高市早苗氏はダービー馬ロジャーバローズ

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 事実上の次期首相を決める自民党総裁選(9月29日投開票)は、明後日17日に告示される。現時点で3人が出馬を表明しているが、高市早苗前氏が最もいい戦いをしているように思える。2019年のG1東京優駿(日本ダービー)のロジャーバローズのような戦い方で、首相の座も夢ではないように思える。

■徐々に伸びる高市氏の支持

高市早苗氏公式サイトから

 自民党総裁選は15日現在、岸田文雄元外相(64)、高市早苗前総務相(60)、河野太郎行政・規制改革相(58)3氏が出馬を表明し、石破茂元幹事長(64)は河野氏支持を表明し、野田聖子幹事長代行(61)は出馬の意向とされるが、20人の推薦人集めに苦労しており、最終的には出馬は難しいと思われる。

 共同通信が9月4、5日に実施した全国緊急電話世論調査で「次の首相に誰がふさわしいか」を聞いたところ以下のような結果となった(47NEWS:次の首相に、河野氏トップ31% 石破氏26%、岸田氏は18%)。

河野太郎氏 31.9% 石破茂氏 26.6% 岸田文雄氏 18.8% 野田聖子氏 4.4% 高市早苗氏 4.0%

 この時点で高市氏は最下位、自身が卑下して言ったように「泡沫候補」扱いである。そのような状況で当サイトは高市氏が勝つと予想する記事をアップしており、世間から見れば無理筋のように見えたに違いない(参照:高市早苗首相誕生と予想「天の時」到来

 しかし、高市氏はその後、着実に支持を伸ばしている。朝日新聞9月12日付けの世論調査では以下のようになった(自民総裁選、河野氏33%、石破氏16% 朝日世論調査)。

河野太郎氏 33% 石破茂氏 16% 岸田文雄氏 14% 高市早苗氏 8% 野田聖子氏 3% 

 ここで野田聖子氏を抜いて4位に浮上。石破氏は15日に不出馬を表明しレースから脱落したから実質3位である。2位岸田氏との14.4ポイント差は1週間で6ポイント差に縮まった。共同通信と朝日新聞と媒体が異なるので一概には言えないが、旧媒体での調査でも高市氏の支持が広がっているのが分かる。

■窮屈な戦いをする河野氏と岸田氏

靖国神社(撮影・松田隆)

 おそらく野田氏は出馬せず(できず)、3氏の争いであろう。高市氏以外の2人の戦いぶりは、あまり感心できるものではない。まず、旧媒体からの支持1位の河野氏だが、女系天皇容認については「男系で続いてきているのが日本の天皇の一つのあり方だ」と8日に記者団に語った(産経新聞9月10日付け)。また、持論の脱・原発については「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」とも述べた(東京新聞電子版:河野太郎氏「原発再稼働は必要」 自民党総裁戦出馬への「布石」か)。

 要は総裁選のために、日頃の言っていることを翻しているわけで、これは政治家としては非常に印象が悪い。なぜなら、政治家の究極の目的は総理大臣になって、自らが信ずる政策を実現させることにあるはずなのに、自らが信ずる政策を変えて、総理大臣になりたいと言っているに等しいからである。

 さらに石破氏への協力要請。これで完全に安倍・麻生を敵に回すことになった。相手が勝手に応援するのを待っていればいいと思うのだが、魅入られたように悪手を打っての自滅パターンのように思える。

 岸田氏については、特に目新しさは感じられない主張ばかりのように見える。経済政策は宏池会の流れか、池田勇人首相の所得倍増計画にちなむ「令和版所得倍増」。それでいながら子育て世帯への支援強化を盛り込み、経済成長を促しながら、セーフティーネットの充実を訴える。(それができれば、みんなしてるでしょ)という印象で、画餅のような政策と言っては言い過ぎか。

 今回の総裁選は、現職が出馬しない上、直後に総選挙が控えるという過去に例がない状況で行われる。これまでの常識は通用しないのではないか。前例のない状況での総裁選を、昭和の匂いのする戦い方で勝てるのか、疑問に思う。

 また、靖国神社の参拝については「国のため尊い命をささげた方々に尊崇の念をしっかり示していくことは政治家にとって大切な姿勢だ。適切な示し方を考えたい」と述べた(産経新聞電子版9月13日付け:岸田氏、首相としての靖国参拝「尊崇示すこと大切」)。

