太陽光発電の暴力老人 その人生(2)
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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太陽光発電設備の合同説明会で80歳のN・Hが住民を恫喝し、男性市議に全治2週間の怪我を負わせた事件で、”暴力老人”の人生を振り返る連載の第2回をお届けする。
■株式会社北商破産後に会社設立
N・Hの兄(N兄)が設立した株式会社北商が1980年1月に破産宣告を受け、代表取締役だったN兄は業務上横領で実刑判決を受け、1983年4月に懲役3年の実刑判決が確定した。これによりN兄は表舞台から姿を消すことになる。
北商破産後、N・Hの動きは判然としないが、1981年2月21日に東京都三鷹市に「福一産業株式会社」を設立し、取締役となっている(後に代表取締役就任)。事業の目的は27項目あり、(1)食品材料の卸売、(2)食料品のうち魚介類のみ販売、(3)不動産の売買、仲介、斡旋、(8)自動車及びその部品の販売、(9)自動車リース業及びその部品の販売、(11)自動車レンタル業、(17)金融業、(19)音楽著作物の利用、開発にかかわる業務、(24)経営コンサルタント業務、(25)労働者派遣事業、など、要は何でもあり、思いつくまま書き連ねたのではないかと思われるような内容となっている。
もっとも、(1)と(2)は食品関連、しかも魚介類の販売を入れるなど、破産した北商でのノウハウを活用しようという考えだったことは想像がつく。
80年代後半からは爆発的な人気を誇ったカラオケボックスの事業にも手を出したようである。1990年6月7日の日経流通新聞には、福一産業が節税対策商品としてカラオケボックスの販売を始めたという記事が紹介されている。企業が新規に取得した土地を更地にしておくと土地購入に要した借入金金利が4年間損金算入を認められないが、土地の上に鉄骨構造のカラオケボックスを建物として建築し、事業を開始すればその時点で金利の損金算入ができるというものである。記事では国税庁法人税課の「(建物と認められるかは)見てみないと何とも言えない」というコメントが掲載されており、土地の所有者にすれば何とも胡散臭さを感じる商品である。
こうした事業を行うだけの資金をどこから捻出したのか不思議に思えるが、後に破綻する第二地銀の国民銀行から融資を受けていたようである。国民銀行は政商・小佐野賢治氏が所有する国際興業の傘下の銀行であり、1982年(昭和57)頃、小佐野氏の紹介で取引を始めたという(読売新聞1999年12月1日)。
田中角栄元首相の刎頚の友とされる大物の小佐野氏とどのような接点があったのか分からないが、小佐野氏もN・Hも山梨県出身ということで、何らかの繋がりがあったのかもしれない。また、”カズノコ破産”した北商は自民党の議員に献金をしていたことは明らかにされており、その関係での繋がりの可能性はある。そうした事情にバブル期の金余りが重なったのであろう。後に国民銀行が福一産業に対する融資で焦げついた額は7億円とされている(読売新聞1999年11月30日)。
こうしたカラオケボックスの事業に手を出したN・Hはやがて(株)カミパレスという会社とともに事業を行なっていくことになる。登記を調べるとカミパレスと福一産業の所在地(東京都三鷹市中原1丁目)は同一で、後にカミパレスが提起した商品名の使用権に関する訴訟ではN・Hが代表取締役とされている。
■国民銀行を潰したカミパレス
このカミパレスは後に日本中で報道されることになる。1999年4月に破綻した第二地銀の国民銀行の乱脈融資先であったことによる。直接、間接を含め、返済能力はないのに250億円程度の融資を受けていたとされる。後に国民銀行の旧経営陣に対する民事訴訟が行われた際に、金融整理管財人によってカミパレスと福一産業の関係が請求原因の中で明らかにされている。
「カミパレス(株)は、同社の関連会社の福一産業(株)がオーナーから受注を受けてカラオケ店舗の建設や内装工事を行い、カミパレス(株)が当該オーナーからカラオケ店営業の委託を受け、オーナーに対して「委託料」と称する高額な家賃を支払うが、その際、福一産業(株)が家賃を保証する方法で営業を行っていた(高額家賃保証方式)。しかし、カミパレス(株)が経営するカラオケ店の多くは、高額な家賃支払い義務により経営を圧迫されて赤字。これを保証する福一産業(株)の経営も圧迫し、結局、当行(筆者注・国民銀行)から福一産業(株)への融資が増大。当行は平成4年(筆者注・1992年)11月、行員を派遣し両者の実態把握の調査を行い、その結果、福一産業(株)の粉飾が判明。その後も、数回にわたる調査により、両社は再建困難、融資を打ち切るべきなどの報告が経営陣に対してなされたが、その後も融資は継続された。」
