免職教師の叫び(2)決意した別れ

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 28年前に教え子にわいせつな行為をしたとして懲戒免職になった鈴木浩氏(仮名)の連載の第2回をお届けする。1993年に中学生だった石田郁子氏(43=写真家)に対し、わいせつな行為をしたとされ処分された鈴木氏だが、果たして両者の関係はどのようなものであったのか。鈴木氏の話は、石田氏が主張し東京高裁が認定した事実とは全く異なる。

■石田氏は中学時代から性被害と主張

 まず、石田氏が主張し、東京高裁が認定した事実を示す。月日の後ろの( )内の数字は、石田氏の年齢=学年である。

・1993年3月(15歳=中3):鈴木氏のアパートで告白され、キスをした。

・同3月~4月(15歳=中3・高1):中学校内でキスや胸を触られ、床に段ボールを敷いてキスをした(2度行なったとされる)。

・同8月(15歳=高1):海に行き、鈴木氏の自家用車内で上半身の服を脱がされるなどした。

・同10月か12月(16歳=高1):鈴木氏のアパートでキスし、口腔性交をした。

・1994年8月(16歳=高2):登山をして、山頂付近で口腔性交をした。

・1997年7月頃(19歳=大2):既に鈴木氏と性交渉を行なっていたが、交際が一方的に解消された。

 このような行為を、当時、石田氏は恋愛感情に基づくものと思っていたが、その後、鈴木氏による性犯罪だと思うようになった。被害を受けたことを2015年5月(37歳)から札幌市教育委員会に訴え出て、2019年2月(41歳)に東京地裁に損害賠償を求めて提訴した。

 ところが、中学生、高校生に対してわいせつな行為をしたとされた鈴木氏は、事件の核心、処分の原因となったそれらの事実を全くの虚偽であるとしている。

■鈴木氏が語る交際開始から別れまで

石田氏と交際当時、自室で作業中の鈴木氏(提供:鈴木浩氏=仮名)

 鈴木氏によると、石田氏から中学卒業後も頻繁に電話がかかってきて、進路や家庭内のことで相談を受けることが多く、接触はあったという。石田氏は私立高校の美術系への進学を希望していたこと、実際に北大卒業後に金沢美術工芸大に進学したことからも、美術教師の鈴木氏に相談するのは当然であった。

 ただし、それはあくまでも教師と元生徒という関係でしかなく、性的な関係はもちろん身体的な接触すらなかった。その2人が交際をするようになったのは、石田氏が交際を一方的に解消されたとする1997年7月頃だったという。以下、鈴木氏とのやりとりを示す。

松田:交際を始めることになった経緯を教えてください

鈴木:石田が中学を卒業後も、年に数回程度、彼女の家族のことなどで相談事をされて、主にファミレスで話を聞いていました。もちろん、それだけの関係です。ところが1997年の春、5月ぐらいだったと思いますが「好きだから、付き合ってください」と言われました。彼女が19歳、私が30代前半です。その時は(教師と元教え子だしなぁ)というのが引っかかりまして、即答を避けました。ただ、それまで年に何度か会っていたし、その時は石田が変な人間ということも分かりませんでしたから、後から「いいですよ」ということで交際を始めました。

松田:当初、交際は順調で、グループで焼肉に行くなど、笑顔の絶えない明るい交際だったとか

鈴木:そうです。

松田:別れるきっかけになったのが、石田氏が他者との性行為を語ったことと聞いていますが、その点について教えてください

鈴木:1998年の夏休みの時期に石田が突然、東京に行くと言い出しました。当時は交際していたので「一緒に行こうか」と言ったのですが、「いえ、来ないでください。一人で行きたいんです」ということで一人旅になりました。

松田:見送りはしましたか

鈴木:新千歳空港まで送った記憶があります。

■石田氏の東京旅行で感じた別れの予感

写真はイメージ(提供:鈴木浩氏=仮名)

 石田氏が東京への一人旅をした後、2人の間に隙間風が吹き込む事態となる。それは石田氏が東京で見知らぬ男性と出会ったことに始まる。

松田:彼女が帰ってきてから、どんなことがありましたか

鈴木:1週間ぐらいで帰ってきたのですが、本人は「楽しい旅だった」と話していました。ところが、ユースホステルに泊まっていた時に「いい感じの人と出会って、そこでエッチして」と。思い出話と一緒に、他人とセックスをした話をしてきました。(何を言ってるんだろう、この人は)と、普通、思いますよね?

