山口敬之氏の弁護士を戒告 伊藤詩織氏側も懲戒を

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 愛知県弁護士会は31日までに同会所属の北口雅章弁護士を戒告処分にしたと、メディアが報じた。ジャーナリストの伊藤詩織氏をブログで侮辱したことが理由とされる。同弁護士はTBSの元ワシントン支局長の山口敬之氏の一審での代理人。その懲戒の是非はともかく、山口氏に対して伊藤氏側の弁護士が行った重大な人権侵害についても処分がなされるべきと考える。

■法廷の主張をブログで書いて懲戒

写真はイメージ

 東京新聞電子版3月31日付けなどによると、北口弁護士は伊藤氏が山口氏に対して合意のない性行為をされたことによる損害賠償を求めた裁判の一審判決(2019年12月18日)が出る前のブログで「伊藤氏の訴えは『全くの虚偽・虚構に過ぎず、山口氏の名誉・社会的信用を著しく毀損する犯罪的行為』」と記載したという。

 そのことで、弁護士会の綱紀委員会が19年9月、県弁護士会の懲戒委員会に審査を求める決定をし、懲戒委は処分の議決書で「弁護士の品位を失うべき非行に当たる」と指摘したと報じられた(「伊藤詩織氏を侮辱の弁護士戒告 訴訟相手方の元TBS記者代理」から)。

 弁護士への懲戒は4種類あり、戒告は最も軽い。残る3種は2年以内の業務の停止、退会命令、除名と一気に重くなる(弁護士法57条1項1号~4号)。とはいえ「軽いからいいじゃないか」という話ではない。弁護士として品位を失うべき非行を行ったとされたのであるから、本人にとっては不名誉極まりないことである。

 このような処分がされる理由がよく分からない。北口弁護士は、山口氏の代理人となり訴訟担当をしており、まさに「伊藤氏の訴えは『全くの虚偽・虚構に過ぎず、山口氏の名誉・社会的信用を著しく毀損する犯罪的行為』」と主張して請求の棄却を求め、さらに反訴提起している。裁判は公開で行われることは憲法82条1項に規定されており、一般に裁判の公開原則と呼ばれる。

 つまり、北口弁護士が法廷で主張した内容は公開される性質のもの。それをあらためて自分のブログで公開する行為を「非行」と考える愛知県弁護士会の決定に、北口弁護士は納得できるのであろうか。

■伊藤氏の弁護士「性犯罪被害を受けた」

写真はイメージ

 愛知県弁護士会がそのような決定をしたことを会の立場に立って解釈すれば、弁護士は人権を守るべき立場にあり、法廷で主張したことを、さらに公にして本人の社会的評価を下げることは容認できないという判断だったのであろう。

 問題はここからである。もし、今回の北口弁護士のブログでの記載を「弁護士の品位を失うべき非行」とするのであれば、伊藤氏側の弁護士の方が悪質な非行があったと言っていい。

 昨年、伊藤氏が杉田水脈衆院議員と東大大学院の元特任教授の大澤昇平氏に名誉毀損などによる損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こし、8月20日の3人の弁護士がこの件で記者会見を行った。その場で大澤昇平氏に対する訴訟を担当する山口元一弁護士(第二東京弁護士会所属)は、少なくとも3度、伊藤氏は「性犯罪被害を受けた」と表現したのである。そのことは、当サイトでも取り上げたので覚えている方もいるかもしれない(参照:伊藤詩織弁護団こそ名誉毀損ではないのか)。

 当サイトで何度も触れているが、山口氏は準強姦(現準強制性交)で刑事告訴された件は不起訴処分となり、検察審査会も不起訴相当と議決している。山口氏は犯罪とされる行為を実行しておらず、犯罪者ではない。当然、伊藤氏は性犯罪被害を受けたと認定されていない。それを「性犯罪被害を受けた」と表現することは、山口氏を性犯罪者扱いすることであり、到底許されるものではない。

 北口弁護士が法廷の主張をそのままブログに書いただけで「弁護士の品位を失うべき非行」とされたのであるから、法的に犯罪が成立していないのに、クライアントの訴訟の相手方を犯罪者呼ばわり、それも繰り返し行った山口弁護士には、戒告以上の懲戒が与えられてしかるべきである。

■「言論には責任を伴う」と言った直後の信じ難い言葉

 この会見に出席した杉田水脈議員に対する訴訟を担当する佃克彦弁護士(東京弁護士会)は、「言論というのは責任を伴うものである。…表現の自由、言論の自由というのは何でも言っていいということではない」と語っている。

 ところが、会見では山口弁護士の「性犯罪被害」発言に注意を呼びかけることもなかった。その点を取材すると「そういう言葉尻をとらえるような質問をされても、僕はイエスともノーとも答えられないですよ、そんなこと。」「別にそんな言葉の端々まで、そんな意を払って聞いてないですから。山口(元一弁護士)さんが何を言ったか。」とのことであった(参照:伊藤詩織ジャーナリスト書類送検に弁護士「影響なし」)。

