新井祥子元町議 虚偽発言の理由は逆恨みか
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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群馬県草津町の新井祥子元町議(53)が虚偽の発言をしたと支援者に自白した問題で、なぜ、そのようなことをしたかという疑問が残る。その点について支援する会の会長だった中澤康治(やすじ)氏(88、草津町議)は、当サイトの取材に対して2019年の町議選での恨みが原因ではないかと語った。
■2006年に草津温泉で湯治開始
2021年2月から新井祥子元町議(以下、元町議)を支援してきた「新井祥子元草津町議を支援する会」(以下、支援する会)の中澤会長は、元町議が黒岩信忠町長から「町長室で押し倒され…」というのは虚偽であるとの自白を受けた。
なぜ、名誉毀損で罪に問われるのが確実な行為をしたのか、多くの人が疑問に感じる部分。その点について中澤会長は2019年の草津町議選後に自身が元町議にした話がきっかけになっているのではないかと感じているという。
その説明をするためには、元町議が草津町や町議会とどのように関わってきたかについて明らかにしておく必要がある。騒ぎの発端となった電子書籍「草津温泉 漆黒の闇 5」(以下、本件電子書籍、現在は販売打ち切り)にそれに関する記述がなされている。
元町議は群馬県桐生市の出身で、2006年に初めて草津温泉を訪れた。時間湯と呼ばれる温泉の湯治客であった。時間湯とは草津独自の入浴方法で江戸末期から明治頃に始められた湯治療法。3分間、1日に上限を決めて繰り返し入浴するもので、現在は「伝統湯」と呼ばれる。
時間湯に通ううちに地方行政に興味を持ち、2010年の草津町議選の補欠選挙に出馬。当時40歳、現在の新井姓ではなく「園田祥子」名義で、候補者5人中最下位の313票で落選している(選挙ドットコム・草津町議会議員補欠選挙 2010年1月24日投票)。
翌2011年に行われた草津町議選には現在の新井祥子名で立候補し、この時は定数12、立候補者13で最下位ながら当選した(選挙ドットコム・草津町議会議員選挙 2011年4月24日投票)。
この時に立候補から当選まで応援していた議員(G議員)が存在すると、本件電子書籍は指摘する。G議員は時間湯存続に賛成の立場で、時間湯に否定的な黒岩町長とは対立する立場であった。そこでG議員は元町議にある指令を出す。
「こうして町議に当選した彼女に課せられた使命は、『黒岩町長の悪口を新聞(議員が出す広報誌で、新井議員は『しょこたん通信』を発行していた)に書くように、さらに黒岩町長との会話を録音するように』というものだった。」(本件電子書籍、第三章◆新井議員を操っていたG議員の存在)
■町長反対派議員の力で当選
本件電子書籍は現在は販売打ち切りになっている。また、その内容は全面的に信頼できるものではない。そのため、あくまでも参考程度に考えていただきたい。
G議員、すなわち町長の反対派の議員から言われるまま議員としての活動を続けた元町議だが、黒岩町長に接するうちに敵対心は消え、好意が芽生えたという。
一連の経緯は自身が告白文書としてまとめられ、本件電子書籍の著者の飯塚玲児被告はそれを入手した上で執筆している。その告白文書は町長とのツーショットで腕を組む写真と共に本件電子書籍に掲載された。これは2019年8月に作成された文書とされており、便宜上、これを告白文書その2とする。
「けれども、私が本当に好意を抱いていたのは、黒岩町長でした。G議員に言われ、黒岩町長に近づくうちに黒岩町長を本当に好きになってしまいました。町長室で2人きりになった時に、私の気持ちが通じた時は本当に嬉しかったです。」(本件電子書籍掲載・告白文書その2)
このような経緯で、町議の任期切れ目前の2015年1月8日、元町議は黒岩町長との町長室での会話を1時間録音するに至ったのである。
同年4月26日、46歳になった元町議は2期目となる町議選に挑んだが、定数12で立候補者14 人の最下位で落選した(選挙ドットコム・草津町議会議員選挙 2015年4月26日投票)。
4年後、再度立候補。この時は黒岩町長の応援を受け、最下位ながら当選し議場に返り咲く(選挙ドットコム・草津町議会議員選挙 2019年4月21日投票)。この時のことを元町議は別の告白文書(2019年6月作成、便宜的に告白文書その1とする)で以下のように書いている。
「そんな黒岩町長は大変魅力的ですし、陰の存在でも良いので、ずっと一緒にいたいと思う方です。彼はいつも私を応援すると言ってくれました。私の選挙も全力で応援してくれました。だから私は彼の望む方向に動くことで期待に応えたいです。 二〇一九年六月七日 新井祥子 印」(本件電子書籍、第四章◆もう一通の告白文「今度こそ生まれ変わろうと決心したからです」)
■辛くあたるG議員の姿に違和感
ここで支援する会の中澤会長が関わってくる。2019年の選挙で11位で当選した中澤会長は時間湯存続に賛成の反町長派であり、2019年の選挙直後、異様な光景を目にする。
中澤:選挙のすぐ後、(町議会で)全員協議会がありました。その場で、議会運営委員長になっていたG議員がいきなり、新井祥子氏を名指しで批判を始めました。それで私もびっくりしまして、議会で人をこのように批判していいのかと思いました。
この中澤氏の証言は、本件電子書籍に書かれている事情からすれば合理的に説明がつく。つまり、町長と対立する立場のG議員のおかげで最初の当選を果たした元町議だが、2度目の当選時には町長の力で当選したのである。G議員からすれば、最初に議員にするために尽力した自分を裏切って町長派に寝返ったという思いをしても不思議はない。
