式典の趣旨のはず。鈴木市長は尊い式典を自らの政治的野心のために利用しているようにしか見えず、一連の行為は原爆で亡くなった人々への冒瀆と言えるように思う。これでは亡くなった方の魂も浮かばれない。
長崎市で9日に開催される平和祈念式典を米英などの駐日大使が欠席することについて、林芳正官房長官と上川陽子外相は8日の記者会見で、「式典は長崎市主催の行事で政府としてコメントする立場にはない」と繰り返し、政府としては式典をめぐる長崎市と米欧諸国との対立に距離を置く姿勢を示した。ただ、官邸幹部によると、政府は水面下で長崎市側に「外交問題になり得る」と懸念を伝えていたという。
林、上川両氏は8日のそれぞれの記者会見で、判で押したように4度、「コメントする立場にはない」と繰り返した。「式典に誰を招待するかは主催者である長崎市の判断」(林氏)との立場を強調した。
ただし、官邸幹部によると、式典へのイスラエルの招待見送りを検討する長崎市に対し、政府側は事前に「外交問題になり得る」などと懸念を伝達。こうした水面下の交渉は政府側から長崎市側にアプローチしたといい、この幹部は「被爆の実相を伝える意味でも多くの国に参加していただくべきだった」と語った。
政府内では「市が主義主張に…(以下有料版で,残り461文字)
朝日新聞 2024年8月9日 10時00分
>(平和祈念式典に)イスラエル排除 長崎市長
『何かしなきゃ』と思ったんでしょう、とりあえず“座視”は出来なかった。“やり方”は上手くはなかったけど。
ハマスも、『何かしなきゃ』と思ったんでしょう、ヨルダン川西岸地区とかの状況を見たら。同じく“やり方”はダメだったけど。
民間人の死者数に着目するとガザの方がウクライナより酷い状況なんですよね
今年5月時点の女性と18歳以下の子供の死者数の合計だけでウクライナの民間人の総死者数を上回っている
人口や紛争開始からの経過期間の違いを考えるとガザの悲惨さが分かります
パレスチナによるイスラエル攻撃の悲惨さ、非人道的な行為という点で、ウクライナを上回っていると思います。
返信ありがとうございます。
私も昨年10月のハマスによるイスラエル攻撃は性的暴行を含む極めて残虐な大量殺人行為であったと考えます。
ただ責任を負うべきはハマスであって、パレスチナ人=ハマスではないとも考えます。
国家責任の成立には(1)国際法の違反行為の存在、(2)当該行為の特定国家への帰属、の2つの要件を満たす必要があります。ハマスの行為がパレスチナに帰属しないと考えるのは無理があるでしょう。
テロ組織としてのハマスに責任があるのは当然で、その上でパレスチナの国家責任も免れないという話です。
私はパレスチナを代表する正統政府はヨルダン川西岸の自治政府であってハマスではないし、ガザを実効支配してない自治政府に昨年10月のイスラエル攻撃の責任を問うのは無理だと
思います。仮に問えたところでガザの民間人に大量の死傷者を出すことに構わず交戦することは良い事だとは思いません。理不尽かつ非人道的なことだと思います。
国家責任については、ハマスの実効支配を許してイスラエルへの攻撃を止めることができなかったということで、パレスチナにその行為は帰属すると考えるべきでしょう。
ハマスはイスラエルの民間人を殺戮し、拉致して人質にしました。
イスラエルはハマス攻撃のために民間人に南部に退避するように勧告しました。ハマスは小学校に武器を置くなど民間人に紛れて活動していたことはかなりのメディアが報じています。そして、攻撃が民間人に及べば、国際社会はイスラエル批判をしてくれると思っているのでしょう。
パレスチナやハマスに都合の悪いことに目を瞑るのは、何らかの政治目的があるのでしょうか。
ロシアに都合の悪いことには一切知らぬ顔をする鈴木宗男氏のような政治家もおりますし、これ以上、そちらのプロパガンダを掲載することは控えようと思いますので、このあたりで打ち切らせていただきます。
ウクライナの民間人死者数と比較しその大小を問題にする意味は何なのか?
>2023年10月7日に発生したパレスチナ・イスラエル戦争において、死者数は以下の通りです。
>パレスチナ人: 約3万8,677人
>イスラエル人: 約1,410人
↑
AIによる。確認日時は不明。
なお東京大空襲においては10万人以上である。
今般のハマスの大規模テロの意味、目的、それに対するイスラエルの対処の考察が不可欠だ。
大規模地下トンネルの発見、その内約50はエジプトに通じていたと、
>パレスチナ人=ハマスではないとも考えます。
とは単純に言い切れない。
東京大空襲において焼き殺されたのは明確に非戦闘要員である。
詳細、そのソースはめんどうなので以下AIより。
>パレスチナ人の一部はハマスと繋がりがありますか
Copilot
webを使用しています
回答を生成しています…
Copilot が送信しました:
はい、パレスチナ人の一部はハマスと関係を持っています。ハマスはパレスチナの政治組織で、ガザ地区を拠点に活動しています。彼らはイスラエルとの紛争において重要な役割を果たしており、一部のパレスチナ人はハマスの思想や行動に共感しています。ただし、全てのパレスチナ人がハマスと繋がりを持っているわけではありません。
↓
パレスチナ市民の一部は広義にハマスである。
ハマスとパレスチナ市民を分け位置付ける単純な現実ではない。
同じく政治責任云々もしかりである。
大規模地下トンネルの構築、パレスチナ自治区ガザ北部にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部の地下につながる又エジプトにつながる約50ものトンネルの構築はパレスチナ正統政府であろうと自治政府であろうと、いずれもがまったく知らなかったと?
今般のハマスの大規模テロにはイスラムの関与が指摘されている。
その目的、
チャンネル桜で語られた聖書預言の成就を目指す勢力の存在、荒唐無稽、陰謀論的だが、
同じくプーチン氏もメシア主義を指摘している(動画あり)
メシア主義とは聖書預言の事であるが、ロシア、ウクライナ紛争において聖書預言を成就させようとする勢力の存在を指摘している。
そしてイスラエルとロシアとはその意味において脈絡があるのである。
キリスト教国ではない日本、日本人にはオカルトの世界であるが、
ここへ来て、イランの攻撃が現実味を帯びて来た。
大規模テロの目的はこれである、との指摘は当初よりあった。
ハマス、イスマイル・ハニヤ最高幹部はイラン国内から発射されたミサイルにより暗殺された。
ハマスはイスラエルによるテロと断定???
イスラエルの戦闘は国家存亡を賭けた闘いなのである。
イスラエル国家形成にいたる事実、その詳細を今調査しいてるが反イスラエルのプロパガンダとは全く異なるものだ。(Google、Edge、AIでは出てこない情報もDuckDuckGoでは出て来る、つまりそういうことだ。)
御返信は不要です。
『ハマス』(アラビア語: حماس / 英語:Hamas 、ハマースとも)は、現地ではもはや“組織”ではなく、“思想”の域に達している様です。