コロナ禍でも生き残る飲食店の共通点
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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新型コロナウイルス禍がひと段落し新宿は活気が戻ってきた印象であるが、飲食店はまだまだ自粛ムード。6月24日、歌舞伎町の有名台湾料理店を訪れたが、午後6時の時点で客は2組のみだった。苦しい戦いが続く飲食店だが、生き残った人々に話を聞くと、ある共通点が浮かび上がってくる。
■緊急事態は解除されても、ウイルスは残る
新宿歌舞伎町の老舗「A」。実名を出してもいいのだが、あまり名誉なことではないのでイニシャルにしておこう。6月上旬に同店のオーナーがNHKの取材に「このままの状態が続くとまずいです」などと答えていたのをご覧になった方もいるだろう。
実は僕はこの店は30年ほど通っており、今年になって2度訪れている。4月23日に訪れた時も(客が少ないなぁ)と感じたが、それでも10人ぐらいの団体客もいて、25人程度は入っていただろうか。しかし、6月24日に2人で訪れた時には、僕たちを入れて2組4人。100席程度の店内はガラガラだった。帰り際に店員さんに「頑張ってください」と声をかけた次第である。
歌舞伎町を歩いていると、人出は明らかに2か月前よりは増えていた。しかし、外を歩く人が飲食店に入るかと言われると簡単にはいかない。
Foodist Mediaなどで書いている関係上、飲食店のオーナーや、日本フードサービス協会幹部に話を聞くことが多いのだが、彼らは口を揃えたように「元に戻るのに1年はかかる」と口にする。印象的だったのが、テレビ出演も多い小岩の”最強レモンサワー”で知られる「素揚げや」の宮崎明氏の言葉である。
「緊急事態宣言が解除されても、ウイルスがいなくなるわけではない」
まさにその状態が今の東京都である。小池百合子知事は54名の感染者が出た6月26日に専門家の話として「第二波とは考えていない」としたが、そう考えていない人も少なくないと思われる。そうなると(外食はまだやめておこう)と考えるのが通常の思考法であろう。
■キャッシュ・雇用の維持 そして「強い気持ち」
ここまで新型コロナウイルスにどう立ち向かうか、飲食業関係者10人近くにインタビューした。戦後最大の国難にも生き残った人々に共通するのは、早めにキャッシュを確保すること、それによって雇用を維持すること、そして何より大事なのは「絶対に生き残る」という強い思いを持つことである。
キャッシュについては「今月の支払いができたら、会社は潰れないんです」と、ライブドアのCMOを務め、現在はラムチョップを提供する「ウルトラチョップ」を運営する高岳史典氏が語っていたのが印象的だった。
雇用の維持は、店舗が再開した時に動かす人手がなければビジネスは続けられないから、当然のこと。コロナ後を考えた場合、絶対的な条件といえよう。
そして、最後の強い思いである。ある経営者は「死んじゃだめ。死んだら生き返れないんですよ」と強調していたのを思い出す。「私が『もうダメだ』と考えていたら、店はなくなっていたでしょうね」と語った経営者もいた。分かりきったことであるが「天は自ら助くるものを助く」ということである。
■アフターコロナはビジネスチャンスの声
もっとも、新型コロナウイルス禍を生き延びた店舗にとっては、「ビジネスチャンスだ」という人も多かったのも事実。
前出の高岳史典氏は、新型コロナウイルス禍によって、多くの人が様々なビジネススタイルを始めたことで、それがコロナ後にも活用されるであろうことを予測していた。また、同氏はオンライン上で顧客を囲い込む試みも始めており、コロナ後は各店舗で営業努力合戦となるであろうことを口にしていた。
コロナ期間中にデリバリー、テイクアウトを軌道に乗せた店のオーナーは、中食への進出を考えていると明かしてくれた。これまで中食によって外食産業の市場が侵食されていたが、逆に外食の方から中食のマーケットに参入する機会が増えてくるのではないかと語ったのである。
企業は不況を乗り越えるごとに強くなると言われるが、外食産業も似たようなもの。苦しい状況をしのいだ店舗・企業はよりたくましくなれると思う。
今はまだ苦しい時、どうか飲食業、外食産業の方には頑張っていただきたいと思う。
》》ジャーナリスト松田様
飲食業に限らず、どんなに困難な状況でも忘れていけない至極の格言。
『天は自ら助くるものを助く』に尽きると
思います。また、自らもそうありたいです。
>>MR.CB様
この国難にあっても店を維持している方に聞くと、闘志を表に出す方、静かに燃える方の違いはあれど、皆、「絶対に生き残る」「従業員とその家族のために」という強い意志を持っているように感じました。
「国や都が何とかしてくれるだろう」という方は一人もいませんでした。本当に「天は自ら助くる者を助く」だと思います。そういう方はコロナ後もきっと成功されるのでしょう。