社民党正気か?「太平洋戦争は15年」
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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終戦記念日の8月15日、各党が声明・談話を発表した。社会民主党(福島みずほ党首)は「敗戦75年にあたって」という声明を発表、太平洋戦争を15年とする内容で、その真意は不明である。
■「15年にもわたった太平洋戦争」?
社民党の声明「敗戦75年にあたって」は、本文1877文字に及ぶ。内容は犠牲者の慰霊の後は、お決まりの政権批判と続く。さらにタイムリーさを強調したかったのか、新型コロナウイルス禍に触れて不戦・恒久平和と絡めているが、そのあたりは何が言いたいのか、よく分からない部分である。
問題は冒頭部分で、以下のように声明は述べている。
日本の侵略戦争と植民地支配に始まり、15年にもわたった太平洋戦争は、多くの国々に多大な苦痛と損害を与え、日本も存亡の危機に陥りました。
太平洋戦争が15年? 果たして日本史、世界史でこのように習った人間がいるのだろうか。いわゆる「15年戦争」と呼ばれる戦争はあったが、それは1931年の柳条湖事件に始まる満州事変から盧溝橋事件をきっかけにした日中戦争、そして1941年に開戦した太平洋戦争を指し、日本がポツダム宣言受諾した1945年8月まで、足掛け15年の対外戦争を指すのが一般的である。
■1942年閣議決定は「大東亜戦争」
戦時中は日中戦争(支那事変)と、1941年に開戦した対米英(後に蘭も)との戦いを含め「大東亜戦争」と呼ぶことを1942年12月12日の閣議で決定した。「太平洋戦争」は戦後生まれた呼び名であるのはよく知られているところで、現在は教科書でも使用されている。
歴史教科書を見ると「同年(筆者註:1941年)12月8日、日本軍はハワイのパールハーバー(真珠湾)にある米海軍基地を奇襲し、マレー半島に軍を上陸させて、アメリカ・イギリスに宣戦し、太平洋戦争(1941~45)に突入した。」(詳説 世界史 p366 山川出版社)とある。
皇室は一連の戦争を「先の大戦」と表現されているのはご存知の通り。産経新聞も基本的に太平洋戦争は使用せず「大東亜戦争」や「先の戦争」などを用いているようである。我々一般国民は「満州事変」「日中戦争」「太平洋戦争」と学校で教わる。
■もはや存在価値のない政党・社会民主党
社民党が太平洋戦争を15年とした意図は分からない。考えられるのは、①いわゆる15年戦争を太平洋戦争と呼ぶことを党で決定している。②単純なミス。
①だとしたら、教科書検定に通った日本政府公認、国民の大多数が考える1941年から45年までの太平洋戦争の定義を勝手に書き換えたことになり、非科学的で身勝手な行為と言うしかない。②の可能性が強いと思うが、多数の死者を出した戦争が終結した日に戦没者等への思いを口にしながら、基本的かつ重大な誤りをしているのであるから、本当に慰霊の気持ちがあるのか疑わしくなる。
②を前提に考えれば、党の声明という何重ものチェックを経て公表するものに対して、チェック機能が働かなかったということである。もはや政党としての機能を果たせていないのではないか。8月15日午前11時の時点で、まだ修正されていない。
戦後75年、社民党の存在価値について、多くの国民はどう考えるであろうか。