朝日社説はカメレオン 自縄自縛の罠
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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■政府は朝日の「給付を課税対象」は取り得ない
ここからが少しややこしいところであるが、少々我慢して読み続けていただきたい。
麻生財務相の「辞退や寄付に期待」を「A2ー案」とし、朝日の「給付を課税対象」を「B2ー案」としよう。「2ー案」にも2通りあるものの、どちらも富裕層への給付という不公平感解消策であり、ベースが「2ー案」であることには変わりはない。
そうなると、A案とB案の比較になる。ここで考えなければいけないのは、なぜ、政府が「2案」にしたかである。その理由は朝日新聞も指摘しているように安倍首相の「みんなで乗り越えていく」という思いを具現化したものである。国民全員が一致してまとまっていく象徴としての一律給付であるから、「所得によって一部の人から回収する」というのは、その基本的な理念に反する。
つまり、政府は導入の理念から朝日主張の「B2ー案」は取り得ないのである。もし、政府が「B2ー案」を言い出したら、朝日新聞は「導入の理念に反する」と攻撃するのは間違いない。別の言い方をすれば、政府は国民団結の象徴とするための「2(a)案」であり、朝日新聞は素早く行き渡らせるための「2(b)案」と、同じ「2案」でも導入目的が異なっているのである。
朝日新聞が「B2ー案」を言い出したのは、「シンプルな方式にすることで、素早く行き渡るのであれば、」という前提が付いていることを思い出していただきたい。政府の「国民一致団結の象徴として」の導入ではなく、「素早く行き渡らせるため」の導入が理由である。そのため、朝日新聞としては「B2ー案」を言い出しても、それは朝日新聞が考える導入理念に反することはない。
■麻生財務相に賛成するのが嫌だった?
それならば、朝日新聞は堂々と「B2ー案」にすべきと主張すればいい。しかし、朝日新聞の考えがどうあれ、政府は国民が団結する象徴としての一律給付として導入したのであるから「導入の理念からB2ー案は取り得ません」と否定されて終わってしまう。朝日新聞はたった一言で論理的に言い負かされることになるのである。
それならば素直に「A2ー案が不公平感解消のための唯一の手段である」と認めるのが普通。しかし、「憎っくき」麻生財務相の言い分を「その通り」と認めるのが余程、嫌だったのであろう。
不公平感の解消を言うなら、B2ー案の方がA2ー案より優れていると、導入できない前提を無視して自説の優秀さを語ることで無意味なマウントを取っている。さらに、そもそも前提は一致団結の象徴としての給付であり、「一律の給付にも理がある」と2(a)案に立って、A2ー案を批判しているのである。つまり、A2ー案よりは2(a)案の方が優れているということである。
朝日新聞が優れていると考える順番は、①B2ー、②2(b)、③2(a)、④A2ーである。現時点では①と②の朝日案は取り得ない。ただし、2(b)と2(a)は、目的は違うが、内容は同じ。それなら本来自分たちが②で主張していたものを③に置き換え、麻生案の④よりは、③の方がまだマシと結論づけたと思って間違いない。
■自縄自縛とは朝日新聞のための言葉?
これまでの主張の流れを政府と朝日を並べて見てみよう。
政府:「1」→ (1)→「2(a)」→「A2ー」
朝日:「1」→「1ー」→「B2ー」→「2(a)」
4月24日付けの社説だけを読むと朝日新聞の明確なポジションを知ることは難しいのは、こうした微妙な前提の違いがあるからというのがお分かりいただけるだろうか。
つまり麻生財務相のA2ー案を批判したいが、前提を考えるとB2ー案にすべきとは主張できない。そこで自らが次善の策としての評価だった2(b)と同じ外観の2(a)案の正当性を訴えて、A2ー案を批判しているという論理構成になっている。
その結果、冒頭で示したような自社のメイン主張が1案から2案に大幅にスライドしてしまう節操のないものになったのである。「自縄自縛」とは朝日新聞のためにあるような言葉ではないか。
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おはようございます。
この間、友人と一律10万の話になって、友人曰く、一律は良くない困った人に給付をと政府の政策を批判していました。その人は自民党の国会議員の秘書を経験した人です。私が安倍総理は国民の荒んだ心に一律10万円で、少しは和んで欲しいとの思いなのでは!と言うと分かってくれましたが、寄付を求めるのも可笑しいし、10万円を何かに使って、皆で乗り越えようって気持ちになる事が大事だと思います。それから保障の話になるのではないでしょうか。
私は大いに使います。
>>山口 秀明様
コメントをありがとうございます。
朝日の社説を読んでいると、朝日新聞もベストは困っている人に30万円で、政府案より対象を広げるというもののようです。
ただ、一律10万円支給で国民一丸となって…というのも一理あるように思います。そこは色々と考え方があるのでしょう。
僕も外食を中心に10万円を使って、国家の経済に少しでも寄与したいと思います。