中華台北も青天白日満地紅旗も「何だかなぁ…」
葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼
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台湾が五輪に参加する際には、選手団は「中華台北 Chinese Taipei」という名称となります。正式な国号「中華民国」と呼ばれたいという思いを持ちつつ、国旗に含まれる国民党の象徴に複雑な思いを感じる人も少なくありません。東京五輪直前、そんな台湾人の国号と国旗に対する複雑な心境をお伝えします。
■台湾の駐日代表が五輪選手団のホストタウン訪問
台湾の謝長廷駐日代表(大使に相当)は4月26日から鹿児島県を訪問、東京五輪・パラリンピックの台湾選手団受入ホストタウンである大崎町と龍郷町を訪れ、翌27日には「鹿児島県議会台湾との友好交流促進議員連盟」と「屏東縣議会台日友好議員聯盟」の友好交流に向けた覚書を署名に立ち会いました。
同日、謝氏は自身のFacebookにて、日本の国旗と共に中華民国国旗を手に出迎える鹿児島の人々や漁船に掲げられた中華民国国旗の写真を添え鹿児島の人々の熱烈な歓迎を、以下のように紹介しました。
這兩天在鹿兒島所到之處,都有國旗,從旅館到山上的餐廳、海洋的船舶都可見青天白日飄揚 (この2日間鹿児島では訪れた先々で国旗を目にした。ホテルから山上のレストラン、漁船にまで青天白日旗がはためいていた)
また中華民国国旗の掲揚について、
事實上這面國旗在日本是敏感的,多少都會面臨壓力 (実際この国旗は日本では敏感で、多かれ少なかれ圧力が加わるものだ)
とし、それにも関わらず国旗と共に出迎えてくれた鹿児島の人々の情熱と精神に感謝の意を述べています(謝長廷Facebookページ4月27日から)。
■鹿児島訪問での歓待に喜びの声
台湾のメディアは謝氏の鹿児島訪問を同氏のFacebook投稿の写真とともに「台日交流」「處處可見中華民國旗飄揚 (至る所ではためく中華民国国旗)」 等の見出しで大きく報道(三立新聞 2021年4月27日、Newtalk 2021年4月28日)、聖火リレーを行った鹿児島県を「迎接東奧聖火傳遞很重要,但迎接台灣的貴賓謝長廷也很重要 (東京五輪の聖火出迎えも重要だが、台湾からの貴賓である謝長廷氏の応接も重要であった)」 として、国旗を携えての歓迎ぶりが「展現熱情 (情熱の表れ)」であった、としています (中國時報2021年4月28日、聯合報 2021年4月28日)。
台湾のネットユーザーからは好意的なコメントが寄せられていました。
台日真朋友 (台湾と日本は真の友だ)
支持台日友好 ( 台日友好を支持)
日本將是我未來出國旅遊第一選 (日本は今後海外旅行で真っ先に行く国だよ)
難得,還看得出來是國旗 ((日本で)中華民国国旗を目にすることができるとは、滅多にないことだ)
複数のユーザーは、中国からの反発の可能性がありながらも青天白日満地紅旗を掲げ歓待した鹿児島の人たちの度量とその意義の大きさを評価していました。
一方で出迎えに青天白日満地紅旗が用いられたことについては、否定的な声も挙がっています。
這是國民黨旗 (これは国民党の党旗だよ)
青天白日滿地紅 是中華民國國旗。不是台灣國旗 (青天白日満地紅旗は中華民国の旗。台湾の国旗ではない)
中華民国の国旗「青天白日満地紅」左上の紋章は「青天白日」と呼ばれ、中華民国の国章であると同時に中国国民党の党章でもあります。複数政党制を主体とした民主共和制の台湾で中国国民党の党章が国旗として用いられていることは度々議論の的になっています。
また独立志向の強い人々の間では台湾島をかたどったものを「中華民国」ではない「台湾」の国旗とする考えが強いため、何を中華民国(または台湾)を象徴する国旗とするかについては、複数の意見が存在します。台湾国内での国旗を巡る問題の複雑さが感じられるコメントでした。
更に興味深いコメントもありました。謝氏のFacebook及びニュースで紹介された東京五輪ホストタウン大崎町と龍郷町との贈呈式を収めた写真を見た複数のユーザーが、会場後面に吊された式典の横断幕にある(台湾選手受入れ)を見て、以下のように書き込んでいました。
不是「中華民國」選手而是「台灣」選手 (中華民国選手ではなく台湾選手だ)
意外,我們不是中華台北代表團嗎? (意外だ、我々はChinese Taipei(チャイニーズタイペイ)代表団じゃなかったっけ?)
これに対してあるユーザーは、八王子市や弘前市といった東京五輪・パラリンピックのホストタウンとなった日本の自治体は対象相手国を「台湾」としていると説明。「中華民国」でも「Chinese Taipei」でもなく、「台湾」であることに複数のネットユーザーから驚きや喜びの声が挙がっていました (Facebook、Yahoo台灣、批踢踢實業坊など)。
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なるほど。言われて見れば確かに。
独立派が全員、中華民国の系譜でない為に起こる議論ですね。
国名、国旗が一様でないのも、独立派が一枚岩でない要因の一つ
である訳だ。こりゃデリケートな問題ですね。
スポーツを足掛かりに、これまでのポジションを獲得してきた
苦難の歴史を垣間見た気がします。
日台友好を推進して行くことは勿論大切ですが、清末期から今日に至るまでの
歴史を今一度おさらいしておくのも必要かもしれませんね。
歴史は繰り返す、と言いますが、今後は平和的プロセスを踏んで進んで行く事を
切に願わずにはいられません。
こう思う背景に、中共の暴走があるためですが。
それを抑えるのが、米国の強大な軍事力しかない現実。
日本人は何ができる? 喫緊の課題ですね。
ぷんぷん丸様
いつもありがとうございます。
「中華民国」の国旗問題は
中華台北問題とともにとてもナイーブで複雑なものだと思います。