伊藤詩織氏”真っ白”ではなく「嫌疑不十分」
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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ジャーナリストの伊藤詩織氏が虚偽告訴及び名誉毀損で告訴されたが不起訴処分となった問題で1月2日、不起訴の理由は「嫌疑不十分」であることが明らかになった。告訴したTBSの元ワシントン支局長の山口敬之氏が自身のフェイスブック上で明らかにした。
■山口敬之氏がFacebookで報告
山口氏は自身のFacebookで以下のように伝えた。
「私が某女を虚偽告訴と名誉毀損で訴えた件は、東京地検が昨年末『嫌疑不十分で不起訴』という結論を出しました。全く承服できないので、当然検察審査会に不服を申し出ます。」
「某女」とは言うまでもなく伊藤詩織氏のこと。本名を出した場合、伊藤氏サイドからの申し出でFacebookからの制約がかかる可能性が高いことから、あえて名を伏せているのであろう。
山口氏が伊藤氏を2つの容疑で告訴した件は不起訴処分となったが、その場合、告訴人は不起訴理由の告知を請求でき、それに対して検察官は速やかにその理由を告げなければならない(刑事訴訟法261条)。山口氏はその手続きを取ったものと思われる。
そもそも起訴するかどうかは検察官の判断に委ねられており、不起訴の理由は様々。法務省訓令・事件事務規程75条2項には、(1)被疑者死亡から(20)起訴猶予まで20の不起訴の裁定の主文が掲げられている。一般に馴染みが深いのは起訴猶予、嫌疑不十分、嫌疑なしの3つで、以下のように規定されている。
(20)起訴猶予:被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。
(17)嫌疑なし:被疑事実につき,被疑者がその行為者でないことが明白なとき,又は犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白なとき。
(18)嫌疑不十分:被疑事実につき,犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なとき。
伊藤氏は嫌疑不十分での不起訴であるから「証拠不十分で起訴しません」と検察官は判断したことになる。我が国では起訴された場合の有罪率は99%近くに達し、検察官は嫌疑があっても証拠不十分で無罪判決の可能性がある場合などは、起訴しないことが多いとされる。
伊藤氏は「今回の不起訴はすごく安心しました」(BuzzFeed:「『虚偽』と訴えられていた伊藤詩織さん、不起訴。性被害をめぐり、その思いは」から)と語っていたが、「あなたは真っ白です」ではなく「証拠が十分ではないから不起訴」と言われているのであるから、(すごく安心)するのは身勝手というものであろう。実際、山口氏も前出のFacebookで「注目していただきたいのは『嫌疑無し』ではなく『嫌疑不十分』だという事です。」と指摘している。
■山口氏は検察審査会への申立てを明言
不起訴の理由の告知は、書面によらなければならないとされており(法務省訓令・事件事務規程76条2項)、以前は上記の主文、たとえば「嫌疑不十分」などと書いたものが渡されていたようである。
しかし、検察審査会への申立てを行う場合、申立書に理由を書かなければいけないのに主文の告知だけでは申立てのしようがない。それもあって「1999年4月より実施された被害者等通知制度実施要領(検察庁)によれば、被害者等に対して、不起訴裁定の主文のほか、『不起訴裁定の理由の骨子』も通知されることとされている」(後藤昭・白取祐司編 新・コンメンタール刑事訴訟法第2版 p637 日本評論社)と変更になった。
山口氏サイドにはどの部分で証拠が不十分で不起訴になったという通知も行っているはず。その点の検察官の判断に対して不満であると、検察審査会法での申し立てを行う見込み。前出のFacebookで「(不起訴処分は)全く承服できないので、当然検察審査会に不服を申し出ます。」としている。
■刑事責任を問う局面も予断を許さない状況
