免職教師の叫び(16)情報提供装い偽装工作か

The following two tabs change content below.
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

最新記事 by 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 (全て見る)

 およそ2週間前、真相解明へ有力と思われる情報提供があった。オコタンペ湖の展望台の写真に関する情報で、事実であれば石田氏が提供した写真が1996年に撮影したものとほぼ断定できる。しかし、最終的に情報提供者による情報開示が拒否され、公開できなくなった。様々な状況を考えるとフェイク情報、真相解明を妨害する偽装工作だったように思える。今回はその経緯をお伝えする。

■「1997年のオコタンペ湖」という写真

写真①(フジテレビ画面から)

 中学・高校時代に交際と信じ込まされ、当時、中学の教員だった鈴木浩氏(仮名)から性的暴行を受けていたとする石田郁子氏は、フジテレビの取材に対して、高校3年時(の頃)に撮影したとするオコタンペ湖の展望台の写真を提出した(写真①)。

 この写真の撮影時期をめぐっては、放送当時(2020年9月30日)は1995年(高校3年時)とされていたが、フジテレビのサイトに掲載された時には「高校3年の頃」と修正され掲載されている(FNNプライムオンライン:性暴力を受けた少女は「交際」と信じた 教師のわいせつはなぜ裁かれなかったか)。さまざまな証拠から、この写真は1997年(大学2年)に撮影された可能性が強いことは、前回の連載(15)劣化した看板が語る真実でお伝えした通りである。

オコタンペ湖展望台の看板の経年劣化

 情報提供がもたらされたのは、連載公開の翌日、7月27日である。名前は「匿名希望」、その後のやり取りでも職業も、性別すら示されなかった。その人物を仮にX氏とするが、同氏は1997年●月●日に撮影したオコタンペ湖の展望台の写真を持っているということであった。具体的な日付も示してきたのだが、その日付は明かさないという約束のため伏せるが、夏前の1日である。

 勝手に公開しない、鈴木氏には見せないという約束で写真(以下、X氏提供写真)をメールで送付してもらったところ、看板の劣化がはっきりと分かるものであった。 

 まず、「オコタンペ湖展望台の看板の経年劣化」を見ていただきたい。写真①と、1999年10月10日に撮影された川本一俊氏の写真を拡大すると分かるが、写真①では「国立」と「公園」の文字の上と、「苫」の文字の下に広いスペースがあるが(①A、①B、①C)、1999年にはどちらも狭くなっている(②A、②B、②C)。

 これは実は1999年には看板の一部が完全に欠落しているのであり、X氏提供写真は、完全欠落の手前の状態であることが確認できた。①Aは広いが、①Bの部分が欠落しており、①Cも同様に一部欠落が進んでいた。その事情から、X氏提供写真は写真①と、1999年10月10日の間の期間に撮影されたことは確定できたのである。

■絞られる2つの可能性

 X氏提供写真が1997年●月●日に撮影されたというのが事実であれば、当時の気象状況、また、石田氏は1995年には受験のために鈴木氏と会っていないという状況から、石田氏がフジテレビに提出した写真①は1996年夏に撮影されたことがほぼ確定される。

 しかし、鈴木氏は石田氏と交際をスタートしたのが1997年6月か7月としており、そのことは共通の友人の松永なおみ氏(仮名)も証言している。一方、石田氏は1997年7月に交際は終了したとしている。そうなると、真実は以下の2つのいずれかということになる。

(1)写真①が真正:他の画像との合成などの加工はされていない。鈴木氏と松永氏が口裏を合わせて交際時期などで虚偽を述べている。実際は2人は1996年に交際しており、同年夏に一緒に出かけた際に撮影された。

(2)写真①が真正ではない:鈴木氏と松永氏の陳述・証言が真実であり、写真①は加工されたもの。鈴木氏、場合によっては石田氏の姿も合成などの方法で1997年●月●日より前に撮影されたオコタンペ湖の展望台の写真に組み込まれた。その際に使用された2人の姿は鈴木氏が主張する交際が始まった同年6、7月以降に撮影されたものである可能性が高い。

