共産党がパワハラ小池晃氏を”粛清”

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 日本共産党が14日、小池晃書記局長によるパワーハラスメントがあったとして同書記局長を警告処分とした。5日に行われた党会合で田村智子政策委員長を不当に叱責したと認定したもので、小池書記局長は記者会見で「私自身の品性の上での弱点が表れたと自己総括している。深刻な反省と自己改革が必要だと肝に銘じている」などと謝罪の言葉を述べた。問題を起こしたら、自己の人格の尊厳を破壊するレベルの謝罪をさせる共産党の”粛清”体質を垣間見るかのようなシーンであった。

■松永さんを松本さんと読んだだけなのに…

記者会見する小池晃氏(日本共産党チャンネル画面から)

 パワハラとされた小池書記局長の行為は、言われるほど大したものではない。5日に行われた全国地方議員候補者会議において、報告者として壇上にあがり、相模原市議団の議員団長の松永千賀子氏の名前を「松本千賀子」と誤読した。

 報告終了後に司会を務めていた田村智子政策委員長が相模原市議団長の名前は松本千賀子ではなく、松永千賀子であると訂正を行った。これに対して小池書記局長は着席している田村政策委員長の横に立ち「『松永』って呼んでるって」「訂正する必要ないって」と上から見下ろすような姿勢で叱責した。

 しかし、実際は誤読していたのは明らか。自ら間違えたのに、訂正した田村氏を叱責するという行為に出てしまったのはお粗末と言うしかない。これにはネットを中心に批判が起きた。14日の小池書記局長の会見では「これはハラスメントではないかという声が党に寄せられ」たとのことで、13日になって小池書記局長はTwitterで以下のような反省の文を掲載した。

5日の日本共産党地方議員・候補者会議の報告で、私が議員名を間違えたにも関わらず、司会の田村智子副委員長に、間違ってないと叱責し、威圧的な言動をとったことを深く反省しています。田村さんには会議後に謝罪しました。ハラスメント根絶をめざす党の一員として、今後たえず自己改革に努めます。(11月13日午後4時34分投稿

 共産党は党規約に反したとして、警告処分とした。

<日本共産党規約>

第48条 党員が規約とその精神に反し、党と国民の利益をいちじるしくそこなうときは規律違反として処分される。…

第49条 規律違反の処分は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない。処分は、警告、権利(部分または全面)停止、機関からの罷免、除名にわける。…

 つまり、小池書記局長は規約とその精神に反し、党と国民の利益をいちじるしくそこなった、と判断されたのである。

■品性の上での弱点

 共産党は選挙の公約でもハラスメントをなくすことを掲げており、それに反した場合は党のナンバー2でも許されないということであろう。13日の会見で小池書記局長は以下のような説明をした。

 今日(14日)の常任幹部会でこれについて自己批判もしましたし、相互に批判もありました。…私の今回の会議での田村副委員長に対する対応は、パワーハラスメントだったと言わざるを得ません。そのものであったというふうに言わざるを得ません。パワーハラスメントそのものでした。…優越的な地位を背景にした業務上必要かつ相当な範囲を超える就業環境が害されるという定義に該当するパワーハラスメントそのものであったと。あってはならないことだというふうに率直に申し上げなければなりません。

 その上で、どうしてそのようなことが発生したのか、今後についてはどうするのかという点にも話が及んでいる。

 私自身の品性の上での弱点が現れたものだというふうに、自己総括をしています。2度と再び、繰り返さないためには、深刻な反省と自己改革が必要だというふうに私自身、肝に銘じているところであります。

 また、5日の会合から1週間以上経過してから謝罪に至った件についても触れている。

 自ら糺すことができなかった。批判が寄せられた結果、パワハラという認識に至った、そこまで時間がかかってしまったということも、このことも反省点として申し上げたいと思います。

(以上、日本共産党チャンネル・#小池晃書記局長会見から)

共産党も身内の不祥事に頭が痛い?(資料写真)

 まるで極悪犯罪者が自らの犯行を反省するかのような言い方である。それはそれでご立派なことであるが、自分がうっかりミスをして、しかもミスをした認識がない場合、それを指摘されたり、訂正されたりした時に立腹した経験をもつ人は多いのではないか。日常生活でよくあることとは言わないが、あり得ることではある。

 そのような時は、相手に「ごめん、ごめん、勘違いしてたよ。訂正してくれてありがとう」と謝って終わる話ではある。衆人環視の中で行われた場合には、多くの人の前で「名前を間違えて読み上げてしまった上に、その後のやりとりで皆様にご不快な思いをさせてすみませんでした。」で、ほとんどの人に納得してもらえるのではないか。

 ただの言い間違いと、勘違いが重なった事例で、ここまで反省を求められるのは共産党という政党が、どんな些細なミスでも許さない、ミスを口実に相手を政治的に追い詰める体質であると感じさせられる。

