台湾人も呆れた「中国人は地球のウイルス」 苦肉の策、胸に「台湾人です」

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葛西 健二🇯🇵 @台北 Taipei🇹🇼

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京都産業大学外国語学部中国語学科、淡江大学(中華民国=台湾)日本語文学学科大学院修士課程卒業。1998年11月に台湾に渡り、様々な角度から台湾をウオッチしている。
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 新型コロナウイルスに苦しめられる日本の様子は、台湾でも連日伝えられています。台湾人が特に注目しているのは、日本における中国人の振る舞いです。マスク不足は中国人による買占めが原因と報じられており、その行動を激しい言葉で批判し、さらに「中国人と一緒にしないで」という声が上がっています。

■マスク購入の列に割り込み乱闘「流血大亂鬥」「3國衝突」

横浜での乱闘騒ぎは台湾でも大きく報じられた(ETtoday2月28日付け)

 台湾の多くのメディアは、日本での中国人によるマスク買い占めを伝えています。また日本人が中国人に対して怒りを抱きつつあるということを報道しているところもあります。

 例えばApple Dailyは、日本在住台湾人の報告として、スーツケースを引っ張りながら街中をマスクを探して歩き回り、買い占めている中国人が日本人の怒りを招いているとし、聯合新聞は「日本『口罩之亂』」の見出しで、中国人のマスク買い占めによる供給不足と花粉症の季節を迎えることを「雙重衝擊(二重の衝撃)」としています。

 2月25日、日本のテレビでも報じられた横浜での2名の中国人によるマスク購入列の割り込みに起因した日・中・比の人々による乱闘は、「流血大亂鬥」「3國衝突」の見出しで大きく報道されました。

 この騒動についてネットでは、厳しい声が出ました。これから先は、台湾のネット上の声を事実として報じます。決してヘイトスピーチとか、そうした類のものではありませんので、お間違えなきようお願いします。

他們的字典沒有排隊這個字 (彼らの辞書には並ぶという言葉はない)」

插隊是中國人的本性 (割り込みは中国人の本性)」

 これらは、まだおとなしい方です。

真沒水準 (ホント品位に欠けるな)」

中國人就是垃圾 (中国人はゴミだ)」

中國人就是地球的病毒 (中国人は地球のウイルスだ)」

 繰り返すようですが、私が言っているのではなく台湾のネット上の声を事実として伝えるものです。

■台湾でも日本でもうんざりのモラルハザード

 こうした声が適切な表現なのかどうかはともかく、台湾人が中国人に対して悪感情を抱くのは理解できます。

 私自身、台湾でも日本でも、中国人の場を乱す行為や行動にうんざりさせられることが少なくありません。台湾では馬英九政権時(2008-2016年)に中国人観光客の受け入れを解禁したことで、中国人からの旅行客が急増しました。当時、街で見かける中国人はゴミを平然と捨てる、電車など公共の場で大声で騒ぐ、買い物で並ばないなどマナーの悪さが目につき、多くの人が不快感を示しました。

 また私の知人がそうでしたが「同じ中華圏でも、こうも違うのだ」と、台湾と中国の違いを改めて主張する人も少なくありませんでした。「馬英九のせいだ」と口に出す人も多くいました。

 台湾の人々からすれば、彼らのモラルの低さは目に余るものがあったのでしょう。台湾に来る彼らには「国外へ出た」という感覚はありません(これは台湾を訪れる多くの中国人が、台湾を「台湾省」としていることからも窺えます)。

 そのような彼らの訪台が、台湾人と中国人の違いを改めて浮き彫りにし、台湾の人々の「彼らとは違う」という気持ちやアイデンティティの強化につながり、蔡英文政権発足の一因となった…と考えるのは少しばかり大げさでしょうか。

■「台湾人です」のネームプレートの意味

BBS「批踢踢實業坊」 にアップされた「台湾人です」プレート

 台湾人が中国人への不快感を明らかにする一方で、同じ中国語を話すため、日本人には見分けがつかないのではという不安も生じます。

 実際、あるBBSには「最近大家出國要小心,不是每個人都分得出來 (海外では気をつけよう、誰もが見分けられるのではないから)」という書き込みもありました。

 そうしたことへの対策のため、ある在日台湾人は、SNSで「台湾人です」というネームプレートの写真をアップしました。

 その真意は「日本人真的分不太清楚台灣人跟中國人的差異 (日本人は台湾人と中国人の見分けが本当につかない)」からとのこと。

■中国人と思われる台湾人の思いを知ってほしい

 これは分かります。私が台湾人の妻を伴い日本へ戻った時は、街中で妻と中国語で会話をしていると、我々二人を「中国人」と思ったらしい日本人から「鬱陶しい中国人」などの不快なことを言われたことは1度や2度ではありません。言われた私も不快ですし、また、同じ日本人として相当、恥ずかしい行為と感じます。

 また買い物の時などでも、妻の話す言葉を聞いてスタッフの方に訊かれるのは、ほとんどが「中国の方ですか?」というフレーズ。「台湾の方ですか」と訊かれたことは一度もありません。普通の日本人の感覚は「中国語(のようなもの話している、という感覚でしょう)を話すアジア人=中国人」だと思います。

 昨今のウイルス騒動で中国人と見做されることに不安を感じる日本在住の台湾人の心中には複雑なものがあると思います。そして今回のウィルス騒動でも、意外なところ(マスクの買い占め行為や割り込み行為)でとばっちり受けている、そんな台湾の人々の悲痛な思いをこのネームプレートから感じました。

 これを読んだ日本人の皆さん、どうか中国語を喋る外国人を全て中国人と思わないでください。台湾人と中国人は違います。いつも台湾人の妻を中国人と間違われる私からのお願いです。

2 thoughts on “台湾人も呆れた「中国人は地球のウイルス」 苦肉の策、胸に「台湾人です」

  1. アバター MR.CB より:

    》》葛西様

    小生も中国人のマスク買占めのニュースを観て不快に感じました。台湾の方のお気持ちも察します。しかし一方で私たち日本人もネットのデマニュースに踊らされて、トイレットペーパーなどの買占めを行なっています。更にトイレットペーパーを高値転売する者たちも現れました。同じ日本人として、不快を通り越して絶望感さえ抱きます。
    ところが台湾ではIQ180の大臣の見事な発想で、同様の問題を早期に解決してみせました。メディアなどを使って、国民一人ひとりの感情に訴えた素敵なアイデアで、台湾の人
    たちに安心と秩序をもたらしました。
    これまでも日本人は、太平洋戦争での敗戦や阪神淡路、東北地震など数々の試練を見事に乗り越えて来ています。そこには自助・共助・公助の精神で、そして秩序を持って行動する日本人の姿があったと思います。
    大国中国の歴史で、歴代の王朝が滅びる要因は天災、疫病、邪教と言われています。まさに今がその時と言っても過言ではありません。しかしながら、これは中国だけの問題では決してありません。私たち日本人にとっても、国の将来を変える岐路になるかもしれないと言う想いを持った方が良いと思います。

    1. アバター 葛西健二 より:

      MR.CB様

      コメントをくださりありがとうございます。
      台湾は中国ではない、という台湾人の切実な気持ちを
      このネームプレートから感じ、ご報告差し上げた次第です。

      また、多くの困難を乗り越えてきた日本人、
      その所作は海外からも高い評価と賞賛を受けていることを
      忘れずに、今回の騒動にも冷静に対処してほしいと思います。

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