そこで4年ぶりに議会に戻ってきた元町議に辛くあたったのではと予想される。その光景を見て中澤氏は以後、元町議に注目するようになったという。ここで中澤氏はある噂を耳にする。時間湯と選挙にまつわる話である。
中澤:時間湯の存続の問題があって、私は時間湯を存続させるべきと思っていましたが、町長は時間湯をやめる方向に進んでいました。その問題がある中、町長は新井祥子議員を(2019年の選挙で)当選させないために自分にとって反対派(G議員の仲間)に属する人のところに行って、立候補を促したというのです。その人は出る予定はなかったようですが、最終的には出馬しました。
2019年4月の町議選は定数12で立候補は13人。もし、1人でも立候補を取りやめていたら無投票で立候補者全員が当選することになる。中澤議員の話はどこまで本当なのか分からないが、噂は町内では知られている話であるとする。
中澤:新井議員は議会では町長に好意的な発言を繰り返していました。私は、彼女はその噂を知っているはずと思い、その話をしてしまいました。ところが彼女にはその話は初めてだったらしいのです。そこで、その立候補した議員のところへ、その噂が本当なのかを確認しに行ったそうです。それからちょっと、(元町議は考えが)変わられたのかもしれません。その後、9月に電子書籍が出ました。
噂が事実だとしても、元町議はもともと反町長派のG議員陣営に属し、自身の広報誌に町長の悪口を書くという指令を受けていたのであるから、町長から落とされるように対立候補を立てられても文句は言えない。それを根に持つなら、逆恨みと言われても仕方ない。
■2つの告白文書の変遷
こうして外部に明らかになっている客観的な証拠と中澤氏の話を照らし合わせると、中澤氏の話には一定の合理性が認められる。町長のお陰で議員に返り咲いた2019年4月から2か月後の6月には告白文書その1で町長派を高らかに宣言。肉体関係を仄めかす文言はない。
その後、中澤議員から「町長が別の人に立候補を促した」という噂を耳に入れたものと思われる。8月の告白文書で町長室での性交渉をほのめかす話が持ち出され、さらに1か月後の9月に飯塚被告から取材を受けて以後は、町長室で押し倒され、性行為を強要されたとエスカレートしていっているのである。
この点を中澤氏に再度、聞いてみた。
松田:町長を好きになったとしていますが、実際はどうなのでしょう
中澤:彼女はかつて、G議員の傘下にいたのですが、町長に近づくうちにだんだん惹かれて尊敬の念をもったらしいです。そのため、彼女は議会で町長に好意的な話をしていました。町長に好意を持っていたのは事実だと思います。
松田:町長を好きになったとして、それが町長室で乱暴されたという話にまで行くのはどうなのでしょうか。
中澤:それは私がその噂を彼女に話したのが、きっかけかもしれません。彼女からすれば、町長が裏切ったという思いだったようです。自分が味方して町長に色々とやってきたのに、何で私を(選挙で)落とそうとしたんだ、というのが最初のきっかけになったように思います。そういう意味では、私は、その噂を彼女に話して(元町議が虚偽を述べる)きっかけづくりをした責任があるように思います。
8月の段階で乱暴されたのではなく合意の上であるかのような表現になったのは、それまでの親町長派から一転する主張が告白文書その1との関係からも説得力がないと考えたのかもしれない。
■虚偽の発言に至る経緯を推測
本件電子書籍や客観的事実、中澤氏の証言を総合的に検討すると、元町議による虚偽の発言に至る経緯は概ね、以下のようになる。
①反町長派として議員になりながらも町長に好意を持ち、
②落選後に町長の力で議場に戻れたのに、
③町長に関する噂を聞かされ、
④それをきっかけに町長を貶める発言へエスカレート
以上は、あくまでも取材した事実からの推測に過ぎないことは断っておく。以上の点について元町議に取材を申し込み、文書で質問事項を送付したが、回答期限までに回答はなかった。
(提出した質問:中澤氏によると、新井様が町長から受けていない性的被害を言い出したのは、中澤氏が新井様に、町長が選挙で新井様を落とそうとしたという噂を伝えたことがきっかけではないかと話しています。その点についての新井様のご見解をお聞かせください)
当サイトとしては、元町議の見解を聞くため取材の依頼を続けていく考えである。
(※新井祥子元町議の肩書は、在宅起訴であること、まだ公判が開かれていないことから「被告」は使用せず、元町議で統一しました。)
草津町議選にやはり新井氏は出馬してますね。前回の補選に引き続き、元時間湯湯長の井田氏も立たれてます。このふたりを落とすためか、定数12名のところ14名が立候補してます。
新井氏はおそらく町長選の時の得票数を鑑みて余裕で当選出来ると皮算用してるのでしょうが、あれは嘘が暴かれる前の話。
果たして?
町議会議員は本当に町・町民の為になる事を考えているのか?
賛成反対は分かるが大人ならば妥協案なり探るべきであり数で押し通すのはどうなのか?
そういった裏側の行動で自らの足場を崩し、町のイメージを悪化させているとしたら新井氏だけの問題ではない
今回の選挙では町民ファースト、住む人が幸福になればサービスの質も上がるのでそういう方向に舵取りをしてもらいたいものですね
〉定数12名
失礼。11名でした。きちんと確認してませんでした。
新井氏の得票数が27でしたが、逆に27票も取れたことが驚きです。
でも新井氏のことだから、『町長のシンパによる落選工作のせいで落選した。選挙は正々堂々とやるべきで裏工作を駆使するとか卑劣』とか思ってるんだろね、きっと。