嫌疑なしでの不起訴処分(裁定)であれば、検察審査会に申立てを行っても無駄であろう。しかし、嫌疑不十分であれば、検察審査会で検察が起訴しないことは相当ではないという判断が出される可能性はないわけではない。
以前にも書いたが、検察審査会で審査が行われた場合、最終的に検察官による起訴(41条1項2項)や、指定弁護士による起訴(41条の10第1項柱書き)もあり得る。民事で争われているこの事件だが、刑事責任を問う局面も依然として予断を許さない状況になっている。
『嫌疑不十分で不起訴』だったのですね。
伊藤氏の不起訴には納得出来ませんが、その理由が嫌疑不十分と知り、憤りも少し和らぎました。検察審査会での結論を期待します。
松田様は、誰にでも理解出来るように法律を説明して下さいますし、しっかり取材をされた上での正確な記事ですので、絶対的な信頼を寄せています。
伊藤氏以外の記事も至極当然な感覚で書かれ、偏りの無い真のジャーナリストだと思っています。
今年も松田様の記事を楽しみにしております。どうぞよろしくお願い致します。
*クリスマスローズとしてコメントを残しておりましたが、梅も好きなので、月の桂(つきのかつら)に改めます。
>>月の桂(クリスマスローズ)様
コメントをありがとうございます。
これでも最近はアンチからのコメントも増えていて、結構、苦労しています。同じことの繰り返しになったところで打ち切っていますが(笑)。
お褒めにあずかり光栄です。ただ、僕は特別なことをしているつもりはなく、法の定めにしたがって当たり前のことを書いているだけで、他のメディアがあまりに法に無知であったり、知らないふりをしているだけなのかなと感じます。
これから10年で多くのメディアが淘汰されると思います。それを楽しみに、日々、更新していこうと思っています。
はじめまして。いきなりの書き込み失礼します。この掲示板でボンと名乗る人物がいますが、先生のお力で徹底的に論破してやってくれませんか?ツイッターでもボンとやり取りしているのですが、先生がボンの書き込みを表示しなくなったことをもって勝利宣言していてゆるせないのです。あと、イラつくのがボンは法律の素人といいつつ細かいところで上げ足をとってくるのです。先生の見立てでは、ボンは法律の素人でしょうか?あと伊藤氏に偽証罪成立するってボンにツイッターでメール送ったら偽証罪は成立しないと言い切られましたがそうなんですか?無視が一番とは分かっているのですが、どうか一つ先生のお力を貸してください。
>>ゴルフ13様
コメントをありがとうございます。
ボンという人、いましたね。多分、法律は勉強していないと思います。全く分かってなかったですね、書き込みを見る限り。こちらの書くことも理解できていないようでした。
伊藤氏の偽証罪はないのでは? 法律により宣誓した証人として陳述した場面はないと思いますので(この部分、詳細は知りませんので、アバウトな話です)。
ありがとうございます。ボン結構粘着質で…多分しつこく書き込んでくると思いますが、やっちゃってください!偽証罪成立しないんですね…うかつでした…身分犯?がどうとか言ってたけど…確認すれば上げ足をとられずにすみましたね。あと、今日最後の質問を甘えついでに山口さんの不起訴は嫌疑なし?不十分?
>>ゴルフ13様
コメントをありがとうございます。
身分犯という言葉は知ってたんですね、その人は(苦笑)。確かに粘着質らしく同じ質問を何度もしてきたので、コメントはもうアップしないという趣旨を、こちらからコメントしました。法律を勉強している人なら、すぐに分かることを何度も聞いてきて、それに答えても理解できずという状況で時間の無駄だと悟りました。
山口氏については、申し訳ないのですが僕は知りません。伊藤氏サイドの弁護士は確認していると思います。それを表に出していないようであれば、どんな内容かは想像がつきますが。
こんにちは
>これから10年で多くのメディアが淘汰されると思います。それを楽しみに、日々、更新していこうと思っています。
米国大統領選におけるメディアの偏向は酷いものですね、もはや反政府活動の次元でしょう。
1/7 NHK19時のニュースにて 議会への乱入はトランプ氏の発言が招いたとの印象操作。
乱入前のトランプ氏のスピーチ映像、 この発言があったと。
その字幕 ★議会へ行こう!
