安倍晋三総理が国民へ語る(4)国民一人ひとりの理解と協力で乗り越える

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 安倍晋三総理が2月29日の会見で国民に語った言葉、その(4)です。

■治療薬の早期開発目指す

内閣官房と内閣府

 今回のウイルスには、現時点でインフルエンザのように有効性が確認された治療薬がない、この点が世界的な不安の最大の原因となっています。そのため現在、我が国ではいわゆるアビガンを含む3つの薬について、新型コロナウイルスに有効性があるかどうかを見極めるため、観察研究としての患者への投与を既にスタートしています。いずれも新型コロナウイルスを用いた基礎研究では既に一定の有効性が認められていることから、実際の患者の皆さんに、その同意を得て使用することで治療薬の早期開発につなげてまいります。

■あらゆる可能性を想定 立法措置を早急に

 危機にあっては常に最悪の事態を想定し、予め備えることが重要です。北海道では鈴木知事が緊急事態宣言を発出し、この週末、外出を控えるよう道民への呼びかけを行っています。国も雇用調整助成金の特例を設け、非正規の方も含めて休業となる方々への支援をしっかりと行ってまいります。必要となる物資の提供など、あらゆる協力を惜しまない考えであります。さらに今後、一定の地域において急激な感染の拡大などが見られた場合にどのような措置をとるか、その具体化はもはや待ったなしです。

 既に政府として、基本方針をお示ししているところでありますが、あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小とするために、立法措置を早急に進めてまいります。

 今後とも国民の健康と安全を守ることを何よりも最優先に、必要な措置は躊躇なく実施する考えであります。今回のウイルスについては、未だ未知の部分がたくさんあります。よく見えない、よく分からない敵との戦いは容易なものではありません。

■政府の力だけでなく、国民の理解と協力を

 率直に申し上げて政府の力だけで、この戦いに勝利を収めることはできません。最終的な収束に向けては医療機関、ご家庭、企業、自治体をはじめ一人一人の国民の皆さんのご理解とご協力が欠かせません。皆さんの暮らしに直結する決断には当然、様々なご意見、ご批判が伴います。内閣総理大臣として、そうした声に真摯に耳を傾けるべきは当然です。しかし、それでもなお内閣総理大臣として国民の命と暮らしを守る、その大きな責任を果たすため、これからも先頭に立って為すべきことは決断していく、その決意であります。

 収束への道のりは、予断を許しません。険しく厳しい戦いが続いていく、そのことも覚悟しなければなりません。本当に大変なご苦労を国民の皆様にはお掛けしますが、改めてお一人お一人のご協力を深く、深く、お願いする次第であります。

 しかし、私たちは必ず乗り越えることができる、そう確信しています。

 最後となりましたがダイヤモンド・プリンセス号の現場対応を含め、先月以来、ウイルスとの戦いの最前線で頑張ってくださっている医療関係者の皆さんをはじめ、全ての関係者の皆さんのご努力に心より敬意を表するとともに、これからもこの戦いにご協力を賜りますように、お願いを申し上げる次第であります。

 私からは以上であります。

【終わり】

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