■連合赤軍事件では他愛のないことで「総括」

 一連の流れを見て思い出されるのが、1971-1972年にかけて発生した連合赤軍リンチ殺人事件である。群馬県・長野県の山中で山岳アジトをつくり、その中で凄惨な内ゲバが行われ、仲間12人が殺害されたという事件である。

 この時、連合赤軍は、仲間の些細なミスを理由に「総括」を求め、その総括を援助するという名目で殴る、蹴るの暴行を加えたのである。そのあたりは当時の最高指導者の1人永田洋子死刑囚(故人)が著した「十六の墓標」(彩流社)に詳しい。総括の理由は女性兵士なら「化粧が濃い」「色目を使っている」など、実に他愛のないことを理由に総括を求められ、総括が不十分であるとして殺害されたのである。

 連合赤軍は反日共系のグループ(赤軍派と京浜安保共闘)が合併したものとされているようであるから、共産党とは相容れないのかもしれないが、大きな括りで見れば左翼系のグループという共通点はある。

 そして小池書記局長は「総括」「自己批判」という連合赤軍が頻繁に用いていた用語を駆使して謝罪した点もこうした集団が持つ共通の不気味さを感じさせられる。

■吊し上げられる?小池同志

 小池書記局長が吊し上げられた常任幹部会ではどんなやり取りがあったのか気になる。案外、こんな感じだったのかもしれない。あくまでも想像であるので、真実である保証は全くない。

幹部A:小池同志の行為はパワーハラスメントと言わざるを得ない。

幹部B:優越的な地位を背景にした業務上必要かつ相当な範囲を超えている。これは真剣な総括が必要である。なぜ、あのような態度に出たのか。

小池:自分は正しく松永と読み上げたつもりでいました。ずっと勘違いをしていて、田村同志が間違っていたと思い込んでしまったのです。

幹部C:総括が甘い。

 幹部Dが小池書記局長を殴打。

小池:ぎゃっ!

幹部A:小池同志、これは暴力ではない。総括することができない小池同志にD同志が総括を援助したのである。

小池:ありがとうございます。

幹部B:もう一度、総括しろ。

小池:自分は61歳になり、物覚えが悪くなっています。そのため、誤読した事実を忘れてしまい、田村同志に迷惑をかけてしまいました。

幹部A:まだ、援助が足りないようだ。

 幹部Dが小池書記局長を殴打。

小池:ぎゃっ!

幹部C:年齢のせいにするのは、小池同志が原因を肉体的な衰えに転化することで責任を免れようとする反革命的な態度であることになぜ、気づかない。

小池:私が間違っていました。年齢を理由にすることで責任逃れをしようとしてしまいました。革命的な態度ではありませんでした。

幹部A:今回が最後のチャンスだ。総括しなさい。

小池:田村同志にあのような態度を取ったのは、私自身の品性の上での弱点が現れたからです。『女のくせに生意気な』というプチブル的思想に毒されてしまいました。そうした我々が打倒しなければならない思想が私の心の中に一瞬でも入り込むことを許してしまったことは革命戦士として未熟であったと反省しています。田村同志は自分より権力のある者の発言に対しても、その誤りを訂正するという真に革命的態度でした。その革命的な態度を『女のくせに生意気な』と感じてしまったことは、私自身が革命的な態度ではなかったことの証左であります。2度と再び、繰り返さないために深刻な反省と自己改革が必要であると実感しています。

幹部A:小池同志、今の総括を記者会見の場で説明しなさい。もし、異なる内容を話したり、責任逃れをするようなことがあれば、総括はできていないと見做すので心して説明するように。

小池:分かりました。

幹部B:よし、最後にインターナショナルを歌おう。

一同:♪起て飢えたる者よ 今ぞ日は近し 醒めよ我が同胞(はらから) 暁(あかつき)は来ぬ 暴虐の鎖 断つ日 旗は血に燃えて 海を隔てつ我等 腕(かいな)結びゆく♫…

 以上、あくまでも筆者の想像、妄想の産物であり、真実の保証は全くないのでご注意を。

"共産党がパワハラ小池晃氏を”粛清”"に3件のコメントがあります

  1. MR.CB より:

    》》ジャーナリスト松田様

    “妄想劇”『小池くんの頑張って総括しました!』
    爆笑しました(笑)。その悍しく、そして実に滑稽な光景が鮮明に小生には見て取れました。チャップリンが存命なら、きっと素晴らしい作品に仕上げてくれたはずですね。

  2. 通りすがり より:

    自民党の議員が同じことをしたら常に本人には辞職要求、総理大臣にも任命責任を追及している以上、身内にもそれなりのきびしさを以て当たるべきところ、結局は口頭で謝罪してハイおしまい、ですから結局何ら過酷な処分でも何でもない。

    一応処分したフリだけはしているので、立憲共産党よりはマシなのかもw
    共産党には枚挙に暇がない数々の公選法違反を隠蔽しているなど、「他にも厳しく糺すべき」案件は掃いて捨てる程あるはずですけどね。

  3. BADチューニング より:

    『ラーメン大好き“じゃない方”の小池さん』w

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