合流拒否 山尾しおり議員の正論

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 国民民主党が解散して立憲民主党と合流することになった。国民民主党の山尾しおり(志桜里)議員は8月20日、ツイッターで合流新党には加わらないことを明らかにした。

■小さくても明確な理念がある政党

山尾しおり議員ホームページから

 合流新党は国会議員140人を超える大所帯になるとされるが、メンバーを見ると、かつての民主党・民進党が寄り集まっただけという印象もある。

 そんな中、山尾しおり議員は合流新党には入らないことを明らかにした。かつて立憲民主党に所属したものの、今年3月18日に離党届を提出、喧嘩別れをした古巣に戻る可能性はないと見られていたため、既定路線であろう。

 8月20日には合流しない理由をツイートした。重要な点を抜粋したので見ていただきたい。

やはり「理念は曖昧だけど大きい塊」より「小さくても明確な理念がある政党」の方が、国会議員として誠実な仕事ができる。それに「理念なき政権交代」は「緊張感なき一党支配」と同じくらい国益を害する。何より、国民は賢いので、理念なき政権交代を選択しないと思います。

それでも「質より数だ!」「結集せよ!」というのは愚民思想なんじゃないかな。「所詮国民は理念なんて求めてない、政策なんて分からない」という、政治家の根拠なき上から目線。でも愚民思想って、政治家自身の努力不足を国民に責任転嫁するロジックだと思う。幸い、国民は案外賢い。

 「国民は案外賢い」という部分は、何ともわれわれを小馬鹿にしているようで腹立たしいが、全体を読んでみると筋は通っているように思う。

■小沢一郎氏「次の総選挙の後は我々の政権だよ」

 そもそも政党は理念を同じくするものが集う団体である。民進党が国民民主党と立憲民主党に事実上分裂したのは様々な事情があったにせよ、政治的な理念が異なったからであろう。それが選挙が近くなったら一緒になる茶番劇に納得する国民が多数存在するとは思えない。

 小沢一郎氏は合流が決まった時に、「これでまとまって選挙やったら絶対勝つよ。絶対次の総選挙の後は我々の政権だよ。間違いない。それだけ国民は期待しているんだよ。逆に今の政治にうんざりしている。私はそう確信している」と語ったとされる。国をどうやって守り、発展させ、国民を幸せにするかではなく、「次の選挙で勝つ」ため理念は二の次、三の次の合流であることを認めているようなものである。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は7月の時点で、政策的な一致の重要性を説く国民民主党の玉木雄一郎代表に対して「合流後でも十分議論できる」と合流を急がせている。これも乱暴な話で、合流後に政策が一致しなかったら、どうするのか全く分からない。

 小沢、福山両氏の言葉と山尾氏の言葉を並べてみれば、どちらが国会議員として国を、国民を考えているかは一目瞭然であろう。

■ガソリン・不倫疑惑と問題は少なくないが…

 個人的には山尾しおり議員のガソリン問題、不倫とされる問題については納得できない部分は多い。しかし、こと、今回の合流新党に関してはまともなことを言っているように思う。共産党との協力はできないとして、合流新党に加わらないとした前原誠司氏の言い分ももっともである。

 民進党分裂の張本人が立憲民主党と合流できるはずはないのだが、言っていることは至極真っ当である。

 こうした合流拒否組の正論に対して、聞こえないフリをして合流新党に気持ちが向いている議員が多い。「どちらに行けば当選できるか」しか考えていない議員は、どちらに行っても当選できないと僕は思う。

"合流拒否 山尾しおり議員の正論"に5件のコメントがあります

  1. MR.CB より:

    》》ジャーナリスト松田様

    松田さんは意外にも(笑)寛大な受け止め方をされましたけど、小生の様な愚民には「相変わらず腹の立つ言い回し」にカチんときます。
    東大法学部の明晰な頭脳を持ってすれば、「国民は案外賢い」の他にも幾らでも言葉は見つかるはず。あえてこの(わかった上で)挑発的な言葉をチョイスする山尾氏のパーソナリティが小生は大嫌いです。
    その時点で、文章の中にある真意さえも理解しようとする気が消え失せてしまいます。しかしまあ、彼女のこの度の選択は正解であり、政治家としての判断力は認めます。

    最後に唐突ですが、過日参加した医療セミナーで学んだ事があります。「正常な細胞は分裂するのに約30時間かかる。しかし、がん細胞は約20時間と非常に早く分裂する」そうです。

    1. 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵 より:

      >>MR.CB様

       山尾しおり議員の場合、国民は愚かだという考えに立っているのでしょうね。そうでなければ、そういう言葉が出てくるはずがありません。そのわりには自分の下半身はコントロールできない人なんだなという感想を持ちます。

       元検察官なので、正論を語らせたらしっかりとしたものがあるのでしょうね。ただ、MR.CB様ご指摘のような考えを持ち続けるようであれば、いずれ、しっぺ返しを食うと思います。その方が本人のためでもあるでしょうし。

  2. 野崎 より:

    ルカ16章10節
    小事に忠実な人は、大事にも忠実である。そして、小事に不忠実な人は大事にも不忠実である。

    ガソリーヌといわれた山尾氏の会計問題、説明するといいその後無し、不倫問題、これが山尾氏の実だろう。

    山尾氏の政治理念(あるのか否かは不明、)も信用はできない又間接話法で日本死ねとのこと、理念の中に、理念の裏に、そう考える要素はあるのだろう、政治家として容認できない。

    今回の合流が野合であることは山尾氏の指摘を待つまでも無い。
    山尾氏の選択は理念ではなく計算にもとづいての選択であると思う。

    「国民は案外賢い」 

    世の中にバカと利口がいることは事実だ、しかしバカと人格は無関係だ。
    知的レベルが低くとも実直な人は確かにいる、利口な悪もいる、よって警察に知能犯係というのもある、プラス恥知らず、が加わっている者もいる。

    冒頭にキリスト教、聖書にある言葉を引用したが、キリスト教の神の教えは、人は皆同じ罪人だと、
    自分も山尾氏のことをいえない恥ずべき行為の数々を、、だが、なんとか、、

    え~いつもながら脈絡なく以下。
    最近、動物行動学者の竹内久美子氏がよくマスコミに登場している。
    動物の生態を人に敷衍して男女問題を語っている、その語りが斬新なようで受けているのだろう。

    故、三島由紀夫が絶賛した故北原武夫の告白的女性論、北原氏はとても女性にモテた男、一時、故宇野千代氏と夫婦関係であった。

    女性論の最後に北原は言う、自分のようなものでも何とか少しでも愛というものに近づきたい、と、
    自分の様な者とは、その奔放な、数多くの女出入りがあった自らを、、の思いだろう、

    そしてエロスからアガペーへと少しでも近づきたいと、到達したい、到達できる、とは言っていない。
    男女間の愛は性愛、エロスであり、エロスは消え去る、時として憎しみに変わる、、

    自分も山尾氏のことを言えない、、だが少しでも、との思いはある、、故北原氏にも似て、

    山尾氏には期待していない。

    御返信は不要です。

  3. 野崎 より:

    追伸

    御返信は不要です。

  4. 野崎 より:

    コメントに一部抜け落ちが(>_<)

    故北原武夫氏の告白的女性論は、竹内久美子氏論じる男女間の問題をすでに語っており、それをはるかに凌駕していることの部分が、

    失礼しました。

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