 「言論には責任を伴う」と言った直後に、(一々、細かいことまで聞いていません)という趣旨の話をする弁護士とは、一体何者なのかと思う。

■山口元一弁護士も懲戒となるべき

 伊藤氏vs山口氏の訴訟では、伊藤氏に対する誹謗中傷による人権侵害も存在するが、それ以上に山口氏に対する人権侵害は深刻である。刑事で不起訴になった者が犯罪者呼ばわりされ、ある意味、殺人犯以上に誹謗中傷されている。

 こうしたことが行われないように先頭に立つべき弁護士が、人権侵害をしている状況は看過できない。北口弁護士が懲戒を受けたのであれば、当然に山口弁護士も懲戒となるべきと考える。第二東京弁護士会の綱紀委員会には、しかるべき措置を取ることを望む。

13 thoughts on “山口敬之氏の弁護士を戒告 伊藤詩織氏側も懲戒を

  1. アバター 月の桂 より:

    この事件、常に伊藤氏を守る流れになるのは、どうしてなのでしょうね。
    全くもって、フェアじゃない。
    北口弁護士のブログは読んでおりましたが、説得力のある内容で、懲戒処分になるなど信じられません。
    北口弁護士頑張れ!!貴方は悪くない!!

    1. アバター 「日弁連 反日」 でググろう より:

      「日弁連 反日」 でググると謎が解けますよ
      早い話が反日してる奴らにとって都合の悪い弁護士という事です。

      1. アバター 月の桂 より:

        「日弁連 反日」でググろう様

        情報を有り難うございます。
        後程、ググってみます。

    2. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>月の桂様

       コメントをありがとうございます。

       弁護士会は一般の人間には理解できないような決定をすることが少なくありません。今回もその一例なのかなという気がします。こうしたことで弁護士という職業そのものが、一般の人からの信頼を失っていくように思います。

  2. アバター 名無しの子 より:

    私がこの「弁護士戒告処分」の記事を見た時思った事は二つ。「また始まった」と「もう誹謗中傷はやめて」です。
    はすみとしこ氏から始まり、杉田議員、そして今度は弁護士。自分の気に入らない人へのマスコミを巻き込んだ言論封鎖。それにより名指しで公表された方への凄まじい誹謗中傷。伊藤氏とマスコミは結託して、次はこの人を誹謗中傷の的にしようと画策しているようです。
    松田さんのおっしゃった伊藤側弁護士も勿論のこと、酷い弁護士は沢山います。伊藤側の弁護士の中で「だれが書いたかわからないような文書でも、民事裁判なら通用する」と言っていた弁護士がいました。また、私は先日、はすみとしこさんの「実子誘拐」という本を読んだのですが、そこには、自らの利益の為、夫婦を離婚させる弁護士が登場します。これはフィクションではないようです。弁護士が離婚をさせ、その手続きで儲けるような世の中になったら、どうなるのでしょうか。
    私は、今回戒告処分を受けた弁護士さんを応援します。はすみ氏の本に出てくるような弁護士や、また、伊藤氏の刑事告訴と著者で主張していることが違っているのを知りながら(刑事告訴では暴力を告訴してはおらず、暴力は後でねつ造した)、平然と伊藤氏を弁護するような、信じられない弁護士よりも、よほど正義感に満ち溢れていると思います。今回のことなんかに負けず、これからも、真実を追求する、まっすぐな弁護士でいていただきたいと思います。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>名無しの子様

       コメントをありがとうございます。

       伊藤さんも手当たり次第という感じですし、弁護士会も相変わらずおかしな決定をします。弁護士が自らの信ずる道を口にできなくなるような社会を弁護士会も望んでいる訳ではないのでしょうが、どうしてこういう決定になるのかなと思います。

       今回は戒告ですみましたが、それ以上の懲戒の可能性があるとなれば北口先生の表現の自由に対する制約になりかねません。

       色々と考えさせられる案件でした。僕も単純におかしいと思います。

  3. アバター トトロ より:

    弁護士懲戒だと、刑事部長が官邸の意向受けて捜査を握り潰したと報道した週刊新潮も虚偽報道で制裁対象になる。人気TVドラマシリーズ「浅見光彦」で、兄の刑事局長陽一郎が、警察署に電話すれば、警察署長が光彦にゴマするシーンがあるけど、刑事局長が刑事部長より上のくらいで、官邸から指示が出る場合は、刑事局長→刑事部長に指令が出るが、刑事局長名前が出ない時点で官邸からの指示がないのが分かるけどスルーしている。刑事局長を無視して刑事部長に直官邸指示を出せば、組織が崩壊する。
     そして、伊藤が山口氏に馬乗りされたと発言しているけど、男が馬乗りすれば挿入できないから、男の場合は、女性の足を上げる「マンぐり返し」で、風俗を扱うスポーツ新聞だと分かる話だけどスルーしているのは犯罪!
    https://www.bengo4.com/c_18/n_9867/
    https://twitter.com/G04aphprbWCrhBx/status/1376501716061810695

