中嶋涼子氏がX非公開 取材要請に応じず

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 車椅子インフルエンサーの中嶋涼子氏が20日にXのアカウントを非公開とし、当サイトからの取材要請に応じなかった。東京都調布市のイオンシネマシアタス調布のグランシアターで関係者から事実上、入館しないように言われたことをX上で公開し、同シアターの運営会社が謝罪する文章を公表して注目を集めていた。アカウントの非公開設定は当サイトの取材申込みの直後に行われており、何らかの関係があったのかもしれない。

◾️アカウントを非公開に

中嶋氏Xアカウントから

 中嶋氏は3月15日に問題の発端となるポストを投稿、16日にはイオンエンターテイメント株式会社がお詫び文を公開した。その後、中嶋氏のポストには非難、批判の声が殺到、いわゆる炎上の状態となった。中嶋氏が運営するYouTubeチャンネルでは過去に新幹線の多目的室からライブ配信をするなど不適切な言動も明らかになり、さらに批判が増していた。

 当サイトでは第一報として17日に炎上しているのは「示された厚意を既得権化し、厚意の終了の通告が許されざる権利の侵害かのように扱い、さらに意見を述べる場で私怨を晴らすかのような中嶋氏の姿勢、振る舞いにある」のではないかという趣旨の記事を公開した(車イス女性の映画館トラブル”既得権と私怨”)。

 さらに翌18日には、消防法の観点から中嶋氏を擁護する趣旨のポストがあったために、それに対する反論と位置付けられる続報を掲載している(消防法で車椅子インフルエンサー排除 根拠なし)。

 当サイトとしては批判記事の掲載は個人攻撃が目的ではない。中嶋氏の話も聞き、双方の意見を紹介できる機会を探っていた。そこで20日午前10時過ぎに同氏のホームページLIFE ON WHEELSから取材の申し込みを行い、回答を待つことにした。回答期限は22日正午、質問の送付からおよそ50時間後に設定したのである。

 ところが、中嶋氏は質問を送付したその日にXのアカウントを非公開とした。非公開にした時刻は正確には分からないが、20日午後6時36分には非公開になっているという他者のポストがあることから、その時刻までには非公開にしたのは間違いない。当サイトの取材申込からおよそ8時間後の出来事である。

 さらに22日正午に設定した期限までに中嶋氏からの回答は得られず、23日午後5時の段階になっても返答はない。障害を持つ者として、映画館の対応を批判する声をあげたのは社会に問題提起をすることが目的であったと思われる。そうであるなら、なぜ、アカウントを非公開にし、また、取材に答えようとしないのか理解に苦しむ。

◾️中嶋氏への質問を公開

 残念ながら当サイトの取材に答えていただけなかったので、当サイトが中嶋氏に送付した質問事項をここで公開することにする。中嶋氏から何らかの反応があることを期待している。

★★★★★★中嶋氏への質問★★★★★★

(略)

 3月15日に発生した中嶋様とイオンエンターテイメント株式会社運営の施設での出来事、その後のXへの投稿、イ社のお詫びの掲載、出来事に関連すると思われる中嶋様のご事情につきまして、以下の点をうかがいたいと存じます。

 お手数ですが、メールもしくはお電話(★★★★★★)にてご回答いただきたく、よろしくお願いいたします。回答期限は22日正午でお願いいたします。

【質問事項】

Q01:中嶋様はれいわ新選組のやはた愛様とYouTubeで「トップレス会議」というチャンネルを運営されていましたが(現在は休止状態のようです)、中嶋様ご自身は、れいわ新選組とどのような関係なのでしょうか

Q02:3月16日にイ社は中嶋様がお相手と思われるお客様に不適切な発言をしたと認め、お詫びの文章を掲載していますが、中嶋様はその謝罪をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか、また、イ社から3月16日以降、何らかの接触がありましたでしょうか

https://www.aeoncinema.com/cinema/event/2024/vcmsFolder_2448/vcms_2448.html

Q03:SNS、ことにX上では今回の問題について中嶋様への批判が強いように感じられますが、その点について中嶋様のご認識と、それに対するお考えをお聞かせください

Q04:以前、新幹線の多目的室に長時間居座り、YouTubeの生配信を続けたとされていますが、事実であれば適切な行為であると考えていらっしゃいますでしょうか

Q05:今回の出来事以後、SNSなどでは、同じ障害を持つ人間として中嶋様の今回の行動で肩身が狭くなったなどの声も散見されますが、その点について中嶋様はどのようにお考えでしょうか

Q06:今回の出来事を情報発信したことで、障害を持つ方への日本社会がより良い方向へと向かうとお考えでしょうか、根拠を示してご回答ください

以上

★★★★★★以上、中嶋氏への質問★★★★★★

◾️障害を持つ方との共生

 イオンエンターテイメント株式会社は従業員の発言内容と対応について不適切であるとお詫びし、中嶋氏も黙っていられないと感じたからこそ、Xへの投稿となったのであろう。それならば世間からどのような反応があろうとも、堂々と思うところを発信すればいい。それを問題の投稿後には何も発信せず、しかも、取材にも応じない理由がわからない。

 中嶋氏を批判する人の多くは、障害を持つ方が生きやすい社会になればいい、そうなるために努力は惜しまないと感じていると思う。

JR水道橋駅(撮影・松田隆)