 このような極めて重要な意味を持つ写真であるため、X氏に対して公開の許可を求めるとともに、保有しているという日付を示す証拠2点の開示を求めた。1週間ほど交渉を続けたがX氏は公開に同意せず、また、写真をイラスト化して記事にすることも拒否。日付を示す証拠も示さなかった。理由は係争中の事案で、どちらかに有利になるようなことはしたくないというものであった(鈴木氏と石田氏の裁判は既に終了しており、係争中ではない)。

 これに対し、真実の解明に近づくことを嫌がるのは虚偽を述べている者であること、どちらかに肩入れしないという理由で真実の解明に協力しないということは、虚偽を言い立てている者を助けることになると説明し粘り強く開示の許可を求めた。それでもX氏は首を縦に振らなかった。こうして、X氏提供写真は当サイトのユーザーにも、鈴木氏に対しても開示されないままで終わった。

■高まるX氏への不信感

 以下、X氏とのやりとりの経緯、それに関する分析を詳述する。

 X氏提供写真が1997年●月●日に撮影されたとすれば、写真①は1996年夏に撮影されたものであり、裁判などで石田氏が主張していた交際と信じていた時期(1993年3月~1997年7月)を裏付ける証拠となる(写真①が加工されていないことが前提だが)。それは同時に、鈴木氏と松永氏が口裏を合わせて虚偽を語ったことを意味する。

 しかし、利害関係のない松永氏が嘘を言う理由はなく、まして、その証言は当時の安室奈美恵氏のヒット曲に絡めた記憶に基づくもので信頼度は高い(参照:連載(12)CAN YOU CELEBRATE?)。松永氏の証言を崩すのは困難である。

 もし、1996年撮影説と松永氏の証言を両立させようと場合、鈴木氏は1997年7月頃に松永氏に石田氏との交際を報告したが、実はそれ以前にも交際していたというパターンしかない。そうであれば、松永氏は1996年夏には交際していたことを知らず、2人がオコタンペ湖に行って写真①を撮影したというシナリオが描ける。

 この、僅かな可能性が成立するのかどうか、X氏はメールのやりとりの中で(その件で松永氏らの)証言はあるのか聞いてきたのである。

 実はこの点は松永氏からも証言を得ており、1996年には交際していなかったことは明らかになっている。X氏が鈴木氏サイドの手の内を探るような聞き方であることに多少の違和感を覚え、あえてその質問に答えないまま返信のメールを出したところ、答えてもらえないのは残念、という趣旨の返事が来た。このやりとりでX氏に対する不信感は確信にまで高まったのである。

■指摘されていた妨害工作の可能性

現在のオコタンペ湖展望台(提供・鈴木浩氏=仮名)

 実はX氏が情報提供を申し出てきた時に、鈴木氏に連絡をとったところ「(真相解明の)妨害工作の可能性があるので気をつけてください」というアドバイスは受けていた。その時は(まさか)という思いはあったが、一連の経緯を思うとその可能性もあると感じられる。

 X氏提供写真はネガからスキャンしたものであるとしていたが、日付の部分は入っていなかった。「白樺の木の状態を確認したいので、トリミングしているなら左の方の部分も送ってほしい」と伝えると、横方向に広げた写真を再送してきた。つまり、X氏は実際にトリミングして送っていたことが明らかになったのである。そうすると日付があった部分もトリミングして見えないようにしている可能性は考えられる。1997年●月●日撮影の事実を主張しているのに日付部分を見えないようにトリミングしているとしたら、その意味するところは明らかであろう。

 X氏の情報提供に基づき1996年撮影説が有力とする原稿を書き、上記の(1)と(2)を含む全文をX氏に示し同時に撮影日時が分かる証拠の開示を求めると、X氏は写真を使わないように言ってきたのも不信感を募らせる要因であった。1996年撮影説が有力となったという記事の指摘には納得したものの、同時に写真が合成されたものである可能性も高まるという結論が望んだ結末と異なったこと、撮影日を示す証拠の提出ができないことなどの理由が考えられる。

