コントレイル福永騎手の考えが分からない
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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G1ジャパンC(芝2400m)が29日、東京競馬場で行われ単勝1番人気のアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝厩舎)が優勝した。無敗の三冠馬コントレイル(牡3、栗東・矢作厩舎)は2着に敗れたが、手綱を取った福永祐一騎手(43)の騎乗ぶりに、関係者や馬券を買ったファンは納得しているのだろうか。
■アーモンドアイを遥か前に見ながら9番手
4枠6番のコントレイルの福永騎手は内目の4番手につけたアーモンドアイを遥か前に見ながらの9番手という位置取りを選択した。スタートは互角で、2番枠のアーモンドアイが前に行くのが見えていたはずなのに、外からクレッシェンドラヴに来られたら引いて中団に控えている。
道中の位置取りは4番手のアーモンドアイ、外に馬体を合わせたクレッシェンドラヴ、その1馬身半ほど後ろにデアリングタクト、そこから2馬身ほど離れてコントレイル、その内に武豊ワールドプレミア。牝馬三冠のデアリングタクトは「敵はアーモンドアイ1頭」とばかりにしっかりと視界に捉えて負かしにいくポジションにつけた。
ところがコントレイルはさらにその2馬身後ろの外、アーモンドアイとは3馬身ほど離された後ろである。この位置から、アーモンドアイを直線で一気に差し切れると判断したのだろうか? 普通に考えればアーモンドアイを負かさない限り優勝はなく、そう考えればクレッシェンドラヴの位置、悪くてもデアリングタクトの外につけないといけないと思うのだが、発馬後のポジション争いであっさりクレッシェンドラヴに譲っている時点でそれは不可能になった。
■武豊ワールドプレミアの外でいいのか?
コントレイルの内にいたのが武豊ワールドプレミア。昨年の有馬記念以来11か月ぶりの実戦とあり、菊花賞馬とはいえ伏兵扱い。キセキがハイペースを作り出し、4番手にアーモンドアイとくれば、直線でこぼれてくる有力馬を拾っていって、あわよくば2、3着、アーモンドアイが失速したら漁夫の利の1着も…という他人任せ、運を天に任せるような位置取りであろう。その外にコントレイルがいたのだから、武豊騎手は「ユーイチ、ホンマにここでええんか?」と思ったのではないだろうか。
4角をコースロスなく回って残り2ハロンまで追い出しを我慢したアーモンドアイを、外を回って2~3馬身ほど後ろから差し切れる馬など日本にはいないと思う。そう考えると4角で勝負有り。
コントレイルが直線ヨレながらも2着に入ったのは立派と言っていい。とはいえ、デアリングタクト、カレンブーケドールと同タイム、グローリーヴェイズとは0秒1差という際どい2着争いではあった。デアリングタクトとはともかく、残る2頭にはもう少し差をつけてもいいように思える。無敗の三冠馬なのだから。
■アーモンドアイと最初で最後の対決だったが…
コントレイルにすればアーモンドアイとは最初で最後の対決であり、負ければリベンジのチャンスはない。無敗の三冠馬に期待されたのは、アーモンドアイを破って世代交代をアピールすることであったはず。2着を取りに行く競馬など、誰も望んでいないと思う。
ネットには福永騎手のコメントが掲載されていた。「プレッシャーのないところでリラックスして走れました。直線でもいい感じで上がってこられたけど、最後に苦しくなって左にモタれる場面が…。タフな競馬になったけど、一生懸命に2着まで頑張ってくれました」(サンスポ電子版11月29日付け:【ジャパンC】コントレイル初黒星も堂々の2着 福永「一生懸命に2着まで頑張ってくれた」)。
リラックスして走らせるのも大事だろうが、相手にプレッシャーをかけて走らなければいけないシチュエーションだったのではないだろうか。福永騎手が何を考えてあのような競馬をしたのか、凡人の僕には理解できない。
■2013年凱旋門賞キズナ4着 トレヴ目標に動いた武豊騎手
思い出すのは2013年の凱旋門賞。最後方付近に控えた武豊・キズナは、フォルスストレートで前のトレヴが動くと(この馬が相手)とばかりに一緒に動いて負かしに行った。結果、直線で伸びずに4着。仕掛けを遅らせたら2着か3着はあったかもしれない。
それでも(勝つために渡仏したのだから、勝つための競馬をする、結果、着順が下がってもそれは仕方がない)という強い意思が見えてくるような騎乗。そういう競馬をすれば関係者もファンも納得である。
コントレイルの関係者が福永騎手の騎乗をどう評価するのか分からないが、僕がオーナーなら「次はルメール頼みます」と矢作調教師に言うと思う。あくまでも素人考えだが。
》》ジャーナリスト松田様
コントレイルには無敗でいて欲しかったです。
気持ちはわかりますが、矢作先生の「正直ホッとした。無敗の重圧はきつかった」というコメントは聞きたくありませんでした。
祐一の乗り方は、彼なりの当然勝つための最善のプランだったと思います。トップジョッキーに対して、素人の小生があれこれ言える立場ではありません。ただし、コントレイルの鞍上がクリストフ・ルメールだったら恐らく違う乗り方で、違う結果だったのではないでしょうか。
クリストフなら菊花賞でアリストテレスに跨って、コントレイルの能力は把握しているはずです。…「タラレバ」ではありますけどね。
レース後に、コントレイル頭勝負の3連単で腰が抜けてしまった小生は、「祐一は斤量有利のデアリングタクトをマークして乗った?…。相手を間違えた?」と、道中の位置どりに頭が混乱してしまいました。
まさに松田さんの豊ちゃんが、「祐一、ここでええんか?」という例えはズバリ的を得ていると思います。
単なる一競馬ファンの小生などがおこがましいと分かっておりますが、例えばフランケルの様な「無敗の最強馬」を重ねた夢は、儚くも露と消えてしまいました。
>>MR.CB様
コメントをありがとうございます。コントレイルという馬はスパッと切れる脚はないようですね。菊花賞のようなしぶとく伸びる、並んでも抜かさせない勝負根性のような競馬の方が向いているのかもしれません。
コントレイル頭の3連単を持っている人にはあの乗り方は納得いかないでしょうね。アーモンドアイを負かしに行って惨敗なら納得、ファンもそういう競馬が見たかったのではないでしょうか。
矢作さんは乗り役をシビアに変える調教師さんのようなので、今回の一戦を見て、海外挑戦の場合は外国人騎手かなという気がしています。