 信じられないかもしれないが、筆者も中嶋氏の投稿があった1週間ほど前にJR水道橋駅で視覚障害者の方に声をかけて手伝いをしている。同駅の東口付近で目の不自由な女性がどこに行けばいいのか分からず戸惑っていたので声をかけ、駅員に聞いて口頭で彼女が行きたいとする西口への行き方を示した。

 その上で「一緒に行きましょうか?」と声をかけたところ、その女性は「いえ、そちらもお忙しいでしょう。電車が来てしまいますから、どうぞ行ってください。今、お話を聞いて、自分で行けますから」と声がするこちらの方向に頭を下げてから、一人で歩き出した。

 申し出に謝意を示しつつも、相手に必要以上に負荷をかけないように自分ができることは自分でするという彼女の姿に胸が熱くなるのを感じた。後ろ姿もどこか凛としているように見えてくる。

 筆者がしたようなことは、おそらく誰もがしている。障害を持つ方との共生は、こうした相互の尊重、敬意をベースにすべきだと思う。健常者は障害を持つ方を全面的に保護すべきという考えは、尊重ではなく軽視である。障害を持つ方を(何もできない人)扱いしているに等しいからである。

シアタス調布(撮影・松田隆)

 そして障害を持つ方も、手助けを申し出た健常者に過剰な負担とならないように思いやる気持ちを持てば、より良い関係が生まれるのではないか。そのことで健常者の負担が減り、その結果、声をかけやすくするという効果も期待できる。

 こうした相互の尊重が共生の第一歩であると思う。中嶋氏に対して車椅子を利用する方からの批判が強かったのは、同氏の一連の言動がそうした共生のベースをぶち壊しかねない行為と映ったからと思われる。

 障害を持つ方も社会で不便を感じずに生きる権利は当然にある。しかし、権利を声高に叫び続け行政に認めさせれば、立法に配慮させれば我々の勝利、権利を勝ち取ったという姿勢をあからさまに取り続けることがより良い社会の実現に寄与するかと言えば、それは疑問である。社会にシステムの改善を要求するのは必要としても、障害を持つ方と、健常者や行政とはそもそも敵対する関係にはないという点を心に留めていただきたいと強く願う。

 そういったことへ中嶋氏の思いが少しでも表に出ていれば、今回のような炎上、騒動はなかったように思う。

"中嶋涼子氏がX非公開 取材要請に応じず"に3件のコメントがあります

  1. 匿名 より:

    伊是名夏子氏の時にも思いましたが、どうして「逃げる」んでしょうか。逃げられたら対話できません。対話できなきゃ当事者を知ることができません。「健常者は障害者への理解が足りない」などと不満を漏らしますが、理解してもらう気あるんですか?説明する気あるんですか?疑問に応じる気がないのは何故ですか?あなたみたいな人とどうやって対話すればいいんですか?

    ちなみにですが、「伊是名夏子氏や中嶋涼子氏みたいなのと一緒にするな!全員がこんなのと思われても迷惑だ!」と不満を訴えている車椅子障害者もいましたが、健常者との間で問題なく対話が成立しており、お互いに認識を共有しているシーンもみかけました。
    対話が大事と言うのは健常者障害者関係なく共通認識なので、是非とも「逃げ」ずに対話をしてほしいですね。

  2. 野崎 より:

    松田氏はファシスト陣営から明確に敵と位置付けられており、ある意味当然ではある。

    吉野屋常務の首を見事に打ち取った若き女ファシスト戦士とは異なりまだ新兵?(戦歴の浅い兵士?)社長さんとお話しを!なら楽勝だ、社長さんが頭を下げて来るのは明確だ。
    相手が松田氏は荷が重すぎたか、

    同じく、石井孝明氏も奴バラファシスト陣営に敵として以前より捕捉されている、(いた)
    そして今月11日の攻撃である。

    ■フリー記者「言論を圧殺」
    >埼玉県川口市などで暮らす在日クルド人らが、「X」(旧ツイッター)で「テロ組織の一員」などと投稿され名誉を傷つけられたとして、フリージャーナリストの石井孝明氏に500万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

     石井氏は提訴を受け、「言論を圧殺し、問題解決を妨げる行為。原則として自分の取材や告発などを編集したものしか伝えていない」などとコメントした。

    松田氏にもリスクはある。いかに注意しようとも攻撃を避け得ない時もあろう。
    団塊の世代の爺さん達は持ち時間がない。若い衆達の支援を信じている。

    この提訴と車いす問題は脈絡があるのである。
    何回もコメントしたファシスト共の暗黙の呼応、それは社会に差別は許さないという空気、KYのKを形成する目的において、社会にエートス、ルールーオブニューマ(故小室直樹氏のいう)を形成する為である。
    一犬虚に吠え万犬これに応じファシスト共、仲間内の集合意識を強化する為でもある。

    御返信は不要です。

    ご返信は不要です。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      確かに僕を敵視している人々はいると思います。どういう人たちかというと「リベラルを自称しながら敵対する者の人権抑圧に何の痛みも感じない人々」でしょうか。石井孝明氏も今は大変な状況のようですが、彼も批判の声に怯むタイプではないので、これからも信じる道を突き進むと思います。

      野崎様から応援の声をいただけると、力が出てきます。どうかこれからもよろしくお願いいたします。

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