伊藤詩織ジャーナリスト書類送検とTBS元局員

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 伊藤詩織ジャーナリストが虚偽告訴、名誉毀損の容疑で書類送検されたことを、TBSの元ワシントン支局長の山口敬之氏が10月25日、自身のフェイスブックで明らかにした。山口氏は被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストから、性行為を強要したとされ損害賠償請求を提起され東京高裁で係属中だが、損害賠償を求めた女が逆に起訴・有罪とされる可能性が出てきた。当サイトの取材に対し山口氏は「大変、申し訳ありませんが、見通しなどは申し上げられません」と話した。

■警視庁から山口敬之氏へ「書類送検した」

正義が為されることを願うのみ(撮影・松田隆)

 山口氏のフェイスブックによると、昨年6月、伊藤詩織ジャーナリストを虚偽告訴(刑法172条)と名誉毀損(同230条1項)で警視庁に告訴(刑事訴訟法230条)。山口氏自身が3度にわたる事情聴取を受けた後、7月に告訴状が受理されたという。さらに先日、9月28日に「書類送検した」という連絡を受けたことを明らかにした。

 また、被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストは9月23日にフェイスブック上で自身が9月に「警視庁から虚偽告訴、名誉毀損罪で取り調べを受け」たことを明らかにしている。

 書類送検の事実は間違いないと思われるが、念のため東京地検に問い合わせたところ「個別の案件についてはお答えしていない」(広報担当者)とのことであった。

■山口敬之氏 虚偽告訴と名誉毀損で告訴

 山口氏によると告訴した趣旨は以下の通り。

▶︎伊藤詩織氏が虚偽の犯罪被害を捏造して警察や裁判所に訴え出た上に、

▶︎「デートレイプドラッグを盛られた」など、裁判では一切主張していない事を含め、ウソや捏造や根拠のない思い込みを世界中で繰り返し発信して、私(筆者注:山口敬之氏)の名誉を著しく毀損し続けているから

(※山口敬之氏フェイスブックページから)

 伊藤詩織ジャーナリストによる名誉毀損については、デートレイプドラッグを盛られたなど、事実と異なる内容の発言で山口氏の名誉を傷つけたのは明らかであろう。

 この点は、公共の利害に関する場合の特例(刑法230条の2第1項、第2項)から事実の証明をする、あるいは、真実性を誤信した場合には罰せられないが、被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストにそれが可能かどうか。現状では簡単ではないと思われる。

■虚偽告訴罪の故意 未必的認識で足りる

 虚偽告訴については2015年に伊藤詩織ジャーナリストが準強姦容疑で警視庁に被害届を提出した件についてのもの。当該告訴については不起訴処分、その後、検察審査会で不起訴相当とされている。山口氏は民事訴訟の場で、性交渉があったことは認めたものの、明らかに性交渉に誘ってきているものと理解した旨の主張をしていた。

 虚偽告訴は「刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴」等をすることである。虚偽告訴罪の成立には告訴が虚偽であることの認識が必要である。そのため、申告者(被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリスト)が真実と信じて申告した時は、故意を欠くことから犯罪は成立しない(刑法38条1項)。

 仮に故意がある場合、「未必的認識で足りる」とするのが判例(最判昭和28年1月23日)。その理由は「確信がないのにみだりに他人を犯罪者として告訴(発)を許すことは、告訴(発)が悪用される場合が多い上、それだけで刑事司法、懲戒作用を誤らせるだけでなく、個人の法的地位を危険にさらすことになる」(条解刑法第2版 p452 弘文堂)からである。分かりやすく言えば、犯罪成立に関する故意の有無は緩めに運用されているということである。

 名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金、虚偽告訴罪は3月以上10年以下の懲役。詳細な事情は分からないが、両者はおそらく併合罪(刑法45条)となるため、理論的には最長で懲役15年が科される可能性がある(刑法47条)。本事案でそのような長期の懲役刑はないと思うが、本人が法廷で全く反省を示さなかった場合には、被害者である山口敬之氏が受けた甚大な被害を考慮すれば実刑判決が出ても不思議はない。

■伊藤詩織ジャーナリストへの聴取、逮捕もありうる

 最後に逮捕なき送検だが、これは告訴を受けた司法警察員が、速やかに書類及び証拠物を検察官に送付しなければならないという規定(刑事訴訟法242条)によるもの。通常の逮捕の後の検察官送致であれば、勾留期間が10日と決まっているため(同208条1項、延長規定もあり)、その間に公訴提起(同247条、248条)をすることになるのが一般的だが、本件では勾留請求がなされていないため、そのような期限はない。

