生徒”見せもの”批判に松原氏「本人が公開希望」

The following two tabs change content below.
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 教育系YouTuberの松原一樹氏らが障害を有するように見える生徒を出演させ”見せもの”にしているとする問題の続編をお伝えする。松原氏は当サイトに対して本人が望んでいることを理由に公開に問題がない考えを明らかにした。また、生徒の将来への悪影響や関係者が受ける苦痛などを指摘する声も認識した上で配信しているとの説明がなされた。

◾️キーワードにされた「虚言癖」

左から森田氏、X君、松原氏(森田氏チャンネル画面から)

 松原氏と「モリテツ」こと森田鉄也氏が指導するX君は「受験生版令和の虎(Tiger Funding)」出演時のタイトルに「虚言癖」というワードが入れられたように、そのような兆候が素人目にも感じられる。

 具体的には自分を実際以上によく見せたいという思いから虚言を話す演技性パーソナリティ障害などが素人目にも疑われ、多くの視聴者もX君の行動の異常さを感じているのは間違いない。そのことはYouTubeのコメント欄にも現れていることは、前回、指摘した(教育系YouTuber松原•モリテツ氏 生徒”見せもの”)。

 当サイトでは、森田氏らが2年以上にわたりX君を自身の番組で取り扱い、虚言癖や通常人より劣る理解力、表現力を”晒す”形で動画配信をしていることは、X君にとってデジタルタトゥーを刻み込み、その将来に悪影響を及ぼすものであると考えている。そのため、森田氏・松原氏には教育に携わる人間として守るべき倫理観を発揮することを望んでいる。

 両氏には9つの質問を投げかけたが、森田氏からは何の連絡もない。松原氏も期限内に文書での回答を寄せなかった。しかし、松原氏とは質問を送付する前に電話でやり取りをしており、X君への指導についての考えを聞くことができた。それを今回、紹介する。

◾️松原氏「本人が公開望んでいる」

 松原氏との電話でのやり取りは以下のとおり。

ーー YouTubeでのやり取りや、コメントなどを見るとX君は発達障害など、何らかの障害を持っているように見えますが

松原:障害を持っているかどうかは医者の判断になってしまうと思いますし、また、僕もまだ公にしていない意図がありまして、それは今は誤解されている方が多いと思いますので、ゆくゆく打ち明けなければとは思っています。

ーー 松原先生がX君の個人情報について、たとえば病歴があるとか明かせないというのはそれは分かりますが、言葉は悪いですが(番組内で)笑いものにしている、見せものにしている、と私には受け取れるし、そう思っている方はYouTubeのコメントを見る限りかなりいらっしゃるように私には見えます

松原:そう見るのは自由だと思います。

ーー もちろん、そう見えていますから、これは教育をされる方としては不適切ではないのかなと…

松原:そういうふうに取られてしまう方も多いんじゃないかなと思いますが、結果が見えるものであるので。

ーー 教育者としてこのやり方は非常にまずいと思いますよ

松原:それはご意見があるのは分かっていますが…

ーー 非常に社会的な責任は問われると思いますよ、先生のやっていることは。それはご自覚された方がいいと思います

松原:こちらもちゃんと意図があってやってますから。

ーー 意図があるかどうかではなくて、やってることによってX君の将来に傷がつく、あるいは同じような病気や障害を持つ方がどれだけ辛い思いをされるかということを考えていますか

松原:考えてますよ、もちろん。

ーー 考えた上でやってるんですか

松原:もちろん色々なことを考えてやってますが、いずれ結果が分かると思います。彼自身がやりたいって言ってることを、止めることは難しいと思っていますし、逆にある意味、彼自身が(進むべきは)学校の道ではないのかなと気付いてもらえる方向もひとつ、示していこうかなと思っているところなんですね。

ーー それは別に公開する必要はないですよね、動画で

松原:「それは」って、何ですか? 「それは」とは何を指していますか。

ーー それによって彼がどれだけ将来辛い思いをするか、同じ障害を持っているであろう人のご家族の方たちがどれだけ辛い思いをされるかと考えれば、公開せずにやったらいかがですか

松原:彼自身が公開してほしいという強い意思を持っていますから。

◾️デジタルタトゥーを刻み込む行為

 以上のやり取りから松原氏に関して、以下の点について明らかになった。

(1)X君を笑いもの、見せものにしていると感じる視聴者が多いことは認識している。

(2)公にしていない意図があり、いずれ(笑いものなどにしていないことは)分かる。

(3)X君の将来に傷がつく、同種の障害を持つ方が辛い思いをすることも考えた上で行っている。

(4)教育者として、このようなやり方は良くないという意見があるのは認識している。

(5)X君が公開を望む強い意思を持っているので公開している。

 松原氏の説明には疑問が残る。X君が見せものにされているという声があること、デジタルタトゥーとして残ること、同種の障害(や疾病)を持つ人の家族などが辛い思いをすることを認識した上で、動画配信を続けているというのである。そしてそのような方法が良くないという批判の声があることも認識しているとした。その上で、公開した理由の1つにX君自身の公開を希望する意思があるとする。