同じく23時からのニュースで同じ映像。
その字幕 ★議事堂行こう! に修正。
さすがにまずいと思ったか、
彼ら左翼は呼応し合うのます。
70年代左翼達が歌ったインターナショナルの一節が浮かびます。
●海を隔てつ我ら腕(かいな)結び行く、いざ闘わん、いざ、奮い立ていざ、、
今言うグローバリズムは当時左翼が目指したインターナショナリズムに他なりません
フェイスブック、ユーチューブ、そしてツイッターのトランプ氏に対するアカウントの停止、、
情報をコントロールし洗脳を行う、ファシスト達が画策する一犬虚に吠え万犬これに応ず、の状況を作る、、
米国では新たなメディアが注目されていると、新たなSNSの台頭も、、
日本も同じと考えます。
松田さんのこれよりのご活躍を大いに期待しております。
御返信は不要です
>>野崎様
お久しぶりです。コメントをありがとうございます。
米大統領選は、すっきりしない決着でした。日本の投開票は非常にクリアなので、米国も見習ってほしいと思います。
実際、不正の証拠はなかったのですが、あったことが証明できなかったわけで、仮に不正があったとしたら民意を反映しない大統領の登場となります。オバマ、クリントンへの投票を大幅に超えるバイデン候補の得票というのはあまり信用できないというのが正直な感想です。
これに関する日本のメディアの動向も、また、感心できるものではありませんでした。
当サイトではこれからも客観的な意見を出して、社会にアピールしていこうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
松田さん
文言が足りませんでした(>_<)
>米国大統領選におけるメディアの偏向は酷いものですね、もはや反政府活動の次元でしょう。
米国のメディア、です。
米国の左傾化はベトナム戦争当時の反戦活動家が民主党に入ったため、との米国の著名な学者(名前を失念)による分析がありました。
日本と同じと考えます。
東大安田講堂の攻防戦、陥落後、当時盛んだったラジオ深夜放送にてメッセージが読み上げられた。
安田の城はおちるとも、我らはこれより社会の中枢に入り込み戦いを続けると、
当時からマスコミは左翼学生を応援していたのです。
バイデン氏にとって代わるとされる、カマラ、ハリス氏、マリファナの全面解禁、中絶の容認、ナンシーペロシ氏はお母さん食堂を憎むジェンダーフリーの人物。
He she father mother brother sisterを使わないとする規則を下院で可決させた、、、
アーメンの代わりにA-womenと唱える民主党議員も
彼ら左翼(私はファシストだと考えています)は国を超えて呼応しあうとコメントしました。
日本における左翼勢力があける蟻の一穴、その穴をさらに拡大せんとする動きに米国の変化は力を与えると考えます。
何としても普遍的価値観、自由を守らねばなりません。
御返信は不要です。
今晩は。相変わらずツイッターでボン氏とやりあっていますが、このサイトからは消えましたか?コメントあれから見当たりませんが。奴にダイレクトメールで控訴審で山口氏が勝つか、もしくは検察審査会で伊藤氏が起訴されたら敗北認めて、ツイッター辞めろと、逆なら俺が敗北認めてツイッター辞めるって持ち掛けようと思ってるのですが、勝算
私のほうが高いですよね?奴の粘着は一発勝たないとはがせないなと。
>>ゴルフ13様
コメントをありがとうございます。
ボン氏との件は、どうぞ、Twitterで思う存分やってください。ここを通じてのやりとりはご勘弁ください。この場は私闘の場ではありませんので、ひとつ、ご了解のほどを。
検察審査会がどう判断するかは全く分かりません。一般の人が決めるわけですから。ただ、検察官が起訴しない案件をひっくり返すのは簡単ではないと思います。可能性はもちろんありますが。一般人の考えですから、民事の結果も影響してくるかもしれませんね。
山口氏擁護派と伊藤氏擁護派が激しく争っていますが…控訴審の判決でどちらがピエロかはっきりするってことですよね。だったら控訴審の判決まで沈黙して、勝ったほうについたほうが賢いような…というのはずるいですかね?
>>テポドン粉砕様
コメントをありがとうございます。
冗談混じりとは思いますが、裁判所の判断を予想するゲームではありませんから、勝ち馬に乗るとか、そういう話ではありませんと申し上げておきます。
正義が為されること、真実に反することを言う者が得をする社会ではあってはいけないという思いで、僕は記事を書いています。
面白くない反応ですみません。
冗談交じりでもないんですよ。。。父が山口さん派、母が伊藤さん派でちょっと険悪なんです。母がこれみよがしに小林よしのり(漫画家で伊藤さん派筆頭?)さんの本を読んだことが発端ですが(笑)なんか控訴審で山口さんが勝ったら母謝罪、伊藤さんが勝ったら父謝罪ってことに。。。どっちに転んでも空気悪くなりますが…実際我々には真相は分からないので、裁判官の判断基準にするしかないんですよ。最高裁までいくかもしれないけどそんときはそんときです。