このような事情があったにせよ、実業の世界で実績のないN・Hが100億円を超えるような大金を融資してもらえるとは考えにくい。それは、おそらく、以下のような事情によるものであろう。
カミパレスは、大物女性演歌歌手のI・Sがカラオケ事業に参入しようとしてその店舗を買った先として知られる。事業への参入を勧めたのがI・Sのパトロンとされる実業家のT・Mである。しかし、購入した1995年の時点でカミパレスは経営難に陥っており、購入した店舗も家賃滞納などの問題物件だったとされる(週刊新潮2003年4月10日号など)。
結局、カミパレスへの大掛かりな融資はI・Sを連帯保証人としたT・Mが主導したもので、融資を実行した当時の頭取は、国民銀行の大株主である国際興業の意向に逆らえず、途中から不正融資がバレるのを恐れて、融資を続けていたというよくあるパターンの泥沼にハマってしまったとされている。大規模な融資が行われたのが1997年7月から1998年6月までとI・Sによる事業参入以降であり、N・HはT・Mのダミーとしてカミパレスの社長に収まっていたと思われる。
債権を承継した整理回収機構は後に損害賠償請求を提起し、I・Sは2億2000万円、T・Mは約52億円の支払いを命じられている。N・Hはカミパレスの社長と称していたが、こうした訴訟の対象となっていないのは、実権を伴っていなかったからと思われ、N・HはT・Mのパペットだったのは間違いない。そもそもカミパレスの登記には代表者の名前がない。1999年10月にカミパレスは破産宣告を受け、登記を閉鎖する際に清算人が会社登記を行うという変則的な形の登記が行われている。そのことは少なくともN・Hは登記上の代表取締役ではなかったことの証明となる。なお、会社が破産した場合、法人には支払い義務がなくなる。こうしたやり方は北商の破産時の教訓がそうさせたのではないか。
また、前述したように国民銀行からの融資では前述したように福一産業に対する約7億円が焦げついた。この福一産業は二十一世紀コンサルティング株式会社という会社に商号を譲渡したが、譲渡人の債務は責に任じないとされ、二十一世紀コンサルティング自体も2003年(平成15)に解散した。結局、このような形で整理回収機構からの取り立てを逃れたものと思われる。
■会社を破産させて債務を逃れる人生
北商の破産、N兄の業務上横領についても相談を受け了承をしていたN・Hは罪に問われることはなかったが、カミパレス案件でも乱脈融資の頭取のように刑事責任を追及されることはなかった。
また、カミパレスの社長を名乗りながら、I・SやT・Mのように損害賠償請求を受けることもなかった。
乱脈経営を続け、経営が行き詰まったら会社を破産させて債務を逃れる。それがN・Hの人生であったと言えるのかもしれない。しかし、そんなN・Hも”お縄を頂戴”する時がやってくる。
(第3回・最終回へ続く)
(第1回に戻る)
>乱脈経営を続け、経営が行き詰まったら会社を破産させて債務を逃れる。
これが可能であったのは個人保証、連帯保証を行っていない、それが可能な国民銀行との特殊な関係、(そも融資自体)があったればこそなのでしょうね。
上場企業は取締役の個人保障は不要と聞いたことがあり、今調べて見ましたがやはりそうではないようです。
借入に関し余談を一つ。
バブル期、土地を転がしていた頃、ある不動産屋の紹介、というか利用してやって欲しいと中堅どころの不動産担保ローンを、裏にヤの字がいる匂い、でもアホで強気なあの頃~ アホ+バカ、、
借入を行い一仕事終え返済に、で、その金融会社の営業ではなく取締役が出てきて、
シャチョ~ もう少し使っていて下さい。と、いやおたく金利高いからね~、、いや、もっと使っていてと、
気が付いた、冗談の応答ではなく受け取らない、、返済するというのに受け取らない、、
で、若かった、咆哮! するとお定まり、ガタイのいいパンチパーマが出て来た、今はパンチパーマは見ないですね、
通常これで震え上がるのだろうけれど若かった(バカ← だったはつけない)
提訴する旨を伝え、ではなく啖呵、
その後金融業の免許に関し又蛇の道は蛇の話をなし精算可能に、、
弁護士に聞いたところ土地の担保設定を外すのに半年以上要すると、
資金繰りに余裕のない者は泣く泣く金融業者のいいなりになるしかない、
それなりの金を支払うとか、これが狙い、
借りた金を返すというのに受け取らない金貸しがいるとは、
事実は小説より奇なり、とは正に、
他のノンバンクの営業達から、シャチョ~ よく外せましたね~
あの業者,ヤの字ですよ、とおだてられ、これを武勇伝と悦にいっていた
バカ ← でした、はつけません。
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