新型コロナとBCG接種の因果関係は?

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 BCG接種と新型コロナウイルスによる感染症の重症化の因果関係がネットで話題になっている。BCG接種を義務化している国が死者数が少ないというものである。果たして因果関係があるのか、データと照らし合わせてみた。(データは日本経済新聞「新型コロナウイルス感染 世界マップ」)

■世界のBCG接種状況を示す地図が話題に

 ネットで話題になっているのは「The BCG World Atlas: A Database of Global BCG Vaccination Policies and Practices」という世界各国のBCG接種の状況を示したもので、2011年の学術論文である。

 BCG接種はハンコ型のワクチンで、結核菌の抗体を作るための予防接種。BCGの跡が肩についていたアイドルとしては山口百恵さんがよく知られている。このBCGを接種を義務化している国が新型コロナウイルスで重症化することが少なく、義務化していない国、あるいは義務化をやめてしまった国が重症化することが多いというのである。

 ちなみに日本はBCGが義務化されており、4月2日現在の新型コロナウイルスによる感染症の死者は71人で、義務化されていないイタリアは1万3915人。

■BCG接種で各国を3つに分類

日本経済新聞サイト「新型コロナウイルス感染 世界マップ」から作成

 まずは表を見ていただきたい。各国の死者数の一覧表であり、4月3日発表の4月2日現在の死者数の多い順に並べてある。これにBCG接種状況で各国を色分けした(※地図を目視して各国のBCG接種状況を判断)。

 はBCG接種が義務化されていない国で、イタリア、米国、オランダ、ベルギー、カナダである。

 黄色は義務化をやめた国。

 色がついていないのが義務化されている国。死者数の上位20か国で、義務化されている国は中国、イラン、トルコなど7か国である。

 こうしてみると、BCG接種が義務化されていない国、義務化をやめた国は、義務化された国に比べて相対的に死者数が多いということは言えそうである。それをもって直ちに「因果関係がある」とは言えないが。

■日本の死者数が少ないのはBCGのお陰?

 日本を例にとれば3月8日の時点で死者は7人で、4月2日で71人とおよそ10倍に増えているが、世界的に見れば増加率はかなり低い。

 3月8日時点でスペインは10人、米国11人、フランス19人、英国2人だったものが、4月2日には1万3人、5949人、4503人、2921人となっている。これをどう解釈すればいいのか。死に至る場合は様々な要因があるから、BCG接種との因果関係を調べるのは容易ではない。ただ、報道ではこの結果を見てBCG接種を始めた国もあるとのこと。

 詳しい研究結果が出るのを待ちたい。

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