 実務では書類送検から起訴まで2か月程度かかると言われているようである。もちろん、その間、被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストへの任意の取り調べはあると思われ、家宅捜索や逮捕の可能性もある。

 今後の見通し等を含め山口敬之氏に取材を申し込んだところ「告訴中の案件でありますので、大変申し訳ありませんが、私からは見通しなどを申し上げることはできません」とのことであった。

 山口敬之氏と、被疑者とされる伊藤詩織ジャーナリストの問題は、新たな局面に入ったのは間違いない。しかし、この件に関し、主要メディアは一様に沈黙を守っている。

※伊藤詩織氏の呼称:通常、書類送検された時点で被疑者であり呼称を「容疑者」とすべきと考えますが、東京地検が書類送検の事実を明らかにせず、確認ができないことから「伊藤詩織ジャーナリスト」とし、適宜、「被疑者とされる」を冒頭に付しました。書類送検の事実が確認できた時点で当サイトでは「容疑者」の呼称に切り替えます。

"伊藤詩織ジャーナリスト書類送検とTBS元局員"に4件のコメントがあります

  1. 山口 秀明 より:

    お疲れ様です。
    「書類送検」と山口氏が公開し、伊藤氏も「取り調べ」を受けと有ります。マスコミは一方的に山口氏を糾弾してきた。日本だけで無い、海外に対してもアピールをしてきた。何故、マスコミは「書類送検」について報道しないのか?疑わしきは推定無罪の筈が徹底して糾弾して来たではないか!憤りを禁じ得ない!今回はマスコミに対して非常に腹立たしいです。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>山口秀明様

       コメントをありがとうございます。

      >何故、マスコミは「書類送検」について報道しないのか?疑わしきは推定無罪の筈が徹底して糾弾して来たではないか!

       全く、その通りです。今まで散々、不起訴処分の人を犯罪者扱いしていて、それが逆転したら、「推定無罪だから…」みたいな言い訳をするのでしょう。大手のメディアではほとんど報じられず、ネット(弁護士ドットコム)での報道が先行している状況を見ると、オールドメディアの必要性があるのかとまで思ってしまいます。

  2. 野崎 より:

    こんばんは

    今となってはブラックボックスが仇となる、、か、
    ブラックボックスは未読です、もとより読む気はありません。

    私は、伊藤氏は虚偽を喧伝していると認識しています。

    さらにこの問題は山口氏、伊藤氏両名の問題を超えて、
    既存の秩序を破壊せんとする、すなわち近代国家の構成要件を破壊し突破口を開かんとするファシスト共、日本を貶めんとする売国奴共との闘いであると思っています。

    山口氏が敗訴した場合、社会にあるエトス、空気が形成される。
    自由を圧殺せんとする今いうところの同調圧力が強まる。

    山口氏をレイプ犯とし伊藤氏を支持支援するジャーナリスト望月記者は同性愛の議員が増えればよいとし同性婚を容認する。(記者のツィッター)

    伊藤氏は結婚制度を否定し同時に多数との異性関係を認めるポリアモリーを容認している。
    いや、伊藤氏はポリアモリーをジャーナリストとして取材しただけだ、との擁護は当たらない。
    伊藤氏はポリアモリーを社会に流布している、した。

    伊藤氏の背後にいる勢力、仲間達は反社反体制的奴ばらであり、ファシスト、共産主義者だ。

    NHK・Eテレ バリバラ「桜を見る会」は安倍政権を揶揄する番組であり伊藤氏が出演した。

    異文化共生、多様性を認めろ、定義されていない差別、ヘイトは許さないとする現社会の崩壊を願う奴ばらの番組であった。

    中立性を欠く番組であると多くの批判を惹起した番組だ。
    再放送は中止された。

    >今回の「バリバラ桜を見る会」では「2019年度に多様性の推進に功績のあった方々」が「社会を動かした当事者とともに、社会の多様性を考える」という趣旨でスタジオに集結!とのこと。(今回のパリパラを評価するサイトからの引用、文脈からNHKの表明と思われる。)

    多様性の推進とは現社会の破壊だ。
    伊藤氏はそれを行う一員でありあり事実言論の自由を破壊しようとしている。

    願わくば山口氏の勝利を!

    御返信は不要です。

    1. 山口秀明 より:

      野崎様
      いつも返信を読ませて頂いています。全く同感です!
      色々と参考にさせて頂きます。ありがとうございます。

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