 1996年説の場合、石田氏は何らかの方法でオコタンペ湖展望台の写真を入手したわけで、1996年に行く理由が分からない。観光地としては極めてマイナーで何かきっかけがなければ行くような場所ではないことは既に連載(15)劣化した看板が語る真実で示した。

 鈴木氏はオコタンペ湖の存在を1996年に石田氏に話した明確な記憶はないとしており、大学1年の石田氏が1人で行ってセルフタイマーで撮影してくるというのも考えにくい。撮影日が確定できれば、鈴木氏がファミレスで会った際にオコタンペ湖の話をしていたであろうことは想像はつくが、撮影日の証拠を最後まで示さなかったということは、その可能性は低いと言っているに等しい。

■偽装工作をする理由はあるのか

 石田氏と鈴木氏の裁判は終了しており、石田氏の味方をする人たちがそのようなことをしてくる理由があるのかという疑問もある。その点、石田氏が虚偽の事実や、合成された写真を示してフジテレビで鈴木氏に関する情報を流したとあれば、名誉毀損で刑事・民事の責任を問われる可能性がないわけではない。

 また、石田氏がさまざまな活動をする上で、事件で虚偽を述べていたのではないかと言われることは活動をしにくくするものであろう。そのような点を考慮すれば写真①を連載(15)劣化した看板が語る真実で示した1997年撮影説から1996年撮影説へ変更させることは、予想されるいくつかのリスクを回避する方向へと働くのは疑いない。

 思えば、X氏は当初から不自然に石田氏寄りの主張をしていた。裁判で明らかになっている事情についてもプライバシーを守った方がいいと、暗に石田氏の過去に触れないように言ってきた。鈴木氏の女性歴も含めた過去を取材し、鈴木氏の落ち度を見つけ、発言が虚偽であることを明らかにすべきという趣旨のことも延々と書いてきた。

 それら様々な状況からX氏の情報(写真)は信頼性に欠け、真相解明を阻む意図を持って接近してきた可能性があると判断。8月2日、X氏に対して交渉を打ち切ることを告げ、今後、2度と連絡をしてこないように通告した。

■証拠を示さず”私を信じなさい”

 以上がX氏とのやりとりの経緯である。X氏が真実の情報提供者だったのか、それとも真実解明を阻止するための妨害工作をしようとした者なのかは分からない。また、最後まで1997年●月●日撮影の証拠は示されなかったため、写真①が1996年撮影なのかも不明なまま。

 X氏に2度撮影日の証拠を出すように求めたが、それには応じず「間違いない」と断言するにとどめる、いわば”私を信じて”という趣旨の返答をした。これは詐欺師がよく使う手口であることは、多くの人がご存知のことであろう。

第17回に続く)

第1回に戻る)

3 thoughts on “免職教師の叫び(16)情報提供装い偽装工作か

  1. アバター 月の桂 より:

    写真も謎ですが、X氏も謎めいた人物ですね。この事件の真相解明をしようとしている中、業務妨害とも言える行動です。
    真相解明に協力するような形で近付き、鈴木氏(仮名)サイドの動きに探りを入れているところから、石田氏寄りの人間と考えるのが自然でしょう。石田氏ご本人かも…。

    証拠も示さず自分の話を信じろなどという幼稚な発想にも驚きます。匿名希望とするのも怪しい。情報提供に本名を出す必要はありませんが、太郎や花子でもいいのではありませんか? 匿名は無責任だと思います。

    次回の記事をお待ちしております。

  2. アバター 真実 より:

    この写真が唯一の物証であるのなら、科学的に正確な分析はできないのでしょうか?合成であれば、データ解析すれば明らかになりますよね。

    X氏の自分の身分を明かさないでの情報提供は、何らそこに真実はないということです。マスコミへの情報操作は厳しく対応してもらいたいです。近年は、マスコミが迎合し、煽りの手伝いをしていることは許されないことだと思います。

    マスコミにおいては、事実を記事として掲載することを使命としてくださいね。

  3. アバター Pine apple より:

    ご自分のことも
    つまびらか(詳らか)にしていただきたいですね。
    Xさん。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。