 要は「首相になったら、靖国神社には行きません」と言っているのであろう。断言すると保守層の票を失いかねないから、(私は靖国神社には行かないが、英霊への尊崇の気持ちは持ってます)と言っているとしか思えない。こういう言い方が政治家としての覚悟のなさを感じさせる。誰にでもいい顔をして、信頼を失うパターン。総裁選まではいいかもしれないが、その後の総選挙でこのタイプの政治家を顔にして戦って勝てるとは思えない。そこを党員や国会議員はどう考えるか、微妙な部分である。

■迷いなき高市氏のインタビュー

 今日15日付けの産経新聞に高市氏のインタビューが掲載されていた。内容は概ね、以下の通り。

・ウイグル問題で中国の人権侵害を非難する国会決議は必要

・慰安婦や徴用工問題などに関し、歴史外交を強化

・女性総合診療科の増設

・台湾有事では自衛権の発動に近い状況が出てくる可能性がある

・台湾の蔡英文総統に会ってみたい

・男系天皇を堅持

 どれもこれまで高市氏が主張していたことばかり。総裁選では日頃、自分が信じる政策をここぞとばかりに主張している。河野氏が総裁選に向けて過去の発言の修正をしたり、岸田氏が直接問いに答えずに異なる言い回しをしたりしているのを見ると、高市氏が伸び伸びと戦っている印象を強く持つ。

■ロジャーバローズに重なるイメージ

東京優駿で2番手を進むロジャーバローズ(右、JRA公式チャンネルから)

 こうした政治生命をかけた戦いでは、いかに制約がない状況で自らの主張を貫けるかが重要。総理・総裁になるために、日頃の言動を改め、他からの攻撃をどうやってかわすかに汲々としている人に、多くの人の心に届く主張ができるとも思えない。

 総裁選を競馬にたとえるのもどうかと思うが、高市氏を見ていると、2019年のG1東京優駿(日本ダービー)を勝ったロジャーバローズのイメージが重なる。同馬は東京優駿出走時、重賞未勝利で単勝12番人気という全くのノーマークだった。人気薄の気楽さ、1番枠を引いたことで鞍上の浜中騎手は「気分よく走らせよう」と考えたらしく、逃げるリオンリオンの2番手につけて、馬の行く気に任せてスイスイと走らせた。

 道中、ほとんどロスのない走りで力を蓄え、直線残り400mで先頭に立って、そのまま押し切ってしまったのである。単勝は9310円。

 出走した18頭、メンバーは今から思うとそれほど強くはなかったが、その時点でロジャーバローズが一番強かったかと言われると、「はい、そうです」とも言い切れない。後の活躍を含めると、2着のダノンキングリーの方が実力では上回っていたかもしれない。4着サートゥルナーリアもその年のG1有馬記念で2着と、能力は低くない。この時の東京優駿は、競馬をするたびに勝ち馬が変わる、そんな印象のレースであった。

 しかし、第86代日本ダービー馬はロジャーバローズであるのは厳然たる事実。ダービーは最も運のいい馬が勝つと言われるが、そういう面も含めての勝負事である。

■総裁選を勝負事の観点から見ても高市氏

 何の戸惑いもなく、自らの能力を出し切ることにのみ集中している高市氏は、このロジャーバローズの伸び伸びとした戦い方と重なって見える。勝負事というのは、一番強い者が毎回勝つとは限らない。僕は競馬の世界でそれをいやというほど見てきた。

 総裁選を勝負事の視点から見ても、高市氏が勝つのではないかという思いが日々強くなっている。

 スポーツ新聞的に言えばこんな感じか。

 「最右翼!高市早苗」

    "高市早苗氏はダービー馬ロジャーバローズ"に7件のコメントがあります

    1. 名無しの子 より:

      すいません。初めて松田さんと、意見が違いました。
      私は、高市早苗さんは、本当に実力があり、「一番強いから」勝てる方だと思っています。
      もしも勝てなかったとしたら、メディアの偏向報道でしょう。ロックダウンの政策にしても「コロナ対策で使うことはないかもしれないが、この先エボラ出血熱など、もっと酷い病気が流行ったりした時には必要。でも法律を作るには時間がかかるから、その時のために準備しておく」と言われたのに「コロナ対策は、ロックダウン」と報道されていました。また、NHK受信料値下げ、メディアの偏向報道などによる免許取消などの政策は、どこのメディアも報道しませんね笑。
      共同通信や朝日新聞のアンケートは、「ホントかな?」と思っています。ネット上では、最初から、ダントツ人気でしたから。先頃行われたネットアンケートの結果を貼っておきますね。
      https://twitter.com/uzurahiyoko/status/1435925743968550913?s=21

      高市さんの政策は、どれも素晴らしいと、私は思っています。でも一番凄いと思うのは、中国に対してです。国を守るというしっかりとした信念、覚悟。私は、高市早苗総理大臣の誕生を強く願います!
      なんだかすいません。選挙応援のコメにしてしまいましたね。でも松田さんは最初から、高市早苗先生に注目されていましたね。嬉しかったです!