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>トトロ様

       コメントをありがとうございます。

       馬乗りに関しては、一審判決も触れていましたね。それをご覧になるのがいいと思います。一審判決はおかしな判決だとは思いますが。

       すみませんが、表現については今回あたりが限界です。これ以上、直接的な性表現になると公開を見合わせる場合がありますので、ご注意ください。下ネタではなく、裁判についてのコメントというのは分かりますが、少し表現を抑え目にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

  4. アバター 名無し。 より:

    「懲戒」という報道に驚きましたが、酷い内容ですね。
    仰る様に、北口弁護士が事実をブログに書いたら懲戒なら、不起訴処分=伊藤氏は被害者と認められてないのに、繰り返し「性犯罪被害者」と発言し、被害者がいる事はつまり加害者も存在する訳で、山口氏を強姦魔と繰り返し発言してる事になる。名誉棄損そのものです。

    弁護士会なんて反日日弁連の組織ですから、伊藤氏を批判する奴は、反日人間から
    すれば非常に都合が悪いのでしょう。伊藤詩織氏は韓国の慰安婦団体(不正団体)とも
    繋がってますから、そっちの勢力が、攻撃しやすい所を攻撃し、日本を貶め、
    無実の人間の名誉を棄損し、冤罪を着せ、口を封じ、反日勢力のやりたい放題の
    日本にしたいのでしょう。
    反吐がでますね。(伊藤氏に対する揶揄ではありません。)

    同じく、伊藤氏側の弁護士にも強い「懲戒」を求めます。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>名無し。様

       コメントをありがとうございます。

       各弁護士会のあり方は、それぞれなのでしょうが、全体的におかしいんじゃないの? と感じられることが少なくありません。政治的な思惑を持っているのでは、と疑われる言動もあるように思います。

       もう少し弁護士という職業の公共性を考えてほしいと感じています。

  5. アバター 匿名 より:

    今回戒告処分を受けた弁護士のブログが手に入りました。こちらです。
    http://web.archive.org/web/20190807124524/https://www.kitaguchilaw.jp/blog/?p=3913

    私は裁判のやりとりの記録も拝見しましたが、ほぼこちらと同じでした。つまりは、弁護士が、裁判では相手を追いつめるために使った言葉でも、個人的ブログに書いてはいけないということなのでしょうか。裁判は一般公開されているのにね。
    私の感想としては、きちんとした証拠を用いて、理路整然と真実を追求しているという感じで、とても納得のいく内容でした。だからこそ、伊藤側としては、とてもやっかいなシロモノでしょうね。ただの、感情的な罵声とは違いますから。
    伊藤氏の著書ブラックボックスよりもずっと、信頼できる内容だと思いました。これが、相手を侮辱する内容だと指摘されるならば、 ブラックボックスは即刻回収されるべき悪書だと思います。
    また、松田さんがおっしゃったように、伊藤氏を犯罪被害者確定のように(つまりは山口氏を犯罪者確定のように)公の場で言い放った伊藤側の弁護士も、戒告処分よりももっと重い懲戒処分にしてもらうべきだと私は考えています。
    日弁連は反日だという噂もあります。大手マスコミに続き、日弁連まで信頼できないとなれば、一体何を信じればいいのか。「信じる者は救われる」という言葉は、もはや理想にすぎないのかと、つい絶望的になりそうですが、なんとか前向きに生きていきたいと思います。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>匿名様

       伊藤氏側の弁護士の発言は許し難いものがあります。本文に書いた通り、北口先生よりも遥かに悪質な発言がありながら弁護士会が違うということなのでしょう、お咎めなしというのはどうかと思います。

       こういうことが積み重なっていくと、司法全体の信頼性にかかわると思います。

  6. アバター 海軍大将 より:

    慰安婦と言い、特定秘密保護法・平和安全保障法制といい、死刑制度といい、弁護士会という組織がかくも偏った組織である以上、もはや弁護士会に弁護士の処分を任せることは出来ないと思います。
    また、そもそも公的機関ではない弁護士会が、弁護士に対して営業をしていいかいけないかを決めていること自体、近代的な経済活動の自由に違反します。こんなの中世日本の座、近世日本の株仲間、ヨーロッパのギルドと同じです。
    ましてや、偏向団体に会費という活動資金を払わないと弁護士活動ができないなんて論外です。中国共産党レベルです。合法的なみかじめ料と言ってもいいと思います。
    日本も欧米に倣って、弁護士の処分は裁判所や行政がやるようにして、弁護士会なぞ全て解散させるべきでしょう。

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