4・7総理会見の冒頭発言(2)国民へ要請

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 4月7日に行われた安倍晋三首相の記者会見での発言の(2)をお伝えする。

■事態は切迫 みだりに外出しないように要請

記者会見の様子を伝える4月8日付け産経新聞

 医療への負荷を抑えるために最も重要なことは感染者の数を拡大させないことです。そしてそのためには何よりも、国民の皆さまの行動変容、つまり行動を変えることが大切です。特別措置法上の権限はあくまで都道府県の知事が行使するものでありますが、政府として関東の1都3県、大阪府と兵庫県、そして福岡県の皆さまには特別措置法45条第1項に基づき、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに外出しないよう要請すべきと考えます。

 事態は切迫しています。東京都では感染者の累計が1000人を超えました。足下では5日で2倍になるペースで感染者が増加を続けており、このペースで感染拡大が続けば2週間後には1万人、1か月後には8万人を超えることとなります。

■接触機会の減少で2週間後に感染者増加をピークアウト

 しかし、専門家の試算では私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができます。そうすれば爆発的な感染者の増加を回避できるだけでなく、クラスター対策による封じ込めの可能性も出てくると考えます。その効果を見極める期間も含め、ゴールデンウイークが終わる5月6日までの1カ月に限定して、7割から8割削減を目指し外出自粛をお願いいたします。

 繰り返しになりますが、この緊急事態を1カ月で脱出するためには人と人との接触を7割から8割削減することが前提です。これは並大抵のことではありません。これまでもテレワークの実施などをお願いしてまいりましたが、社会機能を維持するために必要な職種を除きオフィスでの仕事は原則自宅で行えるようにしていただきたいと思います。

 どうしても出勤が必要な場合もローテーションを組むなどによって、出勤者の数を最低7割は減らす。時差出勤を行う。人の距離を十分に取るといった取り組みを実施いただけるよう、全ての事業者の皆さまにお願いいたします。レストランなどの営業にあたっても換気の徹底、お客さん同士の距離を確保するなどの対策をお願いします。

■オンライン学習の環境整備を加速

 学校休校が長期化しますが、オンラインなどで学習できる環境整備を地域と協力して加速します。電話、オンラインでの診療も初診も含めて解禁することとしました。病院での感染リスクを恐れる皆さんに、これを積極的に活用いただくことで、受診を我慢するといった事態が生じないようにします。その上で、生活必需品の買い物など、どうしても外出する場合には、密閉、密集、密接の『3つの密』を避ける行動を徹底していただくよう、あらためてお願いいたします。今まで通り外に出て散歩をしたり、ジョギングをしたりすることは、何ら問題ありません。

 他方で、3つの密がより濃厚な形で重なるバー、ナイトクラブ、カラオケ、ライブハウスへの出入りは控えてください。集会やイベントを避け、飲み会はもとより家族以外の多人数での会食も行わないようお願いいたします。

■若い人を中心に全ての人が注意を

 この感染症の恐ろしい点は発熱などの症状が全くないにもかかわらず、感染している人が多いことです。そして、知らず知らずのうちに周囲の人にうつしてしまうことで、拡大していくという点です。すでに自分は感染者かもしれないという意識を、特に若い皆さんを中心に全ての皆さんに持っていただきたい。外出する際にも人混みを避け、他の人との距離を保つ。飛沫を飛ばさないようにマスクを付けるなどの行動をお願いいたします。

 そのことが他の人の命を守ることになります。そしてひいては自分の命を守ることになります。国民の皆さまのご協力をお願いいたします。

(3)へ続く

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