原口一博議員ら 卑劣ツイート後削除・逃亡

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 立憲民主党の衆議院議員の山井和則氏(58)原口一博氏(61)が12月18日、卑劣なツイート・RTをした後に、当該投稿を削除して”逃亡”した。TBSの元ワシントン支局長の山口敬之氏の民事訴訟の判決に関するもので、その背景には表現の自由を制約しようという意図が感じられる。まともな政策論争を投げかけた相手に誹謗中傷で応えるものでもあり、見逃せない事態と言える。

■山井氏がツイート 翌日に原口議員がリツイート

野党の議員さんにもモラルを求めたい

 問題のツイートは山井氏が18日17時59分に東京新聞の記事を引用し、「元TBS記者に賠償命令 伊藤詩織さんへの性暴力:東京新聞TOKYO Web」とツイートした。これを原口氏が19日午前8時4分にコメントをつけてリツイート。そのコメントは「…東京地裁は十八日、『酩酊(めいてい)状態で意識がない伊藤さんに合意がないまま性行為に及んだ』と認定し、山口市に三百三十万円の支払いを命じた。」というもの。

 このツイートを見た人は、まさに投稿した日に東京地裁で判決があり、山口敬之氏が合意のない性行為に及んだことで損害賠償を命じられたと感じることであろう。実はこれは1年前の2019年の記事。たまたま記事の日付が12月18日だったこともあり、事情を知らない人は1年前の記事とは思わないであろう。この事案は控訴審(東京高裁)で審理中であり、また、山口氏が原告の伊藤詩織ジャーナリストを名誉毀損、虚偽告訴罪で刑事告訴し東京地検に書類送検されたことを山口氏が明らかにしている。

 こうした事情を無視したツイート・リツイートに対して批判のコメントが殺到、山井氏は18日夜から19日にかけてツイートを削除した。

■小沢一郎氏への批判に対する嫌がらせ?

 1年前の事件、しかも係争中の一審判決を伝える記事をツイート、リツイートしたのは何とも理解に苦しむが、その点を山口氏が自身のFacebookで事情を明らかにしている。山口氏は12月18日に公開されたデイリーWiLLオンラインの「『PCR至上主義』が招く日本の危機」という記事の中で、立憲民主党の小沢一郎衆議院議員が「PCR検査を国民全員に行うべき」とツイートしたことを批判。PCR検査の誤判定の可能性を考慮した場合に、日本の医療事情が破滅的状況に陥る可能性があると警告した。

 この記事が出た直後に山井氏が記事を執筆した山口氏を貶めるツイートをし、小沢氏の直系とも呼ぶべき原口氏がリツイートしたのである。

 山口氏の記事と、2人の国会議員のツイートの因果関係は証明されているわけではないが、1年前の記事を引用してのツイート、リツイートという不自然な行為は因果関係の存在を推認させるものである。

■小沢一郎氏を批判する表現の自由、それを批判する自由

 山口氏が国会議員である小沢一郎氏の政策に関する主張を批判することは、憲法21条1項で保障される表現の自由に含まれるのは間違いない。これに対して、山口氏の主張を批判する自由もまた、表現の自由の保障の範囲内であろう。

 しかし、国会議員である山井・原口氏が仮に山口氏に「そのような表現活動をするな」と脅しをかけてきたら、それは表現の自由に対する重大な制約となる。今回のツイートは、係争中の案件で一審で一部敗訴した内容のみを伝えるもの。それ自体は事実であるが、裁判は係属していること、山口氏が刑事告訴をして伊藤詩織ジャーナリストには虚偽告訴の容疑で書類送検されていることには触れず、あたかも山口氏が合意のない性行為を行なったと誤認させかなねい内容である。

 微妙ではあるが、両議員に名誉毀損罪(刑法230条)が成立しないとまでは断言できない。リツイートでも名誉毀損が成立するとした判例(大阪高裁判決令和2年6月23日)もある上、原口氏はコメント付きのリツイートのため、その判例を持ち出すまでもなく名誉毀損とされる可能性はある。

■卑劣なツイートで表現者を萎縮させたいのか

原口一博議員のツイッター画面より(山井議員は当該投稿を削除済み)

 名誉毀損罪の成立の可否は司法に任せるとして、問題はそのようなツイート、リツイートをした国会議員のモラルの低さである。議員なら政策で論争すべき。山口氏の主張がおかしいと思うのであれば、堂々と政策論争をすればいい。それを名誉毀損が疑われるツイート・リツイートで返すのであれば、国民は「単なる嫌がらせ」としかとらない。実際、山口氏はFacebookに「私の記事が気に入らないからといって無関係の一年前の記事をこうした形で拡散する。国会議員によるSNSを悪用した私刑(リンチ)ですね。」と投稿している。

