4・19皐月賞 開催そのものが奇跡に近い
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵
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中央競馬のG1皐月賞(芝2000m)が4月19日、中山競馬場で行われる。現在の状況を考えると、何が勝つかよりも、この時期に競馬が開催されていることが最大のニュースのように思える。
■再開のメド立たない他競技 競馬の恵まれた地位
世界の主要スポーツがほとんど全てが開催を止めおり、日本も同様である。相撲は春場所を無観客で実施し、夏場所の開始を2週間遅らせたものの、力士に感染者が出たこともあり無観客でさえも開催できるかどうか微妙になっている。
こうした中、公営競技、ことに中央競馬が開催できていること自体、驚くべきことである。4月7日の緊急事態宣言の後、それまでの無観客開催に加え、東西の交流を重賞などの大レースに限ったこと、当該週の土・日での騎手の移動を原則として禁じたこと、調整ルーム(騎手がレース前日から泊まり込む宿泊施設)入りを緩和したこと(自宅等を調整ルームとみなす)などの対策で感染拡大の可能性をさらに下げ、開催継続を決定したことが報じられている。
それでも、選手が先が見えないまま自宅でトレーニングを続けるしかない他のスポーツに比べ、遥かに恵まれた状況にある。馬券はネットでの発売が多くを占めており、採算面でも大きな影響を受けていないという面も、開催を続けられる理由の1つかもしれない。売り上げそのものが多少減っても開催経費が大幅に圧縮できるのは大きい。18日の3場での開催では、いずれも前年比で売得金がプラスという”快挙”を達成しており、この日に限れば収益面では逆に前年比プラスである。
■世界の競馬はほとんどが中止
世界の競馬はどうかといえば、ほとんど中止になっている。4月13日発売の週刊競馬ブック誌上で秋山響氏(サラブレッド血統センター)が伝えたところによると、英・仏・愛など競馬主要国の多くが全面的に中止。米・伯でごく一部開催されているという。世界的に見て無観客とはいえ通常通り実施しているのは日本、香港、豪州(タスマニア州を除く)だけである(海外競馬PLUS vol.145)。
豪州では4月11日にG1クイーンエリザベスS(芝2000m)が行われ、英国のアデイブが勝ち、3着に日本のダノンプレミアムが入った。開催自体が希少である上、人馬の海外の移動も困難な中、遠征馬が1、3着。こうなると、現代の奇跡のようなものではないか。
福永祐一騎手(日本騎手クラブ副会長)は「競馬は生活していく上では必要ないものだとは思いますけれども、こういった閉塞した環境下の中で少しでもストレス解消や気晴らしになるのであれば。僕らはそれに対して全力で努め、国民の方々に提供しなければならない。」と話している(YAHOO! JAPAN 花岡貴子 「日本騎手クラブ会長の武豊騎手ら『こういう時こそ困難な状況に立ち向かい、乗り越えなければ』」)。
感染拡大を防止できても世論が「今の時期に競馬どころじゃない、自粛しろ」という方向へ動いたら、さすがにJRAも開催続行は困難。そうした雰囲気を分かっているからこそ、騎手も積極的に競馬開催の意義を強調しているのであろう。一部調教師・騎手から、競馬の収益の一部が国庫納付金となることを強調するコメントが出ているのも、その流れであると思う。
■千両役者・武豊騎手の行動
3月8日のG2ディープインパクト記念弥生賞(芝2000m)、武豊騎手はサトノフラッグとのコンビで優勝した。口取り写真(優勝時に行う写真撮影)の後、無人のスタンドに向けて右手を左右に振って、小さな声で「ありがとうございました」と言ったという。
その意味を聞かれると「ファンの皆さんに見て欲しかったですからね……」と答えたそうである(YAHOO! JAPAN 平松さとし「ディープインパクト記念を制した武豊がレース後にとった奇妙な行動とその意味とは…」)。
千両役者・武豊騎手。
5年先、10年先、競馬の世界で新型コロナウイルス禍が語られる時、武豊騎手の行動が今の時代を示す象徴的な出来事として語られるようになるかもしれない。
》》ジャーナリスト松田様
正直なところ「今年の皐月賞の様なレース
こそ、満員のスタンドで開催して欲しかった」が、JRAの本音でしょうね。勝ったコントレイルは、父ディープを彷彿させる豪快な走りでした。負けはしましたがゴール前まで食い下がったサリオスも、「さすがG1馬(朝日杯)」と唸るほどの2頭のデッドヒート。テレビ画面でも、十分に鳥肌が立つ臨場感が伝わってきました。稀に見る好勝負でした。
無観客開催は、競馬を愛してきた小生にとってもやはり違和感を感じます。ただ、歓声で押し消されていた新たな魅力にも出会えました。パドックでの馬の息遣いやターフに響く蹄の音はなぜか新鮮で、サラブレッドをより間近に感じることができた気がします。
ひょっとしてJRAのやり方次第では、カメラアングルや音響技術を駆使すれば、これまでにない迫力満点のレースをファンに見せられる。そんな可能性を感じました。抽象的ですがe-Sportsに近いような、ビジュアル系の新たなるステージに競馬が進化する時代もあながち絵空事ではない気もしてきました(笑)。妄想ですね。
>>MR.CB様
無観客も競馬の別の良さが出るという部分はあるかもしれませんね。騎手の1番人気のプレッシャーも案外、減ってくるような気がします。負けてもヤジられないとなると、乗りやすいし、また人気薄の騎手などは思い切った乗り方ができるなど、違った面が出やすくなるかもしれません。
e-sports化に近い、見せ方という点ではまだまだこれからも進化はありそうですね。全騎手のヘルメットにカメラをつけて映像を見せるなど、案外近いかもしれません。昨年の凱旋門賞で武豊騎手が着用していた記憶があります。それは結構、楽しめるのではないかと。本命馬のカメラを見ながら、「インをつけよ、そこで!」みたいなファンが増えるかも、と思ったりします。
》》ジャーナリスト松田様
迫力満点のカメラの技術は是非、日刊スポーツ新聞社の方が最適かと!
望遠レンズの使い方などの演出は、折り紙付きですしね(笑)。
>>MR.CB様
おっしゃる通り、日刊スポーツの望遠カメラで未勝利戦もG1級の迫力で(笑)。
武蔵野市役所の担当者は相当、腹を立ててましたね。2週続けてですしね。
例の記事を書いた大上はレース部で競輪も担当していましたが、レースという報道のモラルがそれほど問われないセクションに居て、感覚がマヒしてしまったのかなという気がします。写真部の元記者に電話で聞いたら「混雑を撮るのに望遠なんてあり得ない」と言っていました。大上記者の一連のことも知っていて「しょうがねえなあ」みたいに呆れていました。辞めた人間の方がモラルを弁えているという部分が、会社として考えなければいけないところなのでしょうね。