松田:そうですね、驚くし、怒ると思います

鈴木:それで、私も「そこまでいったの?」「それって、僕とあなた、付き合ってるんだよね?」「その人に対して、あなた、今、何言ってるの?」という話をしました。石田は悪びれた様子もなく「別にいいじゃない、中に出してないから大丈夫」と。

松田:どう感じましたか

鈴木:唖然としました。全く話が噛み合わないし、理解できませんでした。今も理解できません。普通は隠すことをペラペラと喋っている石田を見て(気持ち悪いな、この人)と思うようになりました。そこで(この人とはやっていけないな)(別れた方がいいな)と思うようになりました。

松田:それで別れを切り出したわけですね

鈴木:そうです。実は付き合っている時も、石田はずっと性行為の話ばかりしていました。私との性行為ではなく、別の人との性行為の話をしたり、自分の父親と愛人の性行為の話をしたり、あるいは「自分は母親と父親の性行為で生まれた」と言ったり。それで(変な人だな)と思っていたのですが、最後にその東京で浮気をした話を平然とするものですから、それでもうやっていけないと思いました。

 石田氏の東京での話は鈴木氏に別れを決意させるものとなり、それから1か月ほど経った1998年秋に石田氏との交際をやめることを告げる。

松田:どういう形で別れを切り出したのでしょうか

鈴木:別れる時に「あなたは性的に気持ち悪いから」とは言いませんでした。それをしたら、石田がおかしくなってしまうと思ったからです。そこで電話番号を口実にしました。当時、携帯電話は普及していなかったため、連絡は自宅の電話を利用していました。ところが、私は彼女の家の電話番号を知りませんでした。連絡は専ら相手から私の家にかかってくるだけです。教えるように頼んでも「嫌だ。私からかけるからいいでしょ」と。それを理由にすることにしました。「電話番号を教えないのは、僕のことを信用してないんでしょ? だからもう、別れましょう」と。できるだけ他愛のない話で別れた方がいいと思いました。

■1998年秋 23年後に訪れる悲劇の出発点

 鈴木氏が相手の気持ちを考えて申し出た別れ話をした結果、鈴木氏は石田氏の性格に異常さ、一種の恐怖を感じることになる。同時に、その時に冒頭の石田氏の「虚言」(鈴木氏)が始まるのである。

 1998年秋、30代の鈴木氏は、石田氏の言葉が23年後に我が身に起きる悲劇の第一歩であることに気づく由もなかった。

第3回へ続く)

第1回に戻る)

"免職教師の叫び(2)決意した別れ"に2件のコメントがあります

  1. NA より:

    この事件、英国の若者が付き合っていた彼女と別れたことから、交際自体が女の本意ではなく強制的に性的関係を持たされたものだったと訴えられ、2年もムショ生活を余儀なくされた冤罪事件を思い出した。関連記事を追っても、警察の対応を批判するものばかりで、虚偽告訴した女が起訴されたという報道がないのが、なんとも。

    Liam Allan: Met Police apologise to 22-year-old man falsely accused of rape after failing to disclose crucial text messages INDEPENDENT Jan 30, 2018
    https://www.independent.co.uk/news/uk/crime/liam-allan-met-police-rape-accusation-false-evidence-disclosure-arrest-mistake-detectives-a8184916.html

    NO JUSTICE Innocent man wrongly jailed for two years for rape after cops missed vital Facebook evidence is REFUSED THE Sun Nov 3, 2019
    https://www.thesun.co.uk/news/10268973/man-wrongly-jailed-rape-refused-compensation/

    1. NA より:

      すみません。INDEPENDENTの方と、THE Sunの男性は別の事例です。元交際相手から訴えられ逮捕されたのがINDEPENDENTのリアム・アレン氏で、2年以上服役したのがダニー・ケイ氏(関係を持った後、少し疎遠になったことに怒った少女)です。どちらも虚偽告訴による20代の冤罪被害者です。

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