史上初の香港全G1制覇…レース数書いてよ
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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豪州国籍のザカリー・パートン騎手が4月26日にQエリザベスⅡ世C(芝2000m)を勝ち、史上初の香港の全G1制覇を達成した。ところがどの記事を見てもG1がいくつあるかが書いていない。一体、どうなってるの?
■JRA-VANも「全制覇」とのみ記載
ザカリー・パートン騎手はエグザルタントに騎乗してG1QエリザベスⅡ世Cを快勝し、全ての香港のG1を勝ったと報じられた。例えばJRA-VANでは「パートン騎手が偉業、史上初の香港G1完全制覇を達成」という記事を掲載している。ところが、香港のG1がいくつかあるのかが記載されていない。
JRAの記事は現地の主催者やメディアの記事から引用しているから仕方がないとはいえ、これはフラストレーションが溜まる。
それでは現地の媒体はどう扱っているかと言えば、まず、主催者の香港ジョッキークラブは「パートンが歴史を作った」という見出しの記事は掲載しているが、「香港の全てのG1を勝った唯一の騎手となった」と報じているものの、肝心のG1のレース数が記載されていない。
当然と言うべきか、現地の媒体も主催者がレース数を掲載しないから「全G1制覇!」という見出しを掲げるだけである。
■香港のG1は12鞍 昨年5月に王手
日本のメディアでは考えられないアバウトな報道。仕方がないので調べてみた。結論から言えば、香港のG1は12鞍ある。香港ダービーなど4歳三冠レースはローカルグレードのため格付けされていない。
パートン騎手の最初の香港のG1制覇はフェローシップで勝った2010年のスチュワーズC。そこから勝ち鞍を重ね、2019年5月26日のチャンピオンズ&チャターC(芝2400m)をエグザルタントで勝って全制覇に王手をかけ、その11か月後に残る1鞍を制したことになる。
日本のメディアなら普通はここまで書くが、基本的な報道への考え方が異なっているのかもしれない。
新記録にケチを付けるわけではないが、今年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で海外からの遠征馬はなし。昨年のこのレースは日本のウインブライトが制しており、パートン騎手はエグザルタントで2着だった。今年、日本勢が出ていれば、また違った結果だったかもしれない。