スポーツ新聞1年で1割減 本格倒産時代到来か

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 2020年10月時点での全国のスポーツ新聞の発行部数が、前年比で10%以上マイナスになっていることが明らかになった。日本新聞協会ニュースが発表したもの。2000年以降、最大の下落になっており、2021年はいくつかのスポーツ新聞の経営が行き詰まる年になるかもしれない。

■新型コロナウイルス禍が影響か 1年で10.1%減

日刊スポーツをはじめとするスポーツ新聞も本格的な淘汰の時代へ

 日本新聞協会は2020年12月22日に、スポーツ新聞などの発行部数(同年10月調べ)を発表した(参照:新聞の総発行部数7.2%減)。それによると16のスポーツ紙の合計は263万7148部。2019年10月調査の293万3284部から10.1%の減少となった(参照:新聞の発行部数と世帯数の推移から)。

 わずか1年でマーケットが1割縮小。公表している2000年以降では最大の下落率となった。2000年以後、20年連続の右肩下がりで低落傾向に歯止めがかかっていないが、今回はさらに新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけたものと予想される。

 飲食店の多くが経営の危機に陥る中、経費節減としてスポーツ新聞の購買をやめることは容易に想像がつく上、テレワークの普及で駅やコンビニで新聞を買う機会が減った、などの要因もあるのではないか。いずれにせよ、新型コロナウイルス禍がスポーツ新聞の販売にプラスに働くことは考えられない。

■一時は100万部以上の時代も

 僕が日刊スポーツ新聞社に勤務していた時代、最も部数が多かった時期である2000年前後、東京本社で100万部以上あった。2008年の媒体資料では東京本社では84万946部としている。この数字は多少、水増しがあるのではないかと思う。その6年後、僕が2014年10月に退職する際には、会社としての目標が「●万部死守」であった(日刊スポーツ新聞社の退職者は退職時に同社と秘密保持契約を結んでいるため、一応伏せ字としておく)。

 その2014年10月の日本新聞協会ニュース発表の全スポーツ新聞発行部数は367万5547部で、6年後にはそれが263万7148部だから、71.7%と、ほぼ7掛けになっている。そうなると、現在の日刊スポーツの部数を想像するに、おそらく現時点では40万部を大きく切っているのではないだろうか。

 2000年10月にはスポーツ紙全体で630万7162部だったから、20年後には41.8%と半分以下。これで倒産する新聞が出ていないことの方が不思議である。

■止まらない長期低落化 2021年には倒産企業も

 新聞の収入は販売収入と広告収入が大きな柱。販売収入が少なくなると、各紙とも値上げで苦境をしのいできたが、それももう限界に来ている。広告収入は販売部数が減少すれば当然、減少する。

 元日に届いた日刊スポーツの関係者からの年賀状には会社は「ボロボロ」の状態であると書かれていた。こうした数字を見ると、日刊スポーツを含むスポーツ新聞が極めて厳しい状況にあることは容易に予想がつく。

 長期低落に歯止めがかからない上、新型コロナウイルス禍が強烈な一撃となり、致命傷となる新聞社も出てくるのではないか。2021年はスポーツ新聞が休刊・廃刊するというニュースが届けられるかもしれない。

 僕の出身母体の日刊スポーツには是非とも頑張ってほしいが、元日付け紙面を読んだら、僕がやめた当時と変わらない紙面構成、空虚な内容ばかり。どうか危機感を持って紙面づくりをしてほしいと願っている。

4 thoughts on “スポーツ新聞1年で1割減 本格倒産時代到来か

  1. アバター MR.CB より:

    》》ジャーナリスト松田様

    スポーツ紙の衰退は、小生のような還暦近い世代にはやっぱり寂しいですね。若い頃は一般紙や経済誌などには目もくれず、平日はスポーツ紙、週末には競馬新聞をひたすら愛読していました(笑)。そう言う私も最近では競馬新聞もスポーツ紙も買わずに、もっぱらネットです。日刊ゲンダイの競馬サイトの有料会員に成り下がっております。なにせ競馬専門紙は高くて買えません。スポーツ紙は…、……読みたい記事が少なくなってしまった気がします。加齢の性もあるのだと思いますがエッチ(ピンク)面や、最近は野球やサッカーにも関心が薄れて、もう随分と時が経ちました。良くも悪くも情報収集は、おおむねネットでお金もかけずに知ることができる時代になりました。
    だからこそ各スポーツ紙の経営陣には、優秀な記者や社員が活躍できる職場を考え、作り出す責任があります。経営努力が足らないと言わざるを得ないと思います。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>MR.CB様

       コメントをありがとうございます。競馬専門紙は高いですね。スポーツ新聞はすべての出走表を入れて100円ちょっとということで、専門紙のシェアをかなり食っていたのですが、今はそれもネットにとって代わられていますね。

       僕が競馬にいたころは行政や国際関係のニュースを必死に報じましたが、今は週中の予想新聞状態。全く食指が動きません。

       スポーツ新聞もピッチレベルの話ばかりでなく、その背景(行政や経済など)に特化していけば生きていく道もあったと思いますが、全くダメですね。会社をやめる前には「この世界はもう終わりだ」と思って働いていました。

       いよいよ淘汰が始まると思います。

  2. アバター トトロ より:

    スポーツ紙だけでなく、毎日新聞が資本金を41億から1億の中小企業になったとネットで騒ぎになっています。
    https://blogos.com/article/510833/
    その状態ですので、毎日主催の選抜高校野球大会が、読売主催になると写真誌記事にされる始末。それだけでなく、毎日が絶対に手放さないと言われている、全国高校ラグビー選手権も
    読売主催になると10年以上前に言われていて、毎日が再度倒産する可能性が高いです。読売にすれば、高校サッカー選手権で、毎日から奪取した経験があり、高校ラグビーでも奪取すれば、全国大学選手権と高専ラグビー選手権も読売後援ですので完全制圧となりラグビーでの影響力が強まります。
    https://smart-flash.jp/sports/129175
    https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20210111-OYT1T50098/

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>トトロ様

       コメントをありがとうございます。

       毎日新聞の話は衝撃的ですね。実質200万部を切っている状態だと思いますが、全国紙としての体裁を保つのは難しい状況でしょう。スポニチも毎日新聞と合併しましたから、一蓮托生、どちらも長くないかもしれません。

       新聞業界は一度、大整理をした方がいいと思います。いらない新聞(毎日、朝日、東京)が多すぎますね。

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