「あなたを隔離する」北京在住の日本人女性いきなり自宅軟禁状態(2)

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 北京在住の50代の日本人女性・加治なるみさん(仮名)は、日本人である夫が東京での仕事を終えて北京に戻った3月8日、突然、自宅での隔離を命じられた。自宅ドアには周辺住民に「この住人を監督せよ」と書かれた張り紙をされ、夫婦は自宅から一歩も外出できない状況になってしまった。日本人女性に隔離に至った経緯を語ってもらう、その第2回をお伝えする。

■発表にはなかった同居者の隔離

晴れた日の北京(提供写真)

 中国の場合、感染予防対策としての隔離は各省、直轄市によって異なりますが、北京市での隔離は3月3日の同市の記者会見で明らかにされました。日本などから北京市に入った者は14日間の自宅での隔離を義務付けるというものです。

 私の夫は中国滞在を経て2月29日に帰国、3月8日に北京に戻って隔離対象とされましたが、同居者も隔離されるなど、どこにも書かれていません。

 北京市の発表では入国者は「北京に固定の居留地がある場合,社区の予防・コントロールシステムに組み込まれ(在北京有固定居所的,纳入社区防控体系)」とされましたから、社区が詳細を決めているのが実状と言えます。

■厳格化された隔離、夜にかかってきた担当者からの電話

 私たちは自宅で隔離されてもフェンスに囲まれた敷地内には出られ、散歩程度はできると思っていました。隔離を命じた社区の担当者もそのように言っていたと記憶しています。

 ところが、夜になって別の担当者から電話が入り「ドアの外に出ないように。買い物はネットで注文し、ゲートまで届けてもらい、そこから部屋まではマンションの管理人に運んでもらってください。ゴミもゴミ捨て場までいくと部屋から出ることになるので、ドアの外に置いておくよう。マンションの管理人が処理します」と言われました。

 夜になってかかってきた電話で、隔離のレベルが一気に厳しくなりました。電話がかかってくるまで私たちは敷地の中を歩いていたので、誰かがそれを見て、社区の担当者に告げ口的なことをしたのかもしれません。

■食料品はアプリで注文、管理人が受け取り

 隔離された生活は単調です。私は自宅でもできる仕事をしているため、朝は6時台に起床し朝食後に自分の仕事をします。昼食後も仕事です。夕食後は読書したり、仕事をしたり、中国語の勉強をしたりというパターンです。ストレッチやスクワットをして、体力が落ちないように気を付けています。もともと自宅で仕事をしていることが多かったのですが、それでも普段はマンションの敷地に散歩に出たり、買い物に出たりしていたので、今の状態にストレスは感じます。

 食料品の調達は、アリババ傘下の生鮮食料品スーパー「盒馬鮮生」にアプリを使って注文しています。食料品が新鮮で価格もリーズナブルな印象です。配達指定時間になると「盒馬鮮生」の担当者が北側ゲートまで届けに来て、その時点で私の携帯に電話が入ります。そこでマンションの管理室に電話をすると、管理室の人が北側ゲートまでとりにいってくれ、自宅まで届けてくれます。そこの流れはスムーズです。

 参考までに北京の食料品供給事情を話しますと、1月末にある大手スーパーで野菜が品薄になっていたのは目撃しましたが、その時だけでした。「盒馬鮮生」以外のスーパーでも食品は豊富に揃えられており、新型コロナウイルスでの騒動による食料不足は、ほとんど感じたことはありません。

■ドアの外に出られない日々

 私と夫の隔離生活は5日目に入りました。食料品の調達はスムーズに行えるので、その部分でのストレスはあまりありません。それでも、ドアから一歩も出られないのは、思っていた以上に辛いものがあります。

【第3回へ続く】

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