青学大往路12位 万に一つの総合Vに期待

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 第97回東京箱根間往復大学駅伝競走の往路が2日、行われ、優勝候補の青山学院大学は12位と惨敗した。2区、3区、5区で区間順位2ケタという前年度王者らしからぬ走り。優勝した創価大学から7分35秒差をつけられ総合優勝は苦しくなった。

■3区間で2ケタ順位の惨敗

5区・6区の宮ノ下付近

 2015年に初の総合優勝を果たして以来、大学長距離界を引っ張ってきた青学大からして、信じられないレースぶりだった。エースの吉田圭太選手(4年)は1区でトップと18秒差の6位とまとめたものの、2区の中村唯翔選手(2年)は区間14位と失速し順位を13位に下げた。

 3区の湯原慶吾選手(3年)は昨年、総合優勝のテープを切ったが、こちらも区間14位。11位と順位は上昇したものの、この時点でトップの東海大とは3分55秒と差がついていた。

 4区の佐藤一世選手(1年)が区間4位と健闘し10位に押し上げ、トップの創価大と3分41秒差として期待をもたせたが、5区の竹石尚人選手(4年)は足がつり、日本テレビの放送によると4度、ストレッチのために立ち止まるブレーキで区間17位、チームは往路12位で終えた。

 往路優勝の創価大と7分35秒差、2位の東洋大学とも5分21秒の差があり、逆転の総合優勝は絶望的と言っていい状況になっている。

■往路惨敗の責任は原晋監督が負うべき

 1区の出だしが異常なスローペース。結果論だが1区と2区を逆にしていれば、多少、順位は上がったかもしれない。実は青学大OBの神野大地氏は、1区が高速化しないことを予想していたのである。

「1区に有力1年生が集まり、高速レースになるという見方もありますが、逆に1年生だからこそ様子をうかがう序盤になる可能性もある。順大の三浦龍司選手らがいても、そこまで高速化にならないと思っています。」(スポーツニッポン電子版1月1日付け「2日号砲!箱根駅伝 “3代目山の神”神野&“川内優輝ものまね芸人”M高史がズバリ順位大予想」)。

 そうなることも想定し、エースの吉田選手の1区起用はもったいないと考えて補欠に回し、当日、2区に投入すればという思いは誰しもが持つと思う。

 また、3度目の5区となった竹石選手は2018年は区間5位だったが足がつり、2019年は区間13位のブレーキとなっており、5区での起用自体に疑問が残る。もちろん、竹石選手は責められるべきではなく、その責任は過去2度の走りが十分ではないのに今年3度目の起用をした監督にある。昨年の5区で2位の飯田貴之選手(3年)を起用していれば、少なくとも総合優勝の圏内に踏みとどまれていたかもしれないと思うと青学大OBとしては残念と言うしかない。

 素人の結果論だが、監督は結果が全てなのも確か。総合優勝を逃した場合、原晋監督の責任は免れないだろう。もちろん、高速化した箱根駅伝で毎年勝ち続けることなどできるはずはなく、青学大といえども簡単には勝てない時代になったという事情も背景にあるとは思うが。

■狙える復路優勝 あわよくば総合優勝争いに

 青学大は復路に有力選手を並べている。補欠に回した主将の神林勇太選手(4年)は疲労骨折していたことが2日になって明らかになったが、前出の飯田貴之選手(3年)を投入できる。復路優勝の可能性はある。

 総合優勝はかなり厳しく、絶望的ではあるが、幸いにも7分以上の差をつけられた創価大は復路はパンチが弱い。優勝候補と見られる3位駒澤大とは5分14秒、5位東海大とは4分8秒差。

 万に一つの可能性に期待し、復路を待つことにしよう。

※主将の神林勇太選手が疲労骨折していたことが明らかになったため、一部、内容を修正しました。

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