 最も重要な点は、山口氏のいう私刑によって、表現活動をする者が萎縮する可能性があること。(小沢一郎の政策を批判したら、嫌がらせのようなツイートで攻撃される)と思えば、普通の人間は表現活動を躊躇する。表現の自由を守るべき国会議員が、国民を萎縮させる行為をすることは、民主主義と憲法に対する軽視、あるいは挑戦と言っても過言ではない。

 言論について、言論でもって対抗する対抗言論の原則を両議員は知っているのだろうか。SNSにおける発言に慎重さが求められることは、女子プロレスラーの自死事件で国民全体が認識したはず。その種のツイートをして、批判されたらこそこそと削除して知らん顔(山井氏)。山井和則、原口一博の両議員に言うべき言葉はただ一言「恥を知れ」である。

 両者には次の選挙でしっかりと責任をとっていただきたいと思う。

※伊藤詩織氏の呼称:通常、書類送検された時点で被疑者であり呼称を「容疑者」とすべきと考えますが、東京地検が書類送検の事実を明らかにせず、確認ができないことから「伊藤詩織ジャーナリスト」とし、適宜、「被疑者とされる」を冒頭に付します。書類送検の事実が確認できた時点で当サイトでは「容疑者」の呼称に切り替えます。

    "原口一博議員ら 卑劣ツイート後削除・逃亡"に6件のコメントがあります

    1. トトロ より:

      山野井、原口両氏は、刑事裁判は検察を裁く裁判も知らずに書き込みをしているの?
      日産自動車不倫裁判以降、東京高裁での判決は、通常だと来年9月頃で、来年の年末になってもおかしくなく、伊藤詩織起訴だと(虚偽告訴罪)1審の民事裁判否定を検察庁がすることも理解不能なの?
      山野井、原口両名は、日産自動車不倫裁判の性行為後2人で旅行行ったことと伊藤の
      お疲れ様メールの違いを国民の前でサッサっと説明しろ!
      銀座ときママのお疲れ様メール解説が一般的!
      https://www.youtube.com/watch?v=vl4jH2wCR7c

    2. スッパまん より:

      我が国の国会議員がいちジャーナリストによる政策への疑問に対し人格攻撃ともとれるツイートでそのジャーナリストの言論を封じようとするなんて、恥ずかしい極みである。反論があるのであれば、堂々と政策論争で反論すべき。・・・こんなごく当たり前の事が出来ない国会議員達には、ただただ呆れるばかり。これでは政権を任せられるどころか、立憲民主党の存在意義が問われて然るべき。国民の税金で私腹を肥やして有罪判決を受けたにもかかわらず、未だに権力とお金に執着している厚顔無恥な某議員が党の要職についているのだから、さもあらんと言ったところか・・・。

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>スッパまん様

         コメントをありがとうございます。
         原口氏はTwitterに関しては、あまり考えずに脊髄反射のような感じでやっているのだろうと感じます。

         彼も東大を出ているのですから、少しは国民の自由とか権利とか、そういった部分に気を配ってほしいと思います。自分の当選しか頭にないのでしょうね、多分。

    3. トトロ より:

      山井・原口両氏だけでなく、柚木みちよしも両氏と変わらない。
      山口氏に対する暴言を吐いている。
      山口氏は、検察審査会で不起訴相当が出されて元容疑者ではない!
      https://twitter.com/yunoki_m/status/1118871246471491585

      1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

        >>トトロ様

         柚木という議員もひどいですね。山口氏を元容疑者呼ばわり。それなら伊藤詩織氏も元容疑者ですよね。

         立憲民主党の議員など、このレベルなのだろうと思います。

    4. トトロ より:

      山井。原口、柚木だけでなく、大阪府寝屋川市を選挙区とする大阪12区から
      立候補する立憲民主党宇都宮ゆうこのSNSでの書き込みも酷い。
      この人達は、遠心分離器などがなくてサリン製造など不可能なのに
      警察情報垂れ流しで容疑者扱いされて人権無視された第一通報者の件を
      踏まえないマスコミと同じ。
      https://twitter.com/skyw12520970/status/1341636501797400578/photo/1
      https://www.news24.jp/articles/2020/06/26/07667834.html

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