オウム後継団体を「世田谷から追い出す」内藤ゆうや氏
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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世田谷区南烏山で、前身団体の時代から25年以上続く、オウム真理教の後継団体『ひかりの輪(上祐史浩代表)』の退去問題について、元・世田谷区長候補の内藤勇耶氏(32)が、早期解決へ新たな方法を示した。ひかりの輪が賃貸の物件を利用していることに着目し、不動産の貸し手に対して条例で規制するもの。これまでにない発想で四半世紀続く問題の早期の解決に意欲を見せている。
◾️2000年から続く退去問題
世田谷区には2000年12月からオウム真理教(当時はアレフ)の信者が集団で転入を始めた。区では転入当初から対策本部を設置して、信者の転入届を不受理としたり、区長名での退去要請書を教団側に手渡すなど、対策を講じてきた。2026年2月現在、区では南烏山のマンションにひかりの輪の信者が5人程度居住しているとしている。
周辺住民は「烏山地域オウム真理教対策住民協議会」を結成し、監視小屋を設置して監視活動を行ったり、抗議集会やデモ行進を行ったり、退去を求めている。区は抗議集会などに対して補助を出しているとされる。それでも、2011年にアレフが退去したものの、ひかりの輪は依然として世田谷区内に残っている(「ひかりの輪に関する動き」表を参照)。
この間、ひかりの輪は、団体規制法(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律)における観察処分を受けている。オウム真理教は地下鉄サリン事件など無差別大量殺人を行った団体であり、その後継団体である、ひかりの輪に対して周辺住民が不安に感じるのは当然のことであろう。
もっとも、そのような団体でも、憲法で保障された居住・移転の自由に関して一定の保障を受ける。四半世紀解決されないのは、そうした法の制約と無縁ではない。
◾️不動産の貸し手の責任
2023年に世田谷区長選挙に立候補して敗れた内藤氏は、この問題について全く新しい方法で解決を図るべきとする。
2027年の区長選挙にも立候補が見込まれ、区長となった折にはこの問題に直ちに取り掛かるとする。
内藤氏が解決のための「秘策」と呼ぶのは以下の2通りの方法である。ともに、ひかりの輪が賃貸の物件を利用していることから、貸し手に対して規制を与えるもの。
前身団体の時代を含め、25年以上にわたり退去に応じない教団側に対して働きかけるよりも、教団側に不動産を提供する方を攻める発想である。
内藤氏は「1つは暴力団排除条例を参考にします。ひかりの輪は公安調査庁の観察団体なんですね。それを知りながら不動産を貸すことを条例で違反にするのはできることだと思っています。今、ひかりの輪は烏山のある場所を民間の方から借りて賃貸で暮らしています。いわゆる、民借状況で、『ああ言えば上祐』さんも住んでいると言われていますが、『貸してるという経済行為が違法なんだよ』とすることを通じて、ひかりの輪に貸すことができないようにするものです。貸すことが違法になれば出ていくしかありませんから、それによって出ていってもらうという方法です」と説明する。
もう1つの手段は、課税による締め付けである。
「法定外税という制度がありまして、これ使って、民間企業の方がオウム真理教(の後継団体)に(物件を)貸すことに対して税金をかけます。例えば家賃を10万円もらってるのであれば、100%課税します。そうすると10万円家賃もらっても同額を世田谷区に納めなければいけない。そうすると大家さんは実質1円ももらえませんから『貸してもしょうがないな、ごめんなさい出ていってください』となります。こういった経済活動を使って追い出していく、新しいスキームをやりたいと思っています。」(同氏)
◾️法定外税という秘策
こうした手法は、ひかりの輪が賃貸物件を利用しているという事案の特殊性に着目し、団体に活動拠点を提供する貸し手に働きかけることで、退去を促そうという考えに基づくものであろう。賃借人が周辺住民に迷惑をかけている点につき、賃貸人もその迷惑行為に一定の役割を果たしているとみなすという考えが底流にあると思われる。
このような大胆な発想の転換で、25年来の問題に一気に決着をつけようというものであり、成功する可能性はあるように思われる。
もっとも1つ目の方法はダイレクトに居住・移転の自由と衝突するシーンが想像され、法廷での争いが長期化するおそれがある。2つ目の法定外税であれば、賃貸人が一室の家賃分の確保のために司法の場で争うかどうかは、未知数である。
貸主が更新拒絶を選択した場合、その法的効力が争われる可能性は残るとはいえ、課税によって、賃貸人が契約を終了させたいと判断する可能性は十分にある。
契約更新をせずに、新たな賃借人を見つける方が効率が良いと判断するかもしれない。そうであれば、2つ目の方法であっさりと片付く可能性はあるとの考えもできる。
内藤氏は前回の区長選挙の前は財務省の官僚であり、法定外税については専門性を有している。法定外税についても「全国一律の税金ではなくて、条例で自治体が法律の外で課税してる税金です。誰にどう税金をかけるかは自治体の自由です。そこで、公安調査庁の観察団体であることを知りながら貸すという行為に税金をかけます」と一般の人にもわかりやすく、簡潔に説明する。
ただし、法定外税も地方税法に基づく制度であり、新設には条例の制定に加え、総務大臣との協議・同意が必要となる。家賃収入に100%課税する制度を設けられるかについては、税負担の公平性や法令との整合性を検討する必要がある。そのあたりは財務官僚出身のキャリアがモノを言うところであろう。
たとえは適切ではないかもしれないが、個人的には、米国のギャングの頭目として知られたアル・カポネが所得税の脱税で懲役11年の判決を受け、その組織が大きな打撃を受けた例が思い浮かぶ。居住制限という正面からの解決ではなく、課税により搦め手から攻める手法は元財務官僚らしい発想と言えるのかもしれない。なお、アル・カポネの脱税事件の捜査では、米財務省のフランク・ウィルソンらが中心的な役割を果たした(禁酒法違反の捜査を担当したエリオット・ネスも当初は財務省酒類取締局所属)。
◾️「初日から解決しに行く」
25年以上にわたり、オウム真理教の後継団体が住民の反対にもかかわらず居住を続けたことについては、結果だけを見れば世田谷区の責任はないとは言えない。この点を、次の世田谷区長選挙に出馬が見込まれる内藤氏は「(責任は)重いと思います」と口にする。
さらに「実質的にはデモを支援するだとか反対運動を支援する、これ大事ですよ。大事ですけど、それだけではなくて実効性があることをしなければいけません。世田谷区のトップは多分、保坂(展人・現区長)さんになってからアイデアマンではないところがあるので、追い出すための秘策を用意できていません。それを考えて実行するのが区長の仕事です。それができないのであれば、この20何年間放置してしまったという現状ですから、責任は重いと思います」と続けた。
内藤氏は来年2027年の区長選挙への出馬が予定されている。2023年に当選していれば、この問題は4年早く解決できたはずだという忸怩たる思いがあるという。そうした悔いを含め「次、あらためて世田谷区で活動することを皆さんに認めていただけるのであれば、この烏山においてはオウム、ひかりの輪の問題は、初日から解決しに行く、そんな心積もりでいます」と言う。
地下鉄サリン事件(1995年)の時にはまだ1歳であった内藤氏が、事件を起こしたオウム真理教の後継団体の問題に決着をつけることができるのか。まずは区長選挙での勝利が前提となるが、新たな展開が始まる可能性が出てきた。
(SNS関連投稿⇨ YouTube・オウム上祐氏の『ひかりの輪』を追い出す 元世田谷区長候補・内藤ゆうや氏の秘策『法定外税』)








