五輪組織委 女性理事4割の差別解消策に不安

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会が、来週にも女性理事を11人増やす方針を固めたと、26日の朝日新聞電子版が伝えた。こうした積極的差別解消策は五輪開催や、その後の政策に影響を与えかねず、事実であれば看過できない事態と言える。

■男女を問わず優秀な人が原則

左下は橋本聖子新会長(同氏公式HPから)

 「女性理事11人増で比率40%実現へ 東京五輪組織委」(朝日新聞電子版2月26日付け)によると、今回の増員は森喜朗前会長の女性に関する発言を受け、橋本聖子新会長が男女平等の施策の一環として行う。現行の理事34人(定員35人)のうち女性が7人で約20%のところ、11人増員して定員45人とし11人全て女性を任命。その結果、女性理事は合計18人となり、女性の比率を40%に上昇する。また、組織委は男女平等推進チームを立ち上げるという。

 男女が平等なのは当たり前のことであり、女性の理事が半数近くを占めるのはいいことなのであろう。女性の視点も五輪・パラリンピックの成功に必要なのは言うまでもなく、その意味では悪くないのかもしれない。

 しかし、それが最初から女性の登用、比率4割ありきというのは目的としてはどうなのか。理事は五輪・パラリンピックの成功に寄与することが求められ、幅広い視点と高い見識、決断力、実行力が求められるのは言うまでもない。誰にでもできるというものではなく、男女を問わず高い能力を有した人材になってもらうべきである。

■アラン・バッキー事件 医学部に2年連続不合格

 もちろん11人の女性が全員、他の候補だった男性より優秀・適任だった可能性もある。しかし、現実問題として、今回、森喜朗前会長の女性を蔑視するかのような発言をきっかけに女性の橋本聖子会長が就任し、さらに女性の理事の比率を40%にするというのもその流れであるのは間違いなく、その可能性は決して高くない。そもそも男性理事の候補がいたのかすら分からない。

 要は大会の成功のために優秀な理事を補充するというより、世論に阿り女性理事の比率を高めるということであろう。これで大会運営に支障がないのか、疑問に思う。

 こうした積極的差別解消策はアファーマティブアクション(Affirmative Action)と呼ばれる。「差別を解消するため、過去に差別を受けてきた集団を優遇する施策。積極的差別是正策、あるいは積極的差別解消策」(基本講義憲法:戸松秀典 弘文堂 p121)と説明されることが多い。実際に米国ではこうした例が社会問題になっている。

 いわゆるアラン・バッキー(Allan Bakke)事件である。これは白人男性のアラン・バッキーがカリフォルニア州立カリフォルニア大学デイヴィス医学校に2年連続で不合格となったことで訴訟を提起したことに始まる。

 同学では定員100人のところ、16人をマイノリティー枠としていた。マイノリティー枠で合格した者の中にはアラン・バッキーより点数が悪い者が含まれており、そのような特別枠がなければアラン・バッキーは合格していたという主張をしたのである。

 これは連邦最高裁まで争われ、最終的にアラン・バッキーは入学を認められた。最高裁の判事9人のうち、入学を認めるとしたのは5人という綱渡りのような判決だった。これ以降、米国では高等教育機関における入学者選抜にマイノリティ枠は設けられなくなった(以上、参照:國枝マリ 21世紀のアファーマティブ・アクションー平等を求めるアメリカ高等教育ー)。

 判決は1978年、連邦最高裁のパウエル判事は「教育の場においてさまざまな人種から成る多様性のある学生環境は必要不可欠である。しかし今回問題になった入学試験制度はその多様性を確保するために必ずしも必要であるとは言いがたい。バッキーのように不当に入学を拒否されることは(合衆国)憲法修正第14条の平等保護条項に違反するとして認められない」とした(参照:土肥はるな グラッター判決とグラッツ判決の意義ー1978年バッキー判決をもとにー)。

■実力で決まらず性別で決まる理事なのか

 日本ではこうしたアファーマティブアクションに関する最高裁判決はないようだが、今回の女性理事のみ11人増員は、女性優遇のアファーマティブアクションであろう。このような前例ができると、本来、実力で決められるべき地位が性別で決められかねず、そのことが実務に影響を及ぼしかねない。

 森喜朗前会長をヒステリックに叩いた結果、能力の有無にかかわらず女性理事が性別だけを理由に任命されるのであれば、将来に禍根を残しかねない。本質的な議論が必要な時であったと思う。

3 thoughts on “五輪組織委 女性理事4割の差別解消策に不安

  1. アバター 野崎 より:

    ポリコネとも言えない敵の多面、波状攻撃である。

    敵とは何者か、何者達か、それは過日コメントした、無論私見であるが当たらずといえど遠からずの自負ありき!

    蟻の一穴から亀裂を拡大せんとす、一滴から二滴、、そして流れを作り奔流へと導かんとする、、守るべきものに確かに亀裂が拡大しはじめている、、無念である。

    女性差別とは別の切り口で、

    森氏はオリンピックにふさわしくないと、
    ならばジェノサイド中国はオリンピックにふさわしくない、どころかの問題ではないだろう。

    森氏を批判、自認に賛同したものは当然北京五輪ボイコットだろうな!
    北京五輪に参加する選手を批判して当然だ。
    選手の中にも森氏批判者いるのか、どうなのか、

    御返信は不要です。

  2. アバター トトロ より:

    森おろしの発端になった”女性は話が長い”と騒いでいるけど、ラグビー協会のワールドラグビーなどの対外交渉を一手に引き受けているの女性理事の斎木尚子氏で、その件で森氏に対してマスコミが質問した形跡が全くない。イラクで殉職した奥克彦氏のオックスフォード大ラグビー部人脈をフルに活かして、昨年コロナで中止になったウェールズ戦、今年6月に予定されている、スコットランドでのブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦を実現させて、その交渉力を見込まれて昨年9月から日本スケート連盟副会長に就任した。だから、今度のオリンピック組織委員会理事に就任した。本当は人数でなく斎木氏みたいな能力で選ぶべき。
    http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131226/plt1312261533003-n1.htm
    https://www.rugby-japan.jp/news/2019/06/29/49999
    https://www.sankei.com/sports/news/200922/spo2009220010-n1.html
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/89069

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>トトロ様

       コメントをありがとうございます。

       性別で地位を選ぶのはやはりおかしいですよね。もちろん「男だからという理由だけで出世する」というのも論外で、おっしゃる通り、能力で選出すべきと思います。アファーマティブアクションを導入するような状況ではないと僕も思います。

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