池江璃花子選手守った政治家を批判 アエラの愚

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 西村康稔経済再生担当相が競泳の池江璃花子選手の「活躍を見たい方もいる」と発言したことをAERA dot.が批判した。もともと池江選手のTwitterやインスタグラムに五輪を辞退すべきなどの書き込みがあり、それに本人が理解を求めるコメントをしたのがきっかけ。AERA dot.は責める相手を間違っている。

■NHKの日曜討論での西村担当相の発言を批判

東京五輪は無事開催されるのか(撮影・松田隆)

 問題の記事は「東京五輪『池江さんの活躍を見たい方もいる』西村担当相の発言に反発の声が続出」(AERA dot. 5月10日公開)。西村担当相がNHKの日曜討論に出演し、以下のように発言したことに反発の声が続出したというもの。

「国民の皆さん、様々なお気持ちを持っておられると思います。感染が広がるのではないかという不安の声もあると思いますし、一方で池江璃花子さんのああいう本当に頑張っておられる姿を見て活躍をする場面を見たい、マラソンも見たいと思っている方もおられると思います。」

 この発言に対して一般紙の政治部記者が、池江選手の名前を出す必要はないとし、「西村さんの発言で、池江さんが五輪開催に向けての切り札と受け取られかねない。アスリートを巻き込むべきではなかったと思います」とコメント。

 さらにSNSやネット上でも同相への反発の声も上がっており、「開催する為の盾に使われれば個人の選手はたまったものではない。全く選手ファーストにもなっていない」といった声が紹介された。

 筆者の梅宮昌宗氏は「五輪開催に賛成、反対の声は様々だが、アスリートを巻き込むような発言は自制するべきだろう。辛い思いをしているのは選手たちであることを忘れてはいけない。」と締めている。

■五輪反対派が書き込みしなければ何もなかった

 この記事の主張は明らかにおかしい。そもそも西村担当相が「池江選手の活躍を見たい方もいる」と言ったのは、池江選手のTwitterやインスタグラムに五輪を辞退すべきなどの書き込みがあったことに対し、同選手が7日に「オリンピックについて…正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。」という趣旨のツイートをしたことに起因する。

 五輪の開催の是非に関して、個人がさまざまな意見を持つのは自由。しかし、五輪を目指し、大袈裟でなく生死の淵から帰還して出場切符を掴んだ池江選手に、五輪開催には何の権限もない選手のSNSに、「代表を辞退しろ」「中止を呼びかけろ」という趣旨の書き込みをすることの卑劣さは責められるべきである。

 西村担当相は、そうした五輪開催反対派の常軌を逸した行動に対して自制を呼びかける意味でも個人名を出したものと思われる。そもそも反対派が卑劣な書き込みをしなければ、同相も個人名など出すことはなかったことぐらい分かるであろう。

■目的は東京五輪中止、手段は適正だったのか?

 ここで東京五輪反対派の目的と手段の関係をまとめてみよう。

目的:東京五輪を中止にする

手段:池江選手のSNSに辞退するように書き込む

池江璃花子選手(同選手Twitterから)

 ご覧の通り、目的は個人の考えであり、そう主張するのも勝手であり、今の時期それは一定の説得力を有する。しかし、そのための手段が目的と全く一致していない。選手には五輪開催の決定権などない。仮に池江選手が言われた通り「五輪は開催すべきではない」「私は代表を辞退する」と表明したところで、五輪反対派は東京五輪中止の目的を達成することはできない。

 しかも、池江選手が五輪出場を切望していたことは出場権獲得時に涙を流して喜んだことから明らか。そうなると、池江選手への辞退を求める書き込みは、単なる嫌がらせとしか評価できない。そのような行為に、多くの国民は怒っているのである。

 西村担当相にすれば(個人に対して言っても意味がない。言いたいなら政府や東京都に言ってこい)という思いであろう。五輪開催については政府も苦しい状況にあるのは間違いない。そこへ何の関係もない選手へ攻撃が始まったら「その攻撃は意味がない、やめろ」と言うのはある意味当然。個人名を出してでも庇う、それが五輪を目指す選手への思いである。ある意味、選手ファーストでもある。

■梅宮記者は言うべき相手を間違う

 こうして考えると、筆者の梅宮昌宗氏の「アスリートを巻き込むような発言は自制するべきだろう。辛い思いをしているのは選手たちであることを忘れてはいけない。」という言葉は、まさに池江選手のSNSに辞退を迫る内容の書き込みをした人々に向けられるべき。梅宮記者はそこが理解できないのか、不思議に思う。

 それどころか「そのようなことをするな」と言った西村担当相を批判するのであるから、とにかく政府批判の原稿を書こうという程度の思いだったと評価されても仕方がない。

 このレベルの原稿を活字にしているのであれば、アエラ廃刊の日は近いかもしれない。

7 thoughts on “池江璃花子選手守った政治家を批判 アエラの愚

  1. アバター ぷんぷん丸 より:

    >梅宮記者はそこが理解できないのか
    → 理解できてたら、アエラの記者なんてやってませんて。

    アエラでこのレベル以上の記事、あります?

  2. アバター きなこ より:

    松田さん
    いつも鋭い視点からの考察に感服しています。また、テレビで扱わない事案について、勇気を持った真のジャーナリストとして、書かれる記事を楽しみにしています。
    今回の記事のコメントではありませんが、野田聖子議員の配偶者が元暴力団員であることについて裁判所が認定したことについて取材を期待します。
    由々しき問題ではないかと松田さんも感じているのではないでしょうか。

  3. アバター 野口利彦 より:

    AERAが言いたかったのは、単に現役閣僚を非難すること。オリンピック開催の有無を判断するのは主催者であって、参加者ではない。もし仮に中止となった場合でも参加者は粛々と事実を受け止めるだけだろう。むしろメディアは参加者に過度な負担がかからないように、SNSの暴走を止めるべきではないのか。政権批判・与党批判のためだけの批判は何ら建設的ではない。

  4. アバター 普通の人 より:

    こんにちは、松田様。先日はお忙しい最中コメントを返していただきありがとうございます。

    今回の池江選手との記事の関連性は薄いですが、目に止まる記事がございましたのでコメントさせていただきました。

    伊是名氏擁護動画にも参加していた石川優実氏がTwitter界で騒がしくなっております。
    経緯を追うと、伊是名氏と同じように手法が良くないのを指摘されても、開き直り自身の正当性を主張ばかりと第二の伊是名氏とも見れるような火種を抱えております。

    https://news.nifty.com/article/domestic/society/12156-1060892/

    リンクを貼りましたので、松田様の記事の材料、もしくは見解の資料としてみていただければと思います。

    一つこの騒動で気になったのが、石川氏を「1人の女性によってたかって嫌がらせするな」と擁護している連中が、同じく1人の女性として池江選手をスルーしてる方が多いのが不思議です。やはり社民党政党絡みもあるのでしょうか。

  5. アバター トトロ より:

    この記者は、選手ではなく関係者にぶつける話を選手に向けている。
    例えば、お台場臨海公園でのトライアスロン、スイミングマラソン会場の
    赤潮対策をなぜ質問しない。毎年夏になると東京湾で赤潮が発生して、菌がうじゃうじゃ
    している海水で選手を遠泳させるのは何事かと福島の処理水とリンケージされて身動き取れずに開催中止の事態も想定できないか。
    https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/water/tokyo_bay/red_tido/red_tido.files/R2tokyo_akashio_sokuhou_20201208.pdf
    https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/water/tokyo_bay/red_tido/ewd_tido.files/akashio.pdf
    赤潮は、海水温の高さによる海底のヘドロからの大量の植物性発生ですので、水中フィルターは役に立ちません!
    https://www.sankei.com/tokyo2020/news/190823/tko1908230003-n2.html

  6. アバター 高山椎菜 より:

    おはようございます。
    もう実質AERAは廃刊同然じゃないでしょうか? 朝日新聞出版でもお荷物になってると推測できます。

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