1着賞金11億円の衝撃 第1回サウジカップはJRAのG1×8クラ以上

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 2月29日にサウジアラビアのキングアブドゥルアジズ競馬場で第1回サウジカップ(ダート1800m)が開催される。1着賞金1000万米ドル(約11億円)、総賞金2000万ドル(約22億円)という桁違いの賞金に、世界の強豪が集まる。世界の競馬シーンを変えるぐらいの衝撃があると言ってもいい。

■ドバイワールドカップを上回る世界最高賞金レース

サウジカップの公式HPから

 1着賞金11億円は文句なく世界最高。従来の世界最高だったドバイワールドカップ(ダート2000m)の720万米ドル(約7億9200万円)を大きく上回る。JRAの春の平地G1は12クラあるが、その1着賞金の合計は14億7500万円である。

 優勝賞金だけ考えると、サウジカップ1クラの優勝賞金は桜花賞+皐月賞+天皇賞・春+NHKマイルC+オークス+ダービー+安田記念+宝塚記念(10億4000万円)より多い。

 しかも、サウジカップの後、3月28日にUAEドバイでドバイワールドCがあり、遠い砂漠の地に行っても、2つの高額賞金レースを使ってこられるのは遠征へのハードルを低くする。仮にサウジカップとドバイワールドカップを連勝したら、合計で18億9200万円を手にすることになる。それは誰もが行きたいだろう、リヤドに。

■米国から強豪続々、日本の2頭は勝機薄いと予想

 米国からは、昨年の最優秀3歳牡馬でケンタッキーダービー1位入線のマキシマムセキュリティ、最優秀ダート古牝馬ミッドナイトビズー、昨年のG1BCクラシック2着のマッキンジー、1月25日のG1ペガサスワールドカップ招待Sを制したムーチョグストと、現在の米国のダート路線のトップ中のトップと言っていいメンバーが集結する。

 アイルランドからはG1で2着8回、豪G1マッキノンSを制したマジックワンドが初のダート挑戦。さらにUAEからはベンバトル、カペッツァーノと近走で圧勝している元気な2頭がやってくる。

 日本からはクリソベリルとゴールドドリームがエントリー。クリソベリルは未知の部分はあるが、さすがにこのメンバーでは勝ち負けは無理だろう。ゴールドドリームは「出るだけ立派」と申し上げておこう。

■進む競馬のグローバル化

 こうして2月~3月にかけての世界の競馬は、サウジアラビアとUAEドバイが話題の中心となる。欧州はシーズンオフで、米国の古馬戦線も大レースが不在という時期だけに、それも当然であろう。

 僕が日本の馬主で、そこそこ走る馬を持っていたら、春は中東遠征を目標にするだろう。そこに照準を合わせて前年の秋からレースを逆算していく。中東の金満レースを見たら、そう考える人は少なくないと思う。

 それは日本の競馬の空洞化と言えるのかもしれないが、競馬というスポーツのグローバル化とも言えるだろう。そしてそれが世界の趨勢である。

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