4・7総理会見の冒頭発言(3)経済対策

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 4月7日に行われた安倍晋三首相の記者会見での発言の(3)をお伝えする。

■日本経済は戦後最大の危機に直面

安倍首相はついに緊急事態宣言発出

 緊急事態としての措置を講ずる以上、当然、経済活動への大きな影響は避けられません。もとより今でも多くの中小・小規模事業者の皆さんが事業継続に大きな支障を生じておられます。世界経済だけでなく、日本経済が今まさに戦後最大の危機に直面している、そう言っても過言ではありません。その強い危機感の下に、雇用と生活は断じて守り抜いていく。

 そのためにGDPの2割に当たる事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することといたしました。困難に直面しているご家族や、中小・小規模事業者の皆さんには総額6兆円を超える現金給付を行います。1世帯当たり30万円に加え、次の児童手当の支払いに合わせ、1人当たり1万円を追加することで、お子さんの多いご家庭の家計もしっかりと下支えします。

■日本経済を支える屋台骨の中小・小規模事業者

 日本経済を支える屋台骨は、中小・小規模事業者の皆さんです。本当に苦しい中でも、今、歯を食いしばって頑張っておられる皆さんこそ日本の底力です。皆さんの声は私たちに届いています。皆さんの努力を決して無にしてはならない。その思いのもとに史上初めて事業者向けの給付金制度を創設しました。売り上げが大きく減った中堅、中小法人に200万円。個人事業主に100万円支給します。固定資産税も減免します。消費税などの納税に加え、社会保険料の支払いは、1年間猶予いたします。当然、延滞金はかかりません。

 26兆円規模の猶予を実施することで、手元資金を事業継続のために回していただけるようにいたしました。民間の地方銀行、信用金庫、信用組合でも実質、無利子無担保、最大5年間元本返済据え置きの融資が受けられるようにします。さらには雇用調整助成金の助成率を過去最大まで引き上げるなど、考えうる政策手段を総動員して、国民の皆さまとともにこの戦後最大の危機を乗り越えていく決意であります。

■恐れるべきは恐怖それ自体

 今回の緊急事態宣言は、海外で見られるような都市封鎖、ロックダウンを行うものでは全くありません。そのことは明確に申し上げます。今後も、電車やバスなどの公共交通機関は運行されます。道路を封鎖することなど決してありませんし、そうした必要も全くないというのが専門家の皆さんの意見です。海外では都市封鎖に当たり、多くの人が都市を抜け出し、大混乱と感染の拡大につながったところもあります。

 今、私たちが最も恐れるべきは恐怖それ自体です。SNSで広がったデマによって、トイレットペーパーが店頭で品薄になったことは、皆さんの記憶に新しいところだと思います。ウイルスという見えない敵に大きな不安を抱くのは、私も皆さんと同じです。

 そうしたときSNSは本来、人と人の絆を深め世界の連帯を生み出すツールであり、社会不安を軽減する大きな力を持っていると信じます。しかし、ただ恐怖に駆られ、拡散された誤った情報に基づいてパニックを起こしてしまう。そうなるとウイルスそれ事態のリスクを超える甚大な被害を、私たちの経済、社会、そして生活にもたらしかねません。

(4)へ続く

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