      子供のころから不思議に思っていました。政治の世界では、立候補することを、なぜ「出馬」と言うのだろうと。馬は関係ないのにと。松田さんの記事で、なるほど!と思いました。確かに競馬のように「手に汗握る」という感じですよね。と言っても、私、競馬やった事ないんですけどね笑。

    2. 月の桂 より:

      高市首相誕生が現実味を帯びて来ましたね。松田さんの予想が当たりそうです。
      やっぱり、松田さんはただ者ではない…(笑)

      こちらのサイトにお邪魔するようになって1年近く経ちました。時間に追われる中、座ってじっくり読むことが難しく、閲覧は電車待ち時やお料理をしながら等々、スマホにて隙間時間を利用しています。当然、コメントもスマホから投稿。←これ、誤字が多いことの言い訳にはなりませんよね…(笑)

      過去記事を含め、「松田さんの公正で公平な記事」から沢山のことを学ばせて頂けることに日々感謝しています。

      益々進化する令和電子瓦版!!
      期待しています!!

    3. MR.CB より:

      》》ジャーナリスト松田様

      浜中俊の1枠1番ロジャーバローズ。サートゥルナーリアから勝負して粉砕されたダービーが、昨日のことのように思い出されます。あの日私の財政は完全にデフォルト致しました。
      さておき、石破氏の断念でもしかしたらギリギリ野田聖子氏に20人集まれば今回は出馬出来るかもしれません。4人よる戦いが有力ですね。
      私のヘボ予想では、◎ボウソウタロウ、◯チェンジキシダ、✖️レフトレフトサナエ、ハンシャセイコラブは無印とみました。◎はカッカしやすく気性的に長い距離は持たないかも。人気先行型のスプリンターの可能性があり、今回が試金石の一戦だと思います。◯は去年の同レースで骨折。今回休養明けの一戦ですが、育成牧場でじっくり乗り込んですっきりと仕上がりました。他馬に怯む気性も解消され、もつれる展開になれば一気の台頭も可能です。✖️は能力も高く、牝馬特有の末脚の切れも一級品。ただし成績を見ると右回りでしか結果が残せておらず、最後の直線で上手に手前(左右の前脚)を切り替えることが出来れば一発逆転があるかもしれません。個人的には手前を変えずに差し切って欲しい。最後にハンシャセイコラブは、馬自体は血統そして能力も勝ち負けのレベルにあります。問題は馬主の評判が悪く、大一番ではファンの支持が得られない可能性があります。転厩(関係厩舎を変える)でもして、気分一新しない限り大きなタイトルは出走することさえ難しいとは思います。ただ、愛を貫く姿勢は高く評価出来ます。長い目で見守りたい一頭です。
      以上、ご静聴ありがとうございます。

      1. 月の桂 より:

        MR.CB 様

        面白い!各馬の特性が実に良く解説されています!!
        競馬は無知ですが、なかなかスリリングな世界のようですね。レフトレフトサナエ推しでしたが、ハンシャセイコラブの登場で再考中。ボウソウタローやチェンジキシダも捨てがたい。さて、どの馬券を買うべきか…私の利益に繋がる良馬を見極めてみましょう。

        1. MR.CB より:

          》》月の桂様

          大変遅くなりましたが、コメントありがとうございます

          ライトライトサナエなんでしょうが、乗ってるジョッキーは勝つために「左左へ」と、と言う思いで命名しました。かえって分かり辛かったですよね。松田さんも記者のスタートは競馬記者でした。私のつたない認識では、予想(大穴狙い)よりもスクープが信条の競馬記者であったように記憶しています。
          月の桂さんも馬券はともかく、たまに松田さんが報じられる競馬の記事にも、より一層関心を持って頂ければ幸いです!  ありがとうございます。

          1. 月の桂 より:

            MR.CB 様

            お返事を有り難うございます。松田さんは競馬記者さんだったのですね。競馬記事は「これは日本語?」と感じるくらい無知で理解出来ていないのですが、競馬に目覚めた(?)今は読む気満々でございます(笑)
            MR.CB 様の解説コメントも楽しみにしております。

    4. 大政翼賛会 より:

      ぜひ、高市早苗氏が総理になって尖閣諸島に自衛隊を配備し
      尖閣諸島に近づく中国船舶を自衛隊で撃沈して欲しい
      左翼の公明党と連立破棄もしてほしい

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