林檎に換えて11年 もう窓は覗かない

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 筆者がMacユーザーになって11年が経過した。Windowsを使用する機会はほとんどなくなり、今では操作する自信がない。PCは詳しい方ではないが、Macユーザーの1人として日頃感じていることを紹介してみよう。

◾️Windows8でサヨナラ

表参道のApple Store(撮影・松田隆)

 筆者がMacユーザーになったのは2014年夏のこと。1995年にWindows 95を購入し「PCとは何て便利なのだろう」と感じ、それまで使っていたワープロ(ワードプロセッサー)から徐々にPCへシフトして行った。1990年代前半、文書作成機能しかないワープロが15万円程度。文書作成に特化した機器なので使いやすさはあったが、それしか機能がないわりには高すぎた。

 当時はインターネットはまだ一般的ではなく、オンラインの世界といえばパソコン通信サービス(ニフティサーブなど)程度しかなかった。

 Windows 95の次に買ったのがXP。デスクトップであったが、これは非常に使いやすかった。その後、Vista、7とOSが新しくなるたびに買い換えたが、今でもXPが一番使い勝手が良かった印象を持っている。

 Windowsに別れを告げたのは、続く「8」があまりに合わなかったことによる。持ち運びに便利なようにタブレット形式の機器を購入したが、スタートメニューの廃止、見慣れないタイル式のUIで、操作に手間取った。(何でこんなに使いにくくしたんだろう)と腹が立ち、使う気が失せた。

 フラストレーションを感じる日々が続き、ある時(こんな使いにくくしたWindowsにこだわる必要はない)と思った。当時、青山学院大のロースクールに研修生として通っていたので、学校帰りに表参道のApple Storeに入りMacを眺めた。スタッフが商品説明をしてくれたが、一番驚いたのがPagesであった。Wordが「文書作成ソフト」なのに対し、Pagesは「デザイン+文章のハイブリッド」などと言われるようであるが、新聞紙面を作るかのように写真を自由に配置して視覚的にも優れた写真付き文書が作れるのを見せられたら、もう、止まらない。その直後に当時としてはハイスペックな部類のMacを購入した。

◾️窓の3つの弱点

 筆者は2014年10月末日に日刊スポーツ新聞社を早期退職したが、辞めるまでの間は会社でWindowsを使い、帰宅するとMacという日々であった。両方を使っているとWindowsの嫌なところが目立つようになった。

・立ち上げに時間がかかる

・マウスが邪魔

・Excelが使いにくい

 Macに慣れると、Windowsを立ち上げる間に自分の半生を振り返れそうなほど時間がかかる感覚に陥る。(嫌がらせか)とイライラする。さらにPCでの作業ならPCで完結すればいいものを、何でわざわざマウスなど外部機器を使用するのか。トラックパッドの方がはるかに便利に感じる。

 それからExcelの使い勝手の悪さ。感覚的な表現になって申し訳ないが、「どこをクリックしても何かが選択され、ちょっとズレると式が壊れる」といった部分が我慢できない。1行挿入しただけで参照式がずれる、範囲を少し動かすとSUM関数の対象が変わる、書式をいじると数式が飛ぶ、といったドミノ倒しが発生し、結局最初からやり直すことも少なくない。その点、Numbersはレイアウトを変えても式が崩れず、どこをクリックしても意図しない選択が起きにくい。

 Macに替えても、仕事でwordやExcelで書類の提出を求められることがあるために、その2つのソフトは入れている。ただし、この2つのアイコンがDockに現れると何か違和感を覚え、マイクロソフトの関係者には申し訳ないが、作業が終わると(Dockの調和が乱れるから入ってくるな)とばかりに、すぐに2つのアイコンを目の前から消すようにしている。この感覚、お分かりいただけるであろうか。

◾️今更窓には戻れない

 こうしてMacを使って11年、起動してすぐ使える、指先と画面が連動している、スクロールが滑らか、トラックパッド上で動かす指の本数で画面の動かし方を決められるなどに慣れてしまうと、Windowsに戻る気は全く起きない。

 他のMacユーザーは分からないが、あくまでも個人的な感想であるが、Windowsの画面は見るのも嫌という感覚に陥ってしまう。

 最近は徐々に日本でもMacがシェアを伸ばしているという。Windowsの国内シェアは2009年1月時点で95.42%だったものが、2024年7月には72.08%となった。一方のAppleは3.68%から14.92%と、シェアを4倍に増やしている(スマホライフplus・意外と知らない「Mac」と「Windows」の国内シェアにはどれだけ差があるのか? が引用するStatcounter Global Statsから)。企業や役所ではMacを使うことはないので大勢が逆転することはないにしても、その差は縮まっていくと思われる。

 事実、青学大の学食で学生が広げているPCは筆者を含めてAppleばかりで、Windowsを見た記憶がない。青学にMacユーザーが多いのは何となく納得してしまうが、若者の間ではAppleの良さを感じる人が多いのかもしれない。スマートフォンのOSのシェアを見るとiOSが2024年で60.8%を占めていることからCross Marketing・世界スマホシェア率を日本と比較|人気のOSやメーカーは?、その連動性を考えてPCもAppleにという人が増えているという事情もあると思われる。

◾️Macへの不満はあれど…

写真はイメージ

 Macにも不満がないわけではない。たとえば「L」キーでラ行が打てない、pagesにYouTubeのURLを貼ると、自動的にYouTubeサムネイル+タイトルが出てしまうのは大問題。YouTubeについてはURLをそのまま表示するのをデフォルトにして、何らかの操作をすればカード化する設計にした方がいいと思う。Appleがそうしない理由がわからない。

 また、Lキーは小文字変換専用に固定されており、Apple純正ではもはや解決は不可能である。

 そうした不便さを感じることはあるものの、トータルでは遥かにMacの方が使いやすい。筆者に限っていえば、おそらく、今後もWindowsマシーンを買うことはないと思う。Appleのビジネスに取り込まれている気はするが、それならそれで結構なことである。

    "林檎に換えて11年 もう窓は覗かない"に1件のコメントがあります

    1. BADチューニング より:

      ” 窓 “は”98SE”が1番使い易かったなぁ。
      数十秒単位で「立ち上がる」し。

      今使ってる、メインPCのWin10の”重い”ことw
      ゲーム専用で”スタンドアローン”で使ってる上記の98SEのノートや、XPのデスクトップに比べれば、本当に『マイク◯ソフト社は一旦何をどう”進化”させたんだ?』と思いますww

      宝くじが当たったwwwら、メインのデスクトップとメール受けに使ってるノートを、両方とも”林檎”にしたいです。

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