ディープインパクト産駒 7/2愛ダービーへ
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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ディープインパクト産駒の最終世代オーギュストロダン(牡3、愛A.オブライエン厩舎)が、7月2日のG1愛ダービー(芝12f)に挑む。快勝した英ダービーの再戦と言っていいメンバー構成で、前売りオッズも単勝1.4倍と断然の人気になっている。ラストクロップでディープインパクトの最高傑作と呼べる存在が誕生するのかもしれない。
◾️7年ぶりの英愛ダービー制覇へ
衝撃の6月3日の英ダービーからほぼ1か月後の7月2日に、アイルランドのカラ競馬場にオーギュストロダンが登場する。2016年のハーザンド以来7年ぶりの英愛ダービー制覇に挑む。
出走予定メンバーを見ると、ほとんど英ダービーの再戦といった顔ぶれで、興行的には新鮮味のないメンバー構成となっている。英ダービー3着のホワイトバーチが2番人気になりそう。今月上旬には陣営が愛ダービー挑戦を口にしており、予定通りの参戦と言っていい。そもそも英ダービーの最重要の前哨戦G2ダンテS2着からの英愛ダービー参戦という”王道”を歩んでいるのは心強い。
管理するJ.マーフィー調教師は非常に強気で「私たちは勝機があると思っている。彼は確実に良い方向に進んでおり、非常に良い走りが期待できる。当日は道悪の可能性があるが、ウチの馬は気にしない。他の馬はウチの馬より道悪は不利に働くはず。ウチの馬は実際に重馬場のレース(G3バリサックスS)を勝っている」と話している(SPORTING LIFE・Murphy eager for Auguste Rodin rematch with White Birch)。
それに続くのが英ダービー4着のスプリーウェル。G3ダービートライアルSを制覇した実績があるが、それでもオーギュストロダンを逆転するまでは厳しい。
よく分からないのが英ダービー最下位のミリタリーオーダー。ゴドルフィンの期待を背負って出走したが、残り3fでガソリンが切れたかのように失速し、勝ち馬から20馬身以上離されて大敗した。陣営では惨敗の理由を説明しておらず、手応えがなくなって無理をしなかった可能性はある。2年前のダービー馬アダイヤーの全弟という良血で、ガラリ一変があるとしたら、この馬かもしれない。
別路線としては、ナイトトゥキングにわずかに楽しみを見出せる。6月5日のデビュー戦は2着のミスターキングに7馬身半差をつける圧勝で、単勝1番人気に応えた。逆転までは難しいとしても、上位食い込みはあるかもしれない。
こうしてみると、オーギュストロダンが単勝2倍を切る1番人気になるのも分かろうというもの。普通に走れば、英愛ダービー馬の称号は自ずとついてくる。
◾️英ダービー後の活躍馬
英ダービーに出走した馬のその後を見ると、今年のレベルが分かる。キングオブスティールは英ダービーでは半馬身差の2着、直線で抜け出して勝ったと思われたが、オーギュストロダンに交わされて大魚を逃した。勝ち馬とは半馬身差であるが、3着とは5馬身近く離れていたことを思うと、この馬も相当強い。
2戦1勝で英ダービーに臨んだことで、半馬身差の2着もフロック視する向きもあったのは事実。しかし、6月23日のG2キングエドワードⅦ世S(芝10f)で、ハーツクライ産駒コンティニュアスに3馬身半差をつける楽勝劇を演じて地力の高さを証明した。現地報道では、この後7月14日のG1パリ大賞(芝2400m)に挑むとされている。
6着のワイピロは、6月22日のG3ハンプトンコートS(芝9f212y)を制している。こちらは香港でゴールデンシックスティの連勝を16で止めたワイククの半弟。
こうしてオーギュストロダンに負けた馬が重賞で勝ち星を挙げているところを見ると、今年は全体的にレベルが高い英ダービーであったと言えるのかもしれない。
◾️国際Sから凱旋門賞か
英ダービーの後、オーギュストロダンのA.オブライエン調教師は10fのレースや国際レースへの出走を口にしていた。現地ではG1エクリプスS、G1KジョージⅥ世&QエリザベスS、G1凱旋門賞などが候補として挙げられている。
さすがに7月8日のG1エクリプスSは愛ダービーの6日後なので出走は難しく、可能性があるとすれば7月29日のキングジョージの方であろう。それでも中3週は楽ではないため、8月23日のG1インターナショナルS(ヨーク、芝10f56y)の方がより現実的な選択肢ではある。
10月1日のG1凱旋門賞(パリロンシャン、芝2400m)は有力な候補ではあるが、陣営は道悪には懐疑的な様子なので、11月4日のG1BCターフ(サンタアニタ、芝12f)に目標を変更する可能性はある。
愛ダービーを勝てば秋に繋がり、欧州年度代表馬の座も近づく。今後の欧州の力関係を決する、注目の一戦と言える。