KYおぎやはぎ小木「マスクのゴムが…」

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 おぎやはぎの小木博明さんが4月22日、出演したテレビ番組で届いた”アベノマスク”を左右のゴムの長さが異なると批判した。同日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で「工作の道具」などと揶揄。しかし、政府は国民に商品を売っているわけではなく、また、今は緊急事態であることを考慮して発言すべきである。

■小木博明さん「ゴムの長さも違うし左右で」

マスクは命を救う(写真はイメージ)

 お笑い芸人の小木博明さんはバイキングにリモート出演し「昨日マスク届きましたけど、ゴムの長さも違うし左右で」と話したという。

 その上で「めちゃくちゃですよ。あれもリメイクするの流行っているじゃないですか。うちとしては工作の道具が届いた感じです」と憤ったとのこと(スポーツ報知電子版4月22日公開記事から)。

 こうした芸能人のマスクへの批判は少なくない。歌手の小泉今日子さんも「代表取締役の小泉今日子が呟きます」とするツイッター「株式会社明後日」で布マスクに虫が混入し、カビが付着していたという記事を引用しつつ「汚らしい嘘や狡は絶対に許されない。カビだらけのマスクはその汚らしさを具現化したように見えて仕方がない。」と4月22日午後1時にツイートした。

■布製マスク配布は感染拡大防止策の一貫

 彼らが配布された布製マスクにいい感情を持たないのは勝手だが、筋違いの批判は慎むべき。もし、布製マスクを店頭で買い求め、左右のゴムの長さが違う、あるいは虫が混入していたというのであれば返品して新しいものに替えてもらうのは当然だろうし、場合によっては返金を求めてもいい。

 しかし、配布された布製マスクは商品ではない。あくまでも「急激に拡大するマスク需要に対応する上で極めて有効だ」(安倍首相)という理由で全世帯に配布が決定したもの。政府と国民の商取引ではなく、新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環としての配布・交付される(た)ものである。

 小泉今日子さんが語ったように虫やカビなどということであれば交換してくれるとは思うが、左右のゴムの長さの違い程度であれば自分で調整すれば済む話である。

■緊急事態に「ゴムの長さが…」と言う愚かしさ

 配布されるマスクを事前に厳重にチェックし、1つの瑕疵もない状態で各世帯に届けるのが理想である事は言うまでもない。しかし、事は急を要する。感染拡大を防止するためにマスクは必需品であり、それがドラッグストアから消えている現状であれば一刻も早く国民に届けなけれならない。

 短期間のうちに5700万以上と言われる全世帯に配るのであれば、若干の不良品が混入してしまうのも止むを得ない。不運にも不良品が届いた世帯からの交換には応じるとして、素早くマスクを届けることを優先するのは当然であろう。

 繰り返すが、政府は国民に対価に応じたマスクの販売をしているのではない。国民の生命を守るために、国費を投じてマスクを配布しているのである。それを理解できたら「左右のゴムの長さが違う」と言うことがいかに愚かしいか、気が付くと思う。

■フランスは日本の12日遅れでマスク配布を宣言

 フランスのマクロン大統領は4月13日のテレビ演説で全国民にマスクを配布することを宣言した(参考:仏版”アベノマスク”小島慶子・加藤登紀子は賛成?)。フランスはその時点で死者が1万4967人、感染者は9万8076人である。4月22日の時点で死者は2万796人、感染者は11万7399人と、日本の死者277人、感染者1万1496人とは比較にならない被害の深刻さである(データは日本経済新聞 新型コロナウイルス感染 世界マップから)。

 日本より遥かに深刻な状況となってからマスクの全国民への配布を決めたお粗末な対策がフランスの被害をここまで大きくしたと言っていい。こうならないように、日本は早い時点でのマスクの支給を決めたのである。

 小木博明さんも小泉今日子さんも、批判をするなら、そこを理解した上で批判をしてほしい。思いつきで政府の悪口を言うだけであれば、自らの価値を下げることになることを理解した方がいい。

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