 森田氏・松原氏のやっていることは、障害や疾病をもつであろう者にデジタルタトゥーを刻み込むものと言える。それによってX君は就職活動などで影響を受けるかもしれず、それ以前に周囲からの偏見の目で見られることもあるかもしれない。さらに、この種の動画配信が社会での偏見や差別を助長しかねないことは、一般人の感覚で容易に理解できる。

 いくら本人が公開に強い希望を持っていても、本人の将来を考えて公開しないのが常識ある社会人というもの。X君は通常人が持つ理解力、判断力を持っているか疑わしく、また社会経験もなく、公開されることで自らが受ける将来の不利益を正確に予測できているとは思えない。そのため、周囲の大人が本人の利益を考えた上で判断すべきで、特に教育業界にいる人間であれば、その点への考慮は必須である。

 前回も触れたが、森田氏・松原氏らの行為は、かつて障害者などを見せものにして金を取っていた見せもの小屋の発想と大差ない。

◾️最低限のモラルを

森田氏とX君(同氏チャンネル画面から)

 松原氏の話を聞いて思ったのは、森田氏を含めてX君の将来よりも、再生数を稼ぎたいという思いが優先しているということである。

 電話でのやり取りでは明らかにしなかったが、松原氏は取材に回答するとしていたが、結局、守られることはなかった。代わって、松原氏か森田氏のいずれかのチャンネルで意図を説明するという申し出がなされた。回答すると言って回答しない取材者を欺く行為、それ自体が非難に値する。

 そして、上記の電話でのやり取りの公開を控えてほしい、説明する動画の公開後にオファーがあれば取材に応じるから、その時は記事にしていいという提案をしてきた。松原氏の真意は分からないが(約束を守らない上にこれを利用して再生数稼ぎか)と感じる人は少なくないと思う。森田氏に至っては、教育者として最低限の説明責任も果たしていない。

 両氏には「教育業に従事する人間として、最低限のモラルを持て」と言うしかない。動画を公開し続けていることは、X君や関係する人々の被害が現在進行形であることを認識してはどうか。

(この項おわり)

教育系YouTuber松原•モリテツ氏 生徒”見せもの” に戻る)

    "生徒”見せもの”批判に松原氏「本人が公開希望」"に4件のコメントがあります

    1. 通りすがり より:

      >X君が公開を望む強い意思を持っているので公開している。

      第三者視点で見れば誰でも思うことでしょうけど…
      おおかたこのX氏に関する動画で得た収益から、X氏へいくばくかの小遣いでも渡してるんじゃないですかね?
      X氏も小遣いがもらえるので公開を容認している、といったところではないかと推測します。
      こういった動画に出てお粗末なエンタメとして利用されることによる自分自身の将来へのリスクと、出演料的に貰える小遣いの金額の多寡を天秤に掛けることすらできないと思いますし。

      はたまた完全な「仕込み」である可能性も排除できませんが。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        確かに収益の一部が流れている可能性はありそうです。そして、この種の動画が流れることで自身の将来に悪影響が及びかねないという事実に、X君は気付いていないと思います。だからこそ、松原氏らの行為は許し難いと感じます。

        教育事業に携わる人間が、このモラル。怒り・憤りをおぼえます。

    2. 野崎 より:

      無償の行為

      論理の体を成していない詐欺師、犯罪的行為である。

      >X君が公開を望む強い意思を持っているので公開している。
      望みがあるなら、その望みがいかなるものであっても考慮しないということだな、覚せい剤を試して見たいという強い意思をもっているならその望みをかなえてやる!ということだな。
      >X君を笑いもの、見せものにしていると感じる視聴者が多いことは認識している。
      逆説的にX君をさらしものにしているという自覚はあるということだな。

      動画により収益を得ているだろう、その金を何に使っている? 飲み食い、それとも風俗か?
      対価を得ている以上商売だ、無償の行為ではない。
      よって松田氏のいう処の
      >かつて障害者などを見せものにして金を取っていた見せもの小屋の発想と大差ない。

      その商売そのものだ(松田氏も解っていての上記の表現だ)
      さらに記事にもある様にデジタルタトゥーとして残る危険を伴っているのだ。

      ネットで見る若い衆の表現に、悲しい、悲しく思う等をよく見かける。
      何だこれは! このような表現は昔は無かった、、

      男なら(そろそろ日本でも使えなくなる~)何だこの野郎! ぶっとばしてやる!
      やきをいれてやる! だ!

      昭和を色々評価する声があるが、あの頃なら二,三発ぶん殴って鼻血を出したくらいは何ら、ほとんど全く問題にはならなかった、、山手線の中で大立ち回りをやっても大したことにはほぼならなかった(私)又痴漢もではあるが、、
      こ奴がそばにいたら、だ!

      ある意味昭和はいい時代であった、、

      御返信は不要です。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        過激なご意見・ご見解も含まれているようで(笑)
        障害を持つであろう者を見せ物にする、教育事業に携わる人間がそこに痛みを感じないのであれば非常にまずい事態であると思います。

        森田氏は全く知らぬ顔、実際に話した松原氏は社会通念から遠く離れた価値観を持っているように感じました。教育の世界もおかしな連中が入り込んでいるなという感想を持ちました。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です