新井祥子元町議「発言は虚偽と自白」支援団体明かす

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松田 隆🇯🇵　＠東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

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　群馬県草津町で町長に性的に乱暴されたとする新井祥子元町議（53）が、町長室で押し倒されたとする証言は虚偽であると支援者に認めていたことが３月１日、明らかになった。同町議の支援団体（既に解散）の中澤康治（やすじ）元会長（88）が当サイトの取材に対して語ったもの。支援者団体も２月28日付けで解散となり、元町議は孤立無援の状態となっている。

■支援する会「真摯に謝罪を」

中澤氏（左）と新井祥子元町議（支援する会フェイスブックから）

　新井元町議は2019年11月に発売された電子書籍「草津温泉　漆黒の闇 ５」の中で黒岩信忠町長と性行為をしたと証言し、メディアにも取り上げられる騒ぎとなった。その後、強制わいせつ容疑で告訴（嫌疑不十分で不起訴）したが、逆に全面的に否定する町長から虚偽告訴と名誉毀損で告訴されている。

　そうした中、「新井祥子元草津町議を支援する会」（以下、支援する会）が2021年２月に発足、会長に草津町議の中澤康治氏が就任し、支援活動を続けていた。

　ところが、2022年10月31日に元町議が名誉毀損罪及び虚偽告訴罪で在宅起訴され、さらに12月７日、電子書籍の著者で、名誉毀損罪で在宅起訴された飯塚玲児被告が、当該記事が事実に反すること、誤報であることを明らかにして「謝罪声明書」を発表。支援する会では元町議に真実を話すように働きかけたが、応じないため12月25日付けで、その活動を休止することとした。

　年が明けた2023年２月16日に飯塚被告の公判で、元町議が乱暴された日に録音し、町長にバレたと思い途中で録音を停止したとされる音声データを最初から最後まで復元したものが検察から提出された。それにより、元町議が主張する押し倒され、下着を脱がされなどの状況は全く発生していないことが明らかになった。

　これに加え、元町議が発行する「しょこたん通信」の2023年vol.1で、電子書籍での記述に沿って虚偽の証言をしてきたことを自ら認めるかのような記述がなされていることが問題とされた。

　こうした事態を受け、２月28日、会長の中澤氏は支援する会の解散を宣言する文書を発表。その中で「私たちはこの説明（町長が近づいてきたので録音を止めた）を信じましたが、実際にはそれはまったくの嘘で、町長との面談中ずっと録音がなされていたのです。…まずは、嘘の証言をし、あまつさえ刑事告訴まで行なって、黒岩信忠町長の名誉を深く傷つけたこと、そして支援者にも嘘を言い続け、支援者と世間を欺き続けたことを、まずは真摯に謝罪するべきでしょう。」と、その言動を厳しく批判した（参照・新井祥子元草津町議を支援する会の解散宣言全文）。

■押し倒されて…は嘘だった

　そもそも元町議の証言は二転三転している。2019年11月、事件が報じられた当初は町長室で押し倒され、肉体関係を結ばされたと、強制性交が行われた趣旨で取材に応じていた。ところが2021年12月13日に群馬県庁で記者会見に応じた際には、体を触られて不愉快な行為をされた、服の上から触られた訳ではなくて、それ以上の本当に性被害と言われる関係をもたされたとして、強制わいせつで告訴している。

　この時点で報道陣からも変遷を指摘されていたが、それに対しては電子書籍の著者が「肉体関係」という言葉を使っていたので、自分も記者会見で肉体関係という言葉を使ったなどと、にわかには信じ難い説明をしていた（参照・新井祥子元町議が一転「性交なかった」）。

　当サイトでは１日、中澤元会長と電話で連絡を取り、話を聞いた。まずは解散に至った理由を聞くと「新井祥子氏が『しょこたん通信』を出したのですが、それを見て、皆が『これはまずい』ということで、解散の話が持ち上がりました。」と説明。

　新井元町議のこれまでの言動の信憑性について聞くと「私も神様ではないので、（判断を）間違うこともありますし、２人のことだから判断するのが難しいのは確かです。私は電子書籍を見たり、議会で観察したりなどで、彼女を信じるに至ったのですが、そうした判断はすごく難しいものです。（何があったかは）最終的には司法の判断を待つしかないと思います。ただ、皆の意向もありますし、私の立場からすれば（支援する会は）解散するしかないということです。」と、苦しい胸の内を明かした。

新井祥子元町議（支援する会フェイスブックから）

　その上で、受けた被害についての話が変遷している点について、支援者としてどのように受け止めているのかを聞いた。

松田：町長室で押し倒されて、というのは事実なのでしょうか

中澤：私が聞いたのは、押し倒されてどうのこうのっていうのは、どうも嘘だったと。彼女もそこは嘘だったというようなことは言いました。

松田：彼女自身がですか

中澤：彼女自身から。

松田：それは先生（中澤氏）とお話されているときにですか

中澤：そうです。それがその押し倒されて云々というところは事実ではない、というようなことを言ってました。

松田：それはいつ頃ですか

中澤：（正確な日付は）忘れてしまったのですが、最近ですよ。

松田：それは（支援してきた）先生としてもショックだったのではないですか

中澤：それはショックです。僕も信じていたものですから。（その後）色々と悩みました。

松田：確認ですが、嘘だったというところは間違いなく聞いていますね

中澤：（新井氏の話に）嘘だったという点があったことを、私も認めます。

■後は司法に任せて…

　上記のように、元町議が虚偽を述べていたことが明らかにされたことで、支援する会の賛同者の中には怒りを露わにする者も少なくない。同会のフェイスブックでは罵倒に近い表現で批判する者も出ている。元町議の話に乗って町長や町の体制そのものを批判していたものが、根底からひっくり返されたのであるから、その気持ちも理解できようというもの。

　それを考えると中澤氏は極力、控えめに語っているのは、今まで支援してきたという思いがあるからなのかもしれない。最後に現在の気持ちと今後についても聞いた。

松田：今、新井元町議に対してどういう思いを持っていますか

中澤：ある人は「謝罪して服役しろ」という趣旨のことを言っています。それはその人の考えで、私は１％でも理由があれば、我々の判断で彼女の首を絞めるような行為はリンチに近い方法ですから、やるべきではないと思っています。後のことは司法の判断に任せた方がいいと思います。

松田：支援者を裏切ったということで、腹立たしい思いはありますか

中澤：私は自分はできるだけ嘘はつかないようにしていますが、他の人に対してまでそれを強要していません。（支援する会の）副会長からは「会長は（元町議に）謝罪をさせたり、反省させたりする立場にある」と言われますが、私は「自分の信条としてできない」と言っています。

　なお、この点について元町議に問い合わせると「取材は質問事項をまとめて文書にして提出してください。弁護士と相談して取材に応じるかどうか決めます」とのことであり、締め切り時間までに回答はなかった。後日、回答があった場合には、お伝えする。

■新井祥子元町議は６月に初公判

　新井元町議は現在、名誉毀損と虚偽告訴で起訴され、６月に初公判を迎える。支援する会の会長に対して、当初の発言が虚偽であることを認めているということは今後の裁判の行方に大きく影響するのは間違いない。

　メディアに大きく取り上げられ、一部の勢力はその訴えを信じ、草津町自体が女性に対する加害的な立場であるかのように喧伝した。元町議の虚言で町長だけでなく、町全体の信頼が失墜したと考えれば、その責任は重い。（※新井祥子元町議の肩書は、在宅起訴であること、まだ公判が開かれていないことから「被告」は使用